2020/5/30 夢

1

今回の夢で私は何の仕事をしているのかわからなかったが、
ただ何らかの手段で生計を立てていながらにして、
現在現実の私がしているような引きこもりめいた暮らしをしているようだった。
年頃は今に近そうであったが、染めていない髪を肩より下まで伸ばしている点にのみ(たぶん)、差異があった。

部屋着姿、ベッドの上で立って激しいアクションをしながらベースを弾き(現実の私はいかなる弦楽器の演奏もできない)、
その様を固定したスマフォで定点録画し、SNSにアップロードするシーンがあった。
このようなことは度々行っていたようである(夢の中では1度きりだったが、このシーンの心境が初めてのことをするドキドキとは違ったものだった)が、
ただ所謂配信者のような職業であるふうでもなかった。
なんかしがのきっかけがあれば撮り、顔を隠すなどもせず適当にアップして、
(褒められるとかコメントもらうとかされずとも)自己満足が得られればそれで良い、といった姿勢。

部屋着は昔和歌山城で買ったTシャツ(実際に持っているもの、灰色の地に雑な筆のタッチで描かれた和歌山城と"和歌山"の文字)、
黒くゆったりめのスポーツ用の短パン(こちらも持っていた気はするが捨てたかも、asicsのやつ)、
黒無地のクルーソックス、
そして赤いタオルを左肩に垂らしていた(演奏中落ちそうで落ちないのが気になった)。
ベースは赤地に白のピックガード、Fenderのジャズベっぽかったけれど実際にどこの何だったかは不明。
曲はNUMBER GIRLのZEGEN VS UNDERCOVER。

(同アルバムならURBAN GUITAR SAYONARAがとても好きだな……でもすぐ思いつくのはZEGEN以下略のほうかも)

この夢の中の私には、若いOL向けファッション誌の編集に携わっている女性の友人がいた。
現実には見覚えのない、少なくとも交流はない人間であったが、
その雑誌の取り扱う服のスタイルに一致した格好(少し検索した感じCanCamが近い?購読したことがないため適切でないかも)と、
それより少しだけ若い感じのギャルっぽいテンションをしていた。
(実年齢は不明だが、そのなりに違和感を覚えず、それでいて年下という認識もなかった。
その者の年齢と纏う服装・雰囲気の適切/不適切の関係性なんて、
私にはそんな程度のものとしか思えない)

彼女は度々私の部屋に遊びに来ていたらしい。
部屋のあちらこちらには彼女が譲ってくれたと思しき、
当該雑誌の付録が散らかっていた。
お弁当用のスプーンとオフィスの引き出しに忍ばせることが想定されたサイズのハサミのセットや、
何かしらの縁起担ぎであるらしい濃い紫色、三角錐のような突起が3本ずつ上下両面についたリングケース(開いた状態で飾られることが想定されているようだったが、果たして自立するのだろうか?)、
このふたつが微妙で、かつ印象的なアイテムだった。
後者のリングケースは部屋の中でクラッカーやら色とりどりの照明やらを散らすだけの動画(本当は部屋に落ちてた打ち上げ花火を使いたかったのだが、さすがに火事を危ぶむ心が勝った)を撮ろうとした際、自室のどこかで見つけた。
ケースを開けたら、そこには発光ダイオードがひとつはまっていた。

今回遊びに来た彼女は、私に仕事の手伝いを依頼していた。
(出版業界に通じていないので本当にこんなことを外部の人間に依頼するものかはわからないが)撮影時のちょっとした雑用係とのことだった。
謝礼は出るとのことであったし、以前より彼女の仕事に興味だけはあったため、
二つ返事で引き受けた。

日が変わり手伝いの当日。
到着した私はまず、彼女の上司へ紹介された。
彼女の上司は闊達とした、ただ仕事はできる人間であることを予見させるオーラを持った、推定30代後半の女性だった。
『突然の依頼で申し訳ないけれど期待してる、でもあくまで気楽にやってくれるので良いから、今日1日よろしく』
といった旨の挨拶と共に握手を求められ、私はすんなりとそれに応じた。
私にはひとと握手をする習慣はなかったが(それは現実の私においてもそうだ)、
そのすべてが自然な流れであったように感じられた。

仕事の内容は覚えていない(それほど頑張って働いてたのだと思いたい)。
ただ、お昼休憩の際に彼女と彼女の上司とともにロケ弁を食べるひと幕があったことはしっかり覚えている。

そこで彼女が、先述のスプーン&ハサミセットの各々と同じ柄の、
フォーク&歯ブラシのセットを持っていることに私は気がついた。
「それ、フォークと歯ブラシのセットもあったんだね」と訊くと、
『そう、サンプル出たらみーちゃん(私のことだ、子供の頃親兄弟や友人から呼ばれていたあだ名だった)の家にまた持って行きたかったんだけど、
スプーンの号以降、編集のメンバーにもサンプル配布どころか献本もされなくなっちゃって。
でも自分等の作った雑誌がどんな仕上がりなのか、付録の使い勝手は良いのか、
読者の視点に立ったうえで確認したいから、買って読むようにしてる。自腹で!』
若干の不満を滲ませつつ、ただテンションの明るさは保ったまま、彼女は答えた。

