ビットコインより価値上昇の精子。これからぐんぐんイクよ。

肉食いすぎ。スマホいじりすぎ。Netflix観過ぎ。私たちがいつもやってること。これで精子が半減。

世界中の男性の体に異常事態が起きており、欧米で男性の精子の数を調べたところ、この40年で半減。さらに深刻なのが日本。精子の数を欧州4か国と比べたところ、最低レベルだったことが判明。

〇なぜ精子が少なくなっているの??

精子力の危機につながっているのが活性酵素の増加とテストステロンの減少。この2つを招く原因は、日常生活に数多くある。いくつかご紹介。

酒の飲み過ぎ

南デンマーク大学環境医学部のティナ・ヤンセン教授らが、英医学誌「BMJ Open」で発表した調査結果によると、18~28歳の健康な男性1,221人の血液と精子を分析したところ、アルコールをビール換算で毎日約240ミリリットルもしくは1週間に約1.9リットル以上飲んでいる男性は、精子の数や運動率、奇形率に影響があることが分かったという。

 また、ビール換算で「週に1~5杯」を飲んでいた男性に比べ、「週に40杯以上」を飲んでいた男性では、精子の濃度が33%低下していたことも判明。調査では、週に350ミリリットルのビールを5杯以上飲むと精子の質は低下し始めるともあり、大酒飲みだけでなく、たしなむ程度でも影響があるという。

自転車の乗りすぎ

スペイン・コルドバ大学医学大学院のディアナ・ファーモンデ教授らが2009年に「欧州ヒト生殖・発生学会(ESHRE)」の会合で発表した調査結果によると、日常的に長距離のサイクリングをしている男性は不妊リスクが高くなるという。

国際的に活躍するトライアスロン選手15人を対象とし、各選手のトレーニング方法を把握し、彼らの精子を採取して分析したところ、自転車に乗っている時間が長い選手ほど精子に異常が見られる割合が高いという結果が判明。中でも、週185マイル(約298キロ)、1日に約25マイル(約40キロ)以上の自転車トレーニングを行っている選手では、正常な精子の割合が4%以下だった。この原因は、サドルによる圧迫や摩擦などとされており、ほかにも同様の研究結果を発表している論文もあることから、その信頼性は高いものと考えられる。



タイトな下着、衣類の着用

英マンチェスター大学人口保健研究所のアンドリュー・ポベイ氏らが、2012年に「Human Reproduction」に発表した調査結果によると、精子の数の少ない男性939人と多い男性1,310人を調べたところ、精子に悪いといわれている麻薬、たばこ、飲酒、肥満などよりも、タイトな下着や衣類の着用が、精子の数に大きな影響を与えることが分かったという。

 精巣を温めることで男性機能が落ちるというのは以前から知られているが、男性機能に悪いとされているいくつかの要因よりも、強烈な負の効果があった。ボクサーパンツから早く卒業しましょう!

育毛剤の使用

米生殖医学会誌「Fertility and Aterility」(2013; 100: 1542-1546)に掲載されたカナダ・マウントサイナイ・トロント病院のメアリー・サンプラスキー助教らの論文によると、日本では「プロペシア」に含まれている成分「フィナステリド」を常用していた27人の男性を対象に、フィナステリドの服用を中止する前とした後で精子の数を比べた結果、中止後に平均で11.6倍に増えたという。この論文では、「低用量でもフィナステリドが精子数の減少の原因になるため、不妊治療をしている男性は使用を中止すべき」と結論している。

〇希少価値がどんどん高くなる精子ビジネスがこれから加速??

今や精子も「商品」の時代となりあり、日本でも注目されているのが「精子バンク」。一定の規制はあるが、欧米の精子バンクを利用する日本人は、増え続けているという。デンマークにある世界最大の精子バンク「クリオス」では、日本を含む100か国以上に精子を輸出。この10年で5倍に増えたという。
精子の提供者の情報はホームページで公開。身長、学歴など10の条件の中で特に重視されるのは精子力の高さ。元気な精子ほど値段が高くなる。国境を越えて取引される「商品」にまでなっているのです。

早期発見は血液よりも精子が重要になる??

精子力の衰えは、さまざまな病気とも深い関係がある。南デンマーク大学医学部のジェンセン教授は、精子が少ない男性5,000人の健康状態を10年以上、追跡調査。その結果、精子の数が少ない人は、糖尿病のリスクが50%、心臓疾患などのリスクが40%高いことが分かった。精子の状態が悪い人は、健康状態も悪いことが多く、死亡率の調査でも、精子の数が少ないとリスクが上昇。1ミリリットル中の数が1000万を割ると1.7倍になった。

そのため、日本でも、精液を病気の予防に役立てようという研究が進んでいる。血液よりも敏感に体調を反映するという。実際に前立腺がんの患者の精しょうを調べると、活性酸素が急増していた。ほかにも、認知症や生活習慣病などの指標となる成分を含む精しょう。その検査で健康リスクをいち早く察知できる可能性があるそう。

結婚へ向けての登竜門となる??

ひと昔前まで、不妊といえば女性の問題だと捉えられるのが一般的だったが、近年は男性原因の不妊というのも数多くあるということが広く知られるようになった。結婚前に、カップル両方の深刻な病気や性感染症、さらに生殖機能の異常などがあるかないかを調べる「ブライダルチェック」が新常識になりつつあり、精子チェックのビジネスも加速すると思われます。


やっぱりインテリの精子は元気だった

イギリスの研究で、頭が良い男性ほど精液の質も良い傾向が明らかになった。ロンドン大学キングスカレッジ精神医学研究所の研究チームがベトナム戦争時の米軍兵士のデータを分析したところ、知能テストで良い結果を出した兵士ほど精子の数が多く、精子の運動も活発な傾向が見られたとのこと。使われた精子サンプルは1985年に元兵士425人(ベトナム、ドイツ、韓国などで従軍)から採取したもの。


これまで知能と健康状態の関係は、生活習慣などにより説明できる部分が大きい(頭の良い人ほど喫煙率が低く、運動をするなど)と考えられていたのですが、今回の研究結果は喫煙や飲酒習慣、肥満などのファクターを除いた後も、知能と精液の質(精子の数、濃度、運動能)にわずかながら、統計学上無視できない相関が見られたとのことで、知能と精子の質の両方に関連する遺伝子の存在を示唆しているようです。


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