徒手療法に必要な身体は”neutral”な状態

前回の記事では、足部から股関節の操作を行うことで身体が安定していくことが分かります。

ここで注意していきたいのは、【 安定=固定 】ではありません。

身体の一か所が固めてしまうと、他の部位が過剰に動かざるえない状況が作り出されてしまいます。

力みが強い、緊張した指先では刺激を加えた組織の変化を感じ取ることができなくなります。

また変化する組織に対して流動的に力を伝えることも難しくなります。

例えば、常に腹部を固めるような(ドローイン)なんかの状態で組織を触り続けるのはあまり良くないということですね。

*ドローインのすべてを否定しているわけではないのであしからず。

不安定な身体は緊張した手を作り出してしまい、触診で得た情報を手から感じ取りにくくなったり、自身の意図した刺激を対象の組織に正確に伝えることができなくなるということです。

具体例だと関節へのアプローチの際に、

①「関節の遊び」や関節「転がり/滑り」を取り戻すためには、どの角度で刺激を与えるのが一番良いのか分からない。

②筋膜リリースの方法の一つである、クロスハンドをやっていると前腕が段々としんどくなってくる。なので、自身がリリースしようとしているのが深筋膜なのかどうか、またリリースしているのかが分からなくなる。

といったものがあります。

なので、基本的には「neutral(中立位)に近い身体を作ること。

偏りをなるべく減らして全身の張力を一定に保ちつつ、自分の身体をどんな方向へも動かすことができるような状態を作り出します。

私は自身の身体で運動連鎖を意識して動かすというのが、今のところ一番しっくりきます。

それには自身の身体を鍛錬する必要が出てきます。

鍛錬にも様々な考え方がありますが少しずつ紹介していきます。



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