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血湧き肉躍る!力こそパワー!〜RRRを観た〜

「まだRRRをみていない!?これからRRRを初見で!みることができる!なんとうらやましい!」

先日、職場でRRRの話になった時に言われた言葉です。
確かに、見終わった今ならわかる。
これからRRRをみる人、うらやましい。

私は、昨日、7/1に映画を3本みました。
2本はセーラームーンの前後編だったのですが、その間に勢いでRRRを観たのです。
あまりに楽しかったので、RRRはRRRで1本書こうと、記事をたてました。

※全てネタバレです※

セーラームーンの感想は下記

池袋でセーラームーンの前編をみたあと、勢いだけでRRRをみることを決意した私達は、1時間後に始まる上映に向けて、恵比寿へ向かったのです。
恵比寿ガーデンシネマなんていう映画館が恵比寿ガーデンプレイスにあることも知らなかった私は、とりあえず恵比寿にたどり着きます。
そして恵比寿ガーデンプレイスといえば、うたプリの聖地でもあります。
めちゃくちゃハイテンションになりながら「ここは乙女ゲーム自己紹介のところ、ここは四ノ宮さんがビオラ弾いてた踊り場、ここは翔くんが滑り降りた手すり!」とはしゃぎまくりました。

オルフェが流れ出しそうな景色

そしてハニーレモネードを片手に席に着き、この後の展開にワクワクしていました。
正直RRRは踊ること、めちゃくちゃオタクが熱量高いこと、3時間もあることしか知りませんが、熱量の高いオタクのみなさまのおかげで、公開からこんなに時間が経っていてもRRRを劇場でみることができました。
オタクの皆様、ありがとうございました。

そうして始まるRRR。

The story
始まっていきなりめちゃくちゃ流血……
この世界は力こそパワー、バイオレンスが許される世界……
しかしそう単純な話ではないことも、もう大人になった私はわかっています。
「この子の歌に対するお金かと思ったら子どもをさらっていった」
「英語を話せる白人とそうではない原住民」
「繰り返される差別用語」
そして場面が切り替わる頃にはこれってもしかして歴史的な話されるんじゃ……?
インドと植民地支配をしていたイギリスについて少し勉強してきた方が楽しかったかもしれん……
大丈夫かな……と思っていたのですが、全く杞憂でした。

The fire
突然シーンがだだっ広い場所にめちゃくちゃ人が詰めかけているところに変わったかと思ったら、なんか抗議活動してる。
そして抗議してる人達のひとりが大事な写真に石を当てたことで「あいつを逮捕しろ!連れてこい!」と総督がいうのに対し、同胞の警察たちがひるむ中ひとり民衆の中に飛び込み袋叩きにあいながらも犯人を総督の前に引きずり込む警官。
民衆の放った炎が彼らを包み、民衆側が退散していくのでした。
彼が炎の主人公、ラーマ。

The water
水辺にひとり、血を被る男。
血の匂いに誘われてやってくる狼。
しかしそれを罠に誘導していたら虎が釣れて、なんとか罠へ誘導するも、かなり手こずりながら何とか捕獲。
体にはたくさんの爪痕、傷跡が出来ていました。
彼は水の主人公、ビーム。

即RRRのR三文字・三単語を使う用意周到ぶり。
このRRRは伏線回収が気持ちよすぎました。
それについても後々書いていきたいと思います。

この2人が出会い、それぞれの使命、目的を果たすために友として、敵として、仲間として駆け抜ける3時間の映画なのですが、とにかく「力こそパワー!」「なんでも勢いで駆け抜ける!」というすごい力任せなところがなんとも言えずかっこよかったです。
ポスタービジュアルもタイトルロゴに入ってる握手のシーンも、2人が出会って早々のシーンで回収され、あのシーンどこなんだろ、というワクワクもなく最高にあっさり(筋肉がものを言ってるので本当にあっさりではないけれど)回収されて、物語に入り込めてよかったです(?)

