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フィルムカメラ遍歴+理想のカメラ探し

はじめに

TwitterInstragramにて撮った写真を毎日投稿しています。

15年前にデジタル一眼を購入して趣味で写真を撮っていましたが、大学卒業と共に写真から遠ざかっていました。そして2020年の6月にミラーレス一眼を改めて購入し、また撮影を再開しました。

半年ほど前からフィルムを撮り始めて色々な機種を使ってみた結果、自分にとっての理想のカメラとは?という事を備忘録も兼ねて記録します。

フィルムカメラ遍歴

Nikon NewFM2

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15年前、大学生の時に初めて買ったフィルムカメラ。1年ほど使ってそれから14年間簡易防湿庫で保管していた。おかげでまだまだ現役。ファインダーに黒染みみたいなカビが生えてる以外は。

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デザインや機械式の潔さは好きだけど、フルマニュアルが故に慣れないとシャッタースピードや絞りをガチャガチャせねばならないので被写体に集中できない。シャッターボタンから人差し指を離して親指と人差し指でシャッタースピードダイヤルをグリグリするのがどうも煩わしい。突然現れた被写体やキャンディッドフォトなどには向いていない(と私は感じる)。露出計の「+〇-」表示もわかり辛い。「+〇」や「〇-」がどれだけ適正から外れているのかもわからない。あとは単純に重いしデカイ。「さあ写真を撮るぞ」という気持ちの日以外は持ち出すのが億劫。

CANON Autoboy AF35M

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NewFM2のフルマニュアルにコテンパンにされて、もうちょっと気軽に撮れて、かつ安く手に入るコンパクトフィルムカメラを求めて購入。打って変わってこれはプログラムオートのみ。私は構図を決めてシャッターボタンを押すのみ。いいじゃない。なかなかいいじゃない。写りも価格からすれば存外に良い。NewFM2に比べると(プラ製なので当然)軽い。フットワークも上がる。ただ、思ったより大きかった。私の手は大きいのでホールド感は上々だが、カバンの中に入れた時の存在感。キミ、プラ製で安物なのにそんな主張すんの?と私から睨まれたAF35Mはきっと「ええ…(困惑」となっていただろう。

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アヘアヘ爆音ロボみたいなシャッター音には目を瞑る(耳を塞ぐ?)として、次第にプログラムオートの「介入できなさ」に物足りなくなってきた。ピントがどこに合っているのか、シャッターを切るまでわからないという謎仕様。ええい、ピントぐらい決めさせろ、NewFM2を見習え、と。私の名前は「隣芝 青見太郎」です。

Olympus 35DC

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マニュアルフォーカスの楽しさ、プログラムオートの気楽さを兼ね備え、且つ比較的安価で小型の35DC。こういうのでいいんだよ。F1.7の大口径ZUIKOレンズもなかなかシャープな写り。シャッター音もチープで小さい。好き。レンジファインダーってほんといいものですね。実際これは現在も後述の28Tiと並んで良く持ち出すカメラです。

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一つ気に入らないのが、二重像の輪郭がモヤッとしているのでかなり合わせづらい。が、ISO200~400のフィルムで晴天屋外だとプログラムオートで勝手にSS500/F16とかになるのでピントは5m~無望遠に合わせっぱなしで解決。このあたりから二重像がクッキリ見えるレンジファインダーを調べまくる。

・Nikon 28Ti

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コレを購入したあたりから自分が何をしたいのか(何を撮りたいかではなく)よくわからなくなってくる。でもホラ、AFってやっぱ楽じゃないですか…軍艦部のメーターかっこいいし...チタンだし...

35Tiじゃないのは先述の35DCと似たような焦点距離だったから。28mmをフィルムで使った事無いし、広角もいいよね、的なノリで。ポイントアンドシュートカメラではあるけれども、一応MFもできるし絞り優先オートもできる。フラッシュもついてる。フラッシュなにげに便利。小さいボディに機能がギュッと詰まったまさに高級コンパクトカメラ。ボディが小さすぎて指が写り込むこともあるがそれは愛嬌。定番のCONTAX T2と迷った時もあったけど、T2って価格の割に状態が悪いもの多くないですか?どちらも同価格帯だけど28Tiは基本的に状態が良いものが多いので割安感あります。肝心の写りも流石ニッコール、めちゃくちゃ満足してます。T2ほどシャープではないけども、ちょうど良い(?)感じ。逆光にもそこそこ強い。何より小さいということがこれほどアドバンテージになるとは思わなかった。出かけるときはとりあえずカバンに放り込んでおけば負担にもならないし、気になった物があれば片手でパシャっと。

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気に入らない点は、AFや起動やフィルム巻き上げに使われるモーター音がうるさいこと。音というかもはやノイズ。起動音に関しては壊れかけてるんじゃないか?と思うぐらい。余り静かな場所では使えない。あと、AFはお世辞にも速いとは言えない。毎回「ンギョッ」と音がして萎える。1mぐらいの被写体に関してはピントが合うまで1秒ほど掛かる。じゃあMFで置きピンすればいいんじゃない?と思ったが、MFでも結局その位置まで毎回ピントを合わすことになるのでフットワークを上げるという意味では使えない。

・Nikon F3 

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TwitterでF3気になるなあと呟いたら超多趣味の友人から使ってないからと貸して頂いた。本当にありがたい。重さはあるがグリップ付きでホールド感も良く、当たり前だけどやっぱりレフ機のファインダーは一番見やすいね。お借りしたのがHPってのもあるけど。ピントの山も楽々掴める。なにより絞り優先AEの気軽さよ。ISO400だとF8にしておけば屋外ならどんなシチュエーションでもほぼ手振れ無し・ピンボケ無しで撮れる。最高1/2000秒のシャッターも頼もしい。同時にお借りしたMakro-Planar 50mm F2の解像度も最高。F3をブン回してると「写真撮ってるなあ、楽しいなあ」という気分になれます。

