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インド人には言えない(シヴァ神大祭の日のひとり言)

現在インドに住んでいるワタクシ。今日はシヴァ神大祭の日なので、きっとこれから夜にかけてあちこちの寺院や家庭でお祈りが捧げられるだろう。

シヴァ神はヒンドゥー教の神さまの中でもかなりの影響力がある方。今日はシヴァ神とお妃のパールヴァティーが結婚したとされるおめでたい日でありその他諸々の日なので、この吉祥な日にシヴァ神へ感謝を捧げ、讃えようというのだ。

ガネーシャと同じく、シヴァの姿は街中でも、とてもよく見かける。踊っている像や、牛に乗っている像、巨大立像や、はたまたシヴァリンガまで拝まれてしまって、大人気なシヴァを見ると、ワタクシは「あのこと」を思い出して心の中で「あーーー、、、」となる時がある。

あれは、もう7〜8年前か。初めて高野山に行った時のこと。霊宝館を訪れた。運慶や快慶によって彫られたという、今にも動き出しそうな躍動感のある仏像を、心の中で感嘆の声を上げながら見学していると「降三世明王」という像が、目に止まった。何かを踏みつけている様子なのだが、てっきり邪鬼だと思って解説を読んだら、「ヒンドゥー教のシヴァ神とその妻を踏んでいる」と書いてあるではないか!!えーーー!シヴァってヒンドゥー教の有名な神さまだよね?こんなことしちゃってやばくない!?!?いいの!?と、降三世明王の足元でクタッとなっている神さまを見て、自分は完全にアウェーな人間にも関わらず、ドキドキした。

まあ降三世明王は何か理由があって踏んでいるらしかった。で、別に踏んでてもワタクシ全然関係ないんですけど、想像が勝手に羽ばたいて、これが原因で海の向こうの大勢のインド人たちが、日本に対してものすごい怒り出したらどうしよう…どうしよう…ドキドキ…とかなってしまって、とりあえずこのことは「インド人には絶対言えない」って思ったまま今に至る(インドに住むようになって、改めて正確にいうならヒンドゥー教の人だけどインド人同士で喋っちゃうかもしれないし)。

もし将来、熱心なヒンドゥー教徒のインド人を日本観光にお連れするようなことがあったら、降三世明王像の見学だけは全力で回避するぞー!


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