宴だ

*ノックの音

メイメイ「坊ちゃま! 坊ちゃま!」

坊ちゃま「どうした、そんなに慌てて。何かあったのか」

メイメイ「説明するのが難しいので、とりあえず中に入ってもよろしいでしょうか」

坊ちゃま「ああ、入れ」

メイメイ「失礼します」

*ドアが開く音。少し間があって、ドアが閉まる音。

坊ちゃま「……なんだ、それは。お前が手に持っている、その妙な物体は」

メイメイ「乳房(にゅうぼう)です、坊ちゃま」

坊ちゃま「乳房」

メイメイ「はい、乳房。右乳房か左乳房かは分かりませんが」

坊ちゃま「そういう問題じゃあないだろう。なぜそんなものが……」

メイメイ「買い物に行こうと正門を出たら、路上に落ちていたのです」

坊ちゃま「路上に」

メイメイ「はい、路上に」

坊ちゃま「持って帰るなよ、そんなもの」

メイメイ「でも、家の者が落としたかもしれないですし……」

坊ちゃま「そうか。それでは、確かめてみるとしよう。そいやさっ!」

メイメイ「坊ちゃま、乱暴はお止め――ああっ!」

*服が引き裂かれる音。

坊ちゃま「おっ、今日の下着は鴇色(ときいろ)か。やらしいのう。すけべやのう」

――――――

 一月の終わりに書き始めたものの、未完のまま投げ出した『宴だ』という作品です。

 実際はこの倍くらいの長さなのですが、読むに堪えない展開&悪文なので、後半はカットしました。前半部も多少修正しています。

 坊ちゃまは金持ちの家の息子、メイメイはメイドという設定で、他にもじいやが登場する予定でした。

 ボイスドラマのシナリオ、的なものを書こうとしたのですが、慣れないことはするものではないな、という気がします。

 このような没作品はたくさんあるので、気が向いた時に公開していけたらと思っています。

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