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正月を引きずりながら強風にあおられる

北風が、冷たく強く吹いた日だった。
正面から全身にそれを受け、あまりの冷たさと、吹き飛ばされるそうなほどの力強さの前に、足を踏ん張る。

短く切った髪を伸ばし始めて、ベリーショートからボブくらいまでに伸びている。
美容師さんと相談して、伸ばすのならと切らずにおいた髪型は、2ヶ月経った今はぼさっとした印象になっている。
少しでも整えようとヘアワックスを付けて出掛けるのだが、しっかり塗っても風に負け、屋内では整っていた私は、外へ出た途端ぼさっとした姿に変わる。
次美容院へ行く日まで諦めるしかないが、なかなか切ない気持ちになる。

駅のロータリー辺りは人通りが多かったが、駅から離れるとサラリーマンや学生の姿がまだ少なくて、道はとても空いていた。
自動車もどこか余裕があるようにさえ見える。
まだ正月から通常への移行は終わっておらず、このしばしの時間を楽しんで歩く。

ぼさっとした髪で歩く私に、冷たい風がこれでもかとぶつかってくる。
風の思うがままに短い髪はなびき、まだ正月気分が抜けていないのを見抜かれているかのようだ。

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