スクリーンショット_2019-05-18_13

6章 瞑想法に共通する3つの要素とは?

それではここで、瞑想法に共通する3つの要素をご紹介します。この3つの要素が含まれていることで、その瞑想法は瞑想に導きやすくなります。逆に瞑想法を実践しているときに、この3つの要素を忘れてしまうと、瞑想法としての効果がなくなってしまいます。

その3つの要素とは、気づき、リラックス、ジャッジしないことの3つです。

1) 気づき
瞑想の最も基本的で本質的な要素です。何が起ころうとも、妨害することなく、マインドを静かに、気づいて見守っていること。

意識的であること、観照者であること、見守ること、目撃すること、目覚めていること、鏡のように映し出すこと、などさまざまな表現がありますが、ひとつのことを指しています。

これはひとつのコツのようなものなので、瞑想を実践しながらそのコツを掴むしかありません。体の感覚にも気づき、マインドに気づき、フィーリングや感情にも気づき、そこで起こっていることに気づいています。つまり、何が起こっていても、それらに巻き込まれていず、同一化しないで、それに気づいて観ていることができることです。

たいてい私たちは、肉体や思考や感情と同一化して、自分はこの肉体であり、思考であり、感情だと思っています。私たちが無意識になってしまっているときには、自分の思考や感情に巻き込まれて、それらと同一化してしまっています。

気づくとは、あなたは体ではなく、マインド(思考)でもなく、感情でもないということに気づくことです。そのことに気づくことができれば、肉体ではない自分、思考ではない自分、感情でもない自分があることに気づいていくことができます。その気づくことが瞑想です。

気づきというのは、何か獲得しなければならない能力ではなく、本来誰もが持っている能力です。ここでいう気づきというのは、無意識であることに対して意識的であることを意味します。眠りこけることに対して、目覚めていることを意味します。英語では awareness (アウセアネス)というふうにも言われています。あるいは不注意に対して注意深くなるということを意味します。つまり、目覚めていて、意識的であり、注意深くあるという意味で、気づきという言葉を使っています。

マインド(頭)で気づいているのと瞑想で気づいているのとはちょっとニュアンスが違います。マインド(頭)で気づいているためには、集中力だったり、注意深さだったり、努力が必要です。でも瞑想で気づいているときには「観照」というふうことが近いかもしれません。丘の上の観照者(watcher on the hill)という言い方をしますが、醒めて観ている感覚で、全てに目覚めている意識がそこにある、というような感覚だったりします。

マインドでの気づきは判断やジャッジがあって選択しています。ちょうど懐中電灯で暗闇を照らすような感じで、スポットライトが当たったところだけに気づいています。瞑想での気づきには判断やジャッジがなく、無選択な気づきです。全体に気づいています。それは鏡がその前にあるものを映し出すのに例えられたりします。明鏡止水という言葉がありますが、まさにそういう感覚です。瞑想の中での気づきとは、そのような無心で澄み切った意識の状態とも言えます。

でも、マインドの世界しか知らないときには、マインドでの気づきからはじめて行くことしかできません。瞑想法を実践しているうちに、くつろぎの中で気づきが起こっていることに気づくでしょう。

2) リラックス
くつろいだ状態でいることが瞑想の非常に大切な要素です。くつろぐことで、穏やかで平安でいることができます。マインドと闘わず、マインドを統制しようともせず、精神集中もしない。それらは緊張を作り出します。緊張やストレスはマインドが作り出しています。

無心になるとは、そのマインドを手放し、存在の中にくつろぐことです。くつろぐことで、マインドを手放し、感情を手放し、体の緊張を手放していきます。

未来もなく、過去もなく、今ここにある存在(Being)の中に全てを委ねているような状態とも言えます。

3) ジャッジしない
ジャッジするとは、判断したり、評価したりすることです。これが良い、これは悪い、こちらが正しい、こちらが間違っている、というふうに判断したり評価することです。

そういう判断や評価をすることはマインドの機能ですが、瞑想ではそれらのマインドの機能は脇に置きます。

塞翁が馬という逸話があります。何が良いか悪いかは、本当のことはわかりません。それらは相対的な評価基準によって変化するものです。瞑想はそのような評価やマインドを超えたものです。なので、ジャッジは脇において置きます。ただ、あるがままの現実とともにいます。

瞑想法をしている中では、そのテクニックを実践する中では集中したり、努力したり、活動したり、全身全霊で全てをトータルに打ち込むことも必要だったりしますけれども、その中でスペースアウトせずに、いまここに気づきを持って行い、緊張を手放してくつろぎ、ジャッジするマインドを手放して、これらの3つの要素をもって瞑想を行うことが助けになります。

そして、正しくテクニックが実践できているかどうかをチェックするには、この3つの要素をチェックしてみると助けになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?