見出し画像

【麻雀小言Vol.2】強くなるために強者と戦う必要は無い

こんにちは。初回の投稿への反応を下さった皆さんありがとうございます。なるべく多くの投稿を続けられるように頑張りますね。
ではタイトルについて話していきましょう。


我々はサイヤ人ではない

麻雀のリーグ戦等への参加表明時に、良くこんな言葉を目にしますよね。
「強い人と戦って成長したい」

志は素晴らしいと思います。けど非常に残念ですが、このゲーム強い人と戦っても強くなることはできません。正確には、自身の成長のために強い人と戦う必要性がないということでしょうか。
我々地球人はサイヤ人ではないのです。自らを窮地に追い込んで、厳しい環境に身を置き、生死の境を彷徨うような経験をしても、それが強さに繋がることはありません。

まあ実を言うと、我々地球人とて例えばスポーツの世界なんかでは、近しい実力や格上の実力者と戦うことによって、経験値を得て相乗効果で高め合うということが可能といえば可能ではあるんですよね。

ただ、こと麻雀に於いてはその理屈は通用しないんですね。それは何故かということを少しお話ししましょうか。

1.他人の実力に依存しない選択がほとんどである

麻雀の選択において、対局相手の実力によって変わるものはほとんどありません。対局相手が誰であろうと、置かれた状況において如何に自分が正しい選択を取れているかということが勝敗に直結するのです。要は誰と戦ったとしても自分が成長するための経験値としてはほぼ一緒だよってことです。
具体的に見ていきましょうか。

例えばこんな局面。親リーチを受けて自身の手はピンフになるかならないかの2シャンテン。いくらラス目と言ってもしっかり降りるべきでしょう。
(リーチ者の)オタ風とはいえ、こんな手牌から生牌の西を切っていては勝てるものも勝てません。何から切って降りるかも考えるべき要素なのですが、今回の本題とは外れるのでその辺りは割愛しますね。

ではこの時のリーチ者が天鳳高段者であれば?あるいはこの打っている場が雀魂銀の間であれば?選択は変わるのでしょうか?
答えは当然NOですね。
「南1局の子番」「現状の点棒状況」「巡目」「親リーチが入っている」「打点の伴わない2シャンテン」「手を進めるにあたって複数枚の危険牌」「リーチ者の安全牌は複数枚所持している」
こういった要素からどのような選択をすべきなのか考えることが麻雀の勝敗に繋がるのであり、強者はこの選択を間違えないから強者たり得るのです。

この場面もそうですね。
「局数」「巡目」「点棒状況」「手牌価値」「待ちの良し悪し」「他家の手牌進行状況」などによってリーチをするか否かの判断が下されるのであり、「他家のキャラクター性」や「対局しているフィールドのレベル」等はほとんど考慮されません。といいつつ実はリーチ判断についてはちょっとだけ関連するファクターがあるのですが、その辺りはまた別の記事で詳しく取り上げる予定です。

とにもかくにも、これらの事だけでなく麻雀における判断の優劣に対戦相手の性質が与える影響は限りなく小さいのです。流石に思考ルーチンのおかしいNPCやルールすら把握してない初心者相手では微妙ですが、ルールを把握して勝つことを目標に打っている相手であれば誰だっていいのです。
大切なのは局面局面で自分が正しいアウトプットをしているかどうかなのですから。

2.勝利のサイクルが出来上がらない

麻雀というのはゲームの性質上、レベルが高く実力が拮抗している打ち手同士が争えば争うほど、その中でスタッツ的に圧倒することが難しくなります。
例えば鳳凰卓で長期的に見て平順2.5を切るような人は世間的に見て圧倒的な強者で、2.45クラスは誰からも一目置かれるような存在。2.4付近を出せたなら現時点での人類最強クラスといっても過言では無いでしょう。
各リーグでの最上位層はその中で鎬を削ってきたような人たちです。そんな人たちが集う過酷な環境に、打ち手として何段階もレベルの落ちる人が飛び込んだらどうなるでしょうか?当然ボコボコにされます。平順は2.6台、下手したら2.7台とかになるかもしれませんね。

「負けて覚えることもあるしそれでも