孫をかわいいと思えないお年寄りたちへ

「どうしても、自分の孫がかわいいと思えない」

実はそう思っているおじいちゃんやおばあちゃんも、少なくありません。

もし、自分も孫をかわいいと思えないと思っているなら、インターネットで「孫　かわいくない」と検索してみてください。たくさんの人が孫をかわいいと思えずに、悩んでいるのがわかります。

「自分はおかしいのではないか」
「孫をかわいいと思えないなんて、歪んでいる」

そう思って自分を責めている書き込みを複数見つけました。
参考：自分の子供は可愛いですが孫が可愛いと思えません…（発言小町）
お嫁さんと孫が可愛く思えない。。。（Yahoo！知恵袋）

それとは逆に、「乱暴者の孫が悪い」と孫を責めるような書き込みも。
参考：実の娘の孫を可愛がれない、預かりたくないです。（みんなのお悩み解決掲示板）

読んでいて、とても悲しい気持ちになりました。

それと同時に、自分が我が子をきちんと愛せるようになるまで、かなりの時間がかかったことを思い出しました。

私は、お腹を痛めて産んだ子どもを、10年近くも愛せませんでした。我が子を愛せない自分が異常であることを責めて、子どもに申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

でも、愛せたんです。

そんな私が思う、孫をかわいいと思えないお年寄りへ贈る解決策をご案内しようと思います。

■そもそも孫をかわいいと思えなくてもいいんじゃない？

別に孫をかわいいと思えなくても、それは異常なことでもなんでもないです。人それぞれに感性が違い、相性があるように、孫と相性が悪い場合だってあります。

相性の悪い孫を、孫だからという理由だけでかわいがれ、というのは逆に不自然な話ではないでしょうか。

特に孫とはあまり関わらる時間がないという場合には、相性の悪さを埋める時間が持てず、苦手意識が消えないこともあるでしょう。だからなかなか懐かない。それがまたかわいくない。負の連鎖です。

だとすれば、孫をかわいいと思えなくても当然ではないでしょうか。

私が我が子への愛情が芽生えたのは、娘と過ごした時間が私の母性をゆっくりと育ててくれたおかげです。その時間もないのなら、孫に愛情が芽生えなくても不思議ではありません。

■まずは孫がかわいいと思えない自分を受け入れよう

たいていの子ども（＝孫の親）は自分の親は孫に会いたいだろう、孫をかわいいと思っているだろうと思い込んでいます。

だからこそ、孫をかわいいと思えないと申し訳ないような気分になり、自分が異常なのではないかと自分を責めてしまいます。

ですが、かわいいと思えないものを無理矢理かわいいと思い込もうとしても逆効果です。心が疲れてしまいます。

心が疲れた状態では、孫をかわいいと思えるようにはなりません。まずはありのままの自分を受け入れることから始めてはいかがでしょうか。

気持ちが楽になれば、また違う感情が生まれてくるかもしれませんよ。

■「かわいくない」と言ってはいけない

かわいいと思えない孫に無理に関わろうとして疲れてしまうより、自然に任せるのもひとつの手段です。中にはいつの間にかかわいいと思えるようになるケースもあるでしょう。時間が解決してくれる可能性だってあります。

それなのに、一度「かわいくない」と伝えてしまったり、あからさまに嫌だと態度に出してしまったりしては、修復不可能なくらい関係がこじれてしまう危険性があります。

関係がこじれてしまうのは、本意ではないはずです。

ですから、孫をかわいいと思えなくても、そんな自分を受け入れると同時に孫も受け入れてあげましょう。今こそ年の功を発揮する時です。

かわいがらなくても良いのです。ただ、認めてあげるだけで良いのです。

これは実は、認知症予防にも役立ちます。認知症は家族との良い関わりを持つことで発症を17％も抑えられるという研究結果が出ています。逆に関係がこじれていると、発症リスクは31％も高まるのだとか。

参考：人間関係が悪いと認知症リスクが30％高まる（脳神経内科フォーラム）

孫をかわいいと思えないことは異常ではありません。ですが、認知症予防のためにも、これを機会に受け入れてあげてはいかがでしょうか。

受け入れる気持ちが持てれば、心が穏やかになり、自然に時間が解決してくれるでしょう。