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ブラインドタッチをしたいなら刻印を消せば良いじゃない

ども。ブラインドタッチができなくて、無理矢理体に覚えさせた人間です。
今日は最近起きた私の変化と心の整理のため記事を書いています。
ちなみに書いた時間は深夜3時。夜中のテンションで書いてるので温かい目で見てください。

HHKBの無刻印キーボード

https://happyhackingkb.com/jp/products/discontinued/hhkb_pro2/
コレを使うまでタッチタイプができませんでした。
手元を見ては、間違えて入力した所を沢山消して、また打っての繰り返しでした。
でも思い切って買って、名前も付けて、沢山手入れして、本当に手に馴染む大切な仕事仲間になりました。
仕事道具ではありますが、パートナーであり恋人です。

ついでにデスクツアー

なぜ買った?

カッコよかったからです。
私はエンジニアです。
PCを触る上でプロでなければいけないと思っていました。
もしあなたが車屋に修理を依頼して、使っている工具がダイソー製品なら信頼できるでしょうか?
極端な例ですが、理由は同じです。
量産型になるつもりはありませんでしたし、今でもその気概は持っています。
当時はSIerとして客先や自社で仕事をしていました。
支給された端末と支給されたキーボードで普通に仕事をするなんてのは、プロとして辞めたかったからです。

無刻印キーボードと仲良くなるまで

そもそもHHKBと仲良くなる必要がありました。矢印が無いんですもん。
home・endその他諸々どこにあるかわからへんわ状態です。
更に記号の配置までよーわからんのです。
もう最初はパニックでした。
いつからでしょうか、キーボードの方から僕の指にやって来てくれる様になりました。
HHKBなんて固体名で呼ぶのを辞めてステューシーと名前が付き
いつの間にか、日本語打つ時も英語打つ時もスピードが一定になってました。

段階は踏んだ?

私の場合、最初はヒヨりました。
刻印有りのBT 墨を買いました。
https://happyhackingkb.com/jp/products/discontinued/hhkb_probt/
「後で消そう」と思ってたからです。
でもそんなに甘くないし、BTとはすぐにお別れすることになったんです。

相性が悪かったBT

当時、私の職場はOSがWindows10 proでしたし、マウスはMicrosoftのアークタッチマウス→ロジクールのanywhere s2みたいな経歴を辿ってました。
このanywhereとBTの相性がすごい悪かったんですよ。
「あ」の一文字しか入力してないのに「ああああああああ」ってなったりしてました。
不具合やと思って2週間で交換、その2週間後に返品してしまいました。
PFUの方マジですみません。
コレ、返品して2-3年経って調べてからわかったことなんです。。。
でも、HHKBは使い続けたい思いは強く、結果pro2を当月中に再購入することにしました。
でも矢印キーやhome・endなどそのへんのフルキー使いには再購入ですら敷居の高いものでした。

anywhere 2S

刻印か無刻印かそもそも買うかを再度悩む

正直無刻印のパフォーマンスを発揮できる自信はありませんでした。
ブラインドタッチが出来なかったからです。
更にいうとHHKB自体BTを1ヶ月ほどしか使ってない上、全然慣れてませんでした。

無刻印への挑戦

悩んだ結果、無刻印を買ってみました。
惨敗でした。
全く使いこなせません。
職場の上司には「生産性が上がらない」と詰められ、先輩には「なんでそれ買ったの?」と言われる始末。
カッコつけて買ったのに、宝の持ち腐れとはこういうことでした。
高い買い物して、失敗したとすら思っていました。

無刻印と友達になり始めた。

キーボードになにも書いておらず、矢印がどこか、記号はどこかが全くわからない状態→日本語入力やや早ぐらいまで生産性が上がってきた頃です。
キーボードの方から自分の指を迎えに来てくれる感覚が少しついてきました。
吸い付く感覚ってやつでしょうか。
ここにくるまで約2ヶ月ぐらいやったと思います。
たまにこの状態になりました。
私は仙人モードと呼んでいました。
もはや彼女なしでは仕事できない体になってきていたと思います。

浮気心

遠距離な彼女

数年経過して、HHKB HYBRID Type-S が発売されました。
BT+2way有線+Type-Sやて!?
が最初のインパクト
そして私には買う理由があった。
BT不具合の原因がanywhare 2Sであったことを知り、そして仕事でもMacしか使わなくなって、マウスを卒業していたからです。

キミに決めてる。

ほしい。とてもほしい。
そしてほしい。
私が買った時はType-Sの墨がなかったのだ。
困った。完全に衝動買いになる。
辞めよう。浮気でしかない。
「俺は一途だ。ステューシーが老いるまで愛して使う。でも…」
そんな葛藤と戦う毎日でした。

第3の彼女候補

彼女の名前は由紀。否、雪
HHKB HYBRID Type-Sに新色がしかも限定で登場した。
限定。。。高値な上高嶺の華ではないか…なんて素敵な響きだ。
待て、やはり衝動買いだ。。。
そんな葛藤と戦う毎日でした。
そして諦めたのです。

遂にやってしまった。

少し前、私は入院していた期間がありました。
手術をしたのですが、その影響でハンパなく手が震えていたのです。
病室の少し狭い机の上でPCとステューシーを広げて、尊師スタイルで仕事に励む。
そして起こってはいけない事故が起きてしまった。