上司がなめらかに、彼女の発言を引き継ぐかのように発言した。
『強制はしたくないから言ってこなかったけれど、私もそうしている。嬉しいわ。
もちろん皆にその視点は持ってもらいたいし、できることならこれまでどおり配本したいのよ……、
でも上層部の意向でそれができなくなってしまって。
この件だけでなく、上が考える"無駄"が徹底的に廃されてきている。
それもこれも、働く女性が快適に仕事を進められるオフィスづくりの為の資金捻出とのことなのだけれど。
それで仕事のみならず、生き様にまで侵食してくる小さな不便が、積み重なり続け取り除きようもなくなってしまったら、
結局本末転倒なのにね。』

聞いているだけになってしまった私だったが、
普段から頑張っているように見えていた彼女は、
実際には私の想像なんかを超えた志を持って仕事をしていたんだなあと、
反省と新しい敬意の入り混じった思いでいた。
また、彼女の上司の言っていることももっともらしく感じられた。
(結局私の夢なので、私の鼻を明かすような反証など発生しえないのかもしれないが)
つまりは興味深く、ふたりの話を追っていた。

しかしものを思っているうちに話題は、
『でもお手洗いは明るく広く、暖かく改装されるそうよ、それは楽しみ』『えっそれ最高じゃないですか、ノーストレスなトイレとか夢』と勢いよく転がっていった。
まだしばらく聞いているだけで良いかな、でも楽しい時間だ、
いくらか適当な、かつ穏やかな心持ちへと、私は私のスロットルを絞っていった。

(これ以降は認識が曖昧になり、そして目が覚めた。
睡眠時間を確認したら1時間半。
もう少し彼女と彼女の上司と過ごしたかったが、寝直して夢の続きを見られた試しがないため、
せめて忘れないよう覚えている限りを記した。
ただ睡眠不足か頭がどうにも痛い、お茶を飲み終えたら寝直す)


(二度寝に失敗してしまった。
少し朝と昼とを過ごし、これは昼寝だと自分に叩き込むなり、
枕を天日干しするなり、心情に訴えかけてくるような勢いのライヴ映像を観るなりして過ごし、
眠りにつけたのは16時頃だった。
とはいえ、寝たり起きたりを延々と繰り返す、しかも出来事も忙しい、疲れる睡眠だった。
夢の中だけでなく、現実の自分も笑っていることを確信したり(観測者がいないから実のところはわからないが)、
夢の中の自分が喋ったセリフを声に出しながら目を覚ましたり(これは起きた自分が観測したので間違いないが驚きのあまり内容は飛んだ)。
最後の1時間程度でようやく何事もない眠りを体験した。

前置きが長くなってしまったけれど、次の夢は忙しく寝起きした時に見た夢のひとつです。
他にもいくつかの夢を見た感触はあるのだけれど、あまりに立て続けだったからかディテールまでは残らなかった)


2

(主として思考・行動する者が私であったか自信がない。
実際の視界のように物事が見えた、動かす手足も同じく。
そのため人間であったことは確かだが、
視点が俯瞰になったことがいちども無く、動かしている自分が私自身であることを確認できなかった。)

大量のトマトジュースを家の台所に零した。
(台所自体は現在住んでいる家のものなのだが、壁がなく、
奥行きのありそうな暗闇が張り付いていた)

侵食範囲を広げてゆくトマトジュースは、
ロールされたキッチンペーパーの元へと到達する。
その途端、毛管現象によるものなのか(どろどろのトマトジュースにも起こることなのかわからないが)、トマトジュースが一気に吸い上がり、
すぐさま、真っ赤でじゅくじゅくとした湿りをもった1本のロールが出来上がった。
しかし自身のうちには、これが発生したことのインパクトよりも、拭くものが無くなったことへの焦りが強くあった。

傍らには知らない若い女性がいた。
彼女はこの一部始終を見ていたようで、
私が目を彼女に向けた際、彼女は肘から下の腕を、甲側を下にして、
トマトジュースに浸していた。
しかしトマトジュースが吸い上がることは、けしてなかった。
人体の表面に空く孔には、その機能が(少なくとも充分には)付与されなかったことを、
彼女の行動を見たことで認識した。

(この夢を見たきっかけなのではないか、と連想できた出来事は、
今日の日中Twitterのタイムラインに流れてきた写真、あるユーザが(おそらく)自身の腕へ傷をつけた際に撮影されたもの、これを目にした経験。
腕に血は広がっておらず、傷の上で球状になり、また連なっていた。
私はその写真を見てまず、若い肌が液体をはじいているかのようだと、見たままを思った。
何を写した写真であるかの理解は遅れてやってきて、
痛そうな物事はあまり得意なほうではないため即座に閉じた)

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