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欠点といえば、ただひたすらに重くてデカいこと。プロ用フラッグシップ機ともあって頑丈な作りなので仕方ないけども。息子と出かけるときはカメラ以外にもタオルや飲み物、このご時世だと除菌関係も持って行かなきゃなのでカバンに余裕が無くなり、必然的にストラップで首から掛けることになる。そして息子はあっちゃこっちゃ走り回るのでゼェゼェ言いながら追いかけるハメに。お借りしたPlanarと合わせたら1.3kg近くなるので、カメラとしては頼もしいが大振りな猟銃を持ち歩いているような気分になる。猟銃を持ち歩いたことはないけど。

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理想のフィルムカメラとは?

以上のカメラ達を使用した結果、自分がどんなフィルムカメラを求めているのか徐々に明らかになってきた。

①できるだけ小さくて軽いもの

ハレの日というよりもケの日に写真を撮ることが多いので、外出するときはできるだけ持ち出したい。となると、必然的に嵩張らないカメラが有利になる。外出毎に撮るわけではないので、気分が乗らない時はカバンに仕舞っておけるような大きさが良い。大きすぎるカメラは写真を撮る事を強いられている気分になるのだ。「カメラを持ってるけど別に撮らなくてもいい」というスタンスが気楽だし、写真とはそういう距離感でありたい。

②性能(画質)にはそこまでこだわらない

もちろん性能が良いのには越したことはないけど、それのせいで大型化したり手に入り辛い(価格的な意味で)ものになっては本末転倒な気がする。どこまでいっても趣味のフォトグラファーで、いつも通りの日常を記録しているだけなので仰々しいのは持て余してしまう。そういうのはデジタルの仕事だと思っている。ただし、写ルンですのようなボタンを押すだけのようなカメラは少し寂しいような気がする。ちょっとだけ趣味性を高めるような余地・遊びが欲しい。

ササっと撮りたいので自動露出があるとありがたい。フォーカスはオートだと楽だしマニュアルだと楽しいのでどちらでも良い。開放F値は開放ではほぼ撮らないのでF4ぐらいあればいい。ファインダーはできればピントや情報が見やすいほうが良い。

③身の丈に合った価格

そりゃ欲を言えばLeica MP0.72なんかを使ってみたいけど、余りにも夢物語すぎるし自分にとってはオーバースペックだろう。私のようなブレやすい人間はきっと「俺はLeicaを使っているんだ」という呪いに囚われて写真に対する姿勢がグラグラ揺らいでしまうのが目に見えている。そうではなくて、「カメラの事を考えなくていいカメラ」が良い。被写体と私の間をできるだけ邪魔しないような。「身銭を切って買ったカメラだから」と恐る恐る使う必要がなく、それでいて息をするように撮影できるものがいい。

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これらの条件を踏まえて考えると、やっぱり35DCや28Tiは優秀なんだけども、もう少しプログラムオートや遅いAFのストレスを解消するカメラが欲しいなあと考えるようになってきた。Nikon FE2はどうだ?高速シャッター+絞り優先AEで機動力高め。でも重さがNewFM2と変わらないから結局使わなくなりそう。やはりBessaR3Aか?いやいや、状態がいいものはあるけど相場が高すぎる。良い個体とレンズを揃えたら20万円近くなってしまう。Minolta CLE?小さくてAEもあって価格もそこそこ。ただ修理前提の個体が多いしレンズ合わせるとやっぱり15万円ぐらいになる。正直自分のスタンスではフィルムカメラに出す値段じゃないな…X-pro3買えるじゃん…

やはり無いのか…俺の俺による俺の為のカメラ...


ありました。

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Nikon EM。

Twitterでフォローしているhondaさんが使用しているのを発見しゴローちゃんになりました。

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絞り優先AEのみという潔さ。ボディ+レンズ(Ai Nikkor F1.8)で650gという軽さ。ボロい外装だが完全動作品のボディを1980円で手に入れました。こういうのでいいんだよ of the yearの最有力候補。ファインダーは眼鏡の自分にはちょっと見づらいけど。オマケに分割巻き上げが出来るので片手シャッターも楽々。機動性考えたらレンジファインダーしかないと思ってたけど、レフ機でこんなのもあるんだ。画がボディじゃなくレンズ依存なのが今更ながらアドバンテージに感じる。これ以上重いレンズに交換するとそれこそ本末転倒なので恐らく頻繁には換えないけど、たまには40mmとか35mmで使ってみたい。いいじゃない。なかなかどうしていいじゃない。NikonEMが出た当時、同じようなスペックのレフ機が各社から出てたみたいですね。OM10とかAV-1とか。ありがてえこってす。厚みがあるのでいつも使うサコッシュなんかには入らないけど、ストラップでたすき掛けしておけば全然邪魔にならない存在感。

買ったばかりでまだ浮足立っているけど、使い込んでいくうちにどんどん馴染んで身体の一部になりそうな予感がしています。

ここまで書いといて何ですけど、デジタルならもっと小さくて便利で高性能なものあるよね?と言われると、それは本当にそう、と答えるほかありません。年々ランニングコストが大きくなるフィルムにこだわり出したのはなぜか?それはまた(長くなりそうなので)別の機会に。

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