思いの丈をぶちまけた。

机も狭い上、病院という特性上
個人情報の塊であるPCやパートナーのステューシーは大切に扱っていた。
毎日仕事が終わったら端末を片付けて、キーボードにルーフを被せて片付けて。。。をしていた。
ステューシーにルーフを被せる時だった。
端末は正直自分の持ち物ではないので、どうでもよかったが。。。やってしまった。
手の震えなのか、不注意なのか、今でも信じられない。私がステューシーにコーヒーをぶちまけるなんて。。。

その後の彼女

キーキャップ外すにしても保管して洗浄する場所もない。
そもそも外すヤツ病院にない。
できる限り丁寧に拭いたが限度があった。
だか彼女は信じられないほどいつも通りだった。
正直浮気心がカンストした瞬間でもあっただけに、頑丈さに頭が上がらなかった。
ただそれ以上に感じたのだ。
「もう浮気できない。」

相手と相手

退院した。
すぐさまステューシーのキーキャップを全部外して、入院中にできなかった超掃除をした。
もちろんキャップは超音波洗浄機行きで土台の掃除もした。
めっちゃキレイになった。
「もう浮気しない。」と決めて、退院して掃除して約1ヶ月ほどしてからだ
前職の後輩と久しぶりにお遊びでペアプロした。
そして気になった。
新卒の時からタイピングスピードさほど変わってない上、誤字多い。
かれこれキーボードを沢山乗り換えてきた私は、何度かその後輩に安価な物だがキーボードを譲ってきた。
それぐらいしても良いと思える相手だった。
「尼んちゅ!!!さん今週末忙しいですか?プログラミング勉強したいので、相手してください。」を新卒の頃から私に言ってきたヤツだ。
それだけにタイピングがおっそいのが気になってしまった。
そして口を開いてしまった。

遅い。手元見過ぎ。体が覚える。刻印消せ(笑)

違う。違う。そうじゃ、そうじゃない。
それは私の価値観の押し付けであり、仕事道具に高い買い物を勧めるのは間違ってる。
それは私のエゴでしかない。
しかも相手は「買った方が良い」とか「読んだ方が良い」って言うとすぐに行動に移すヤツだ。

もう前に進むしかなかった

  • 自分の言ったことで起きてしまったことは一定の責任がある。

  • 仕事の借りは仕事で返そう。

  • 俺がプライベートでやったことは何も返さんでえーし、なんでも遠慮なく好きなだけ言うてきて。そのかわり後輩できた時にちょっとだけ先輩っぽいことやったれ。それ以外には結婚式だけは呼んでくれたら俺は充分満足する。

↑は後輩に最初に伝えた3つの事でした。
受け売りですけど、これは自分も同じ様に周りの方々から良くしていただいて同じ様な事を教わりました。
それだけに「自分で言った事の責任」というものの重さを久しぶりに感じました。

だから決めた。

元々HYBRID Type-Sが気になっていたじゃないか。
ステューシーを彼に渡して、新しい相方と共に仕事をしよう。
別に彼が使わなくても良い。自分はステューシー以外のパートナーに出会うため買う。
決して無駄遣いではない。
口に出した事や衝動買い、自分の行動を正当化するために自分に言い訳を沢山しました。

レンタルの彼女

初めまして

ゲオさんではHHKBのレンタルとやらができるらしい。
だから借りてみた。
「由紀ちゃ。。。雪ちゃん指名でお願いします。」
雪ちゃんは思ってたよりも軽いノリだった。スコスコというよりポスポスペタペタしていた。
ステューシーの様なカカカカカ!という打ち方は出来なかった。
そして純粋無垢だった。
そして雪ちゃんは何事もなかったかの様に帰っていった。
ステューシーにはステューシーの良さがあり、雪ちゃんには雪ちゃんの良さが見えた体験だった。

ステューシーを雪ちゃんライクに

先に雪ちゃんが付けてたピアスが可愛かったので、ステューシーにプレゼントしてみた。
まるで絵から飛び出してきたんじゃないかって思うルックスだった。
超可愛い。

やっぱりステューシーが良い。

彼女とお別れ

ステューシーは旅立つことになった。
私を見限った訳でも、老いて旅立った訳でも、他の男に目移りしたからでもない。
私がそうしたかったから旅立つことになったのだ。
私が勝手に決めたのだ。
毎日仕事終わりに拭いて、月に一度はキャップを全て外して中身を掃除して、とても大切に使えた。
5年もの月日を共にして、しんどい時も楽しい時もいつも側で私の事を支えてくれた大切なパートナーだ。
高値の花だったから大切にしたのかもしれない。
自分の武器になったから大切にしたのかもしれない。
彼女と自分の相性がそうさせたのかもしれない。
割と物持ち良く、手入れもするタイプではあるが、彼女だけは自分でもなんでこんなに手をかけるのか正直わからないぐらい大切できたと思う。
ただ彼女に言いたい事は沢山ある。
そのうちひとつだけでもちゃんとここで言いたい。

俺に仕事を教えてくれてありがとう。

俺の体に沢山刻み込んでくれて、ずっと元気にパフォーマンスを引き出してくれた貴女に感謝しています。
開発者に最大限のリスペクトと最大限の感謝の気持ちを込めて。
もう未練なんて無い。次はなんて名前を付けようか。

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