ラーマもビームも絶対に筋トレを欠かさないので、あまりに筋骨隆々でかっこよすぎます。
筋トレのシーンをほほえましくみていると、あとのシーンであの筋トレがあったからこの布陣で戦えている!とか、あの筋トレの様相、ここに繋がるんだ!とか、めちゃくちゃ気持ちよく伏線が回収されます。
筋トレだけじゃなく、最初の子供を助けたところで橋の下でロープでぶら下げられて手を掴みあったところの水と炎の描写が中盤のふたりの対峙するところで出てきたり、ラーマ王子とシータ姫とか、ここで出てくるんか……!ってレベルで、本当に「絶対にどのシーンも仲間はずれにしねえ!つなげあってみせるぜ!」という力強すぎる意志を感じるし、きっとあとから見返したらこれもそうじゃん!というのがいっぱいでてくるんだろうな……
あまりに全てが気持ちよくつながりすぎて、頭が回りすぎるのにめちゃくちゃ楽しすぎて、心地いい疲労感でした。

あと、シーンの描写が綺麗なところが多い……!
最初「このデリーの人口かんがえろ!」みたいなシーンでデリー全域をうつす画角とか、ビームがダーマとたたかうために敵陣に乗り込む時に虎とかと一緒にトラックから飛び出すシーンのスローモーションの美しいところとか、2人の共闘シーンで流れるような目線誘導と2人のあまりに合理的な動作の選び方にしびれるし……
正直、RRRでいちばんテンション上がったのここかもしれん……

本当に、無駄のない映画だなと思いました。

それから、インド映画に欠かせない(?)歌・ダンスのシーン。
これがとても気持ちいい。
子供も歌うまいし、戦闘シーンで勇ましく流れる曲はワクワクを加速させ、本当にこちらに寄り添う曲ばかりでした。
あまりにも有名になってしまったナートゥナートゥも、直前に「ダンス」として西洋の舞踏会っぽいことは板の上でスマートに静かにやっていたのに、ナートゥは砂の上で、砂埃モクモクにして汗だくで、限界まで踊り続けるさまが、インドの熱気と人々の希望を表しているようでよかったです。

それから、あまりにも哲学や人のキャラ付けがハッキリしすぎている、因果応報もしっかり描かれているのもよかったです。
一貫して「イギリス人は悪役」で描かれ、ラーマとビームの共通の敵のはずなのに、2人が対峙させられるように仕向けられていたり、棘のついた鞭を使わせた夫人が有刺鉄線に縛られて死んでたり、弾丸の価値はインド人には高すぎる、と言われたのをきちんとイギリス人に使って「価値のある使い方」にしたり……ひとつのことば、ひとつの場面にいくつもの意味を持たせていてめちゃくちゃ気持ちいい……
ビームは銃をうつ教育を受けていない=銃が使えないので銃で殴りつけて攻撃し続けてたのもいいし、銃の名手として育てられたラーマは絶対に的を外さないのもいいし、使命を受けるきっかけになったお父さんの「Road, Aim, Shoot」をずっと心の中で自分に言ってたのに最後の最後ビームにやるのもいいし、、、
大英帝国は太陽の沈まない国と書いてあるところにイギリス人の血が流れるのもめちゃくちゃメッセージ性強すぎて最高でした。

RRR、あまりにも反イギリスすぎていろんな人に怒られないのかしらと思ったのですが、映画だから大丈夫なのでしょうかね。
インド人の怒りが見えてよかったです。

あ、あと、ラストにラーマがビームになにかあげる、となったときにビームが「読み書きを教えて」と言うのが本当によかった……
確かに力こそパワー、強いものが勝つ、そんな世界で生きてきたけれど、暴力だけでは解決出来ないものもある、ちゃんと勉強して、故郷を強く強固にして、という意思がすごく強く伝わってきて、、、
とてもよかったです。

とにかく私は「力こそパワー」が大好きなのですが、あまりにも気持ちよすぎる「力こそパワー」でした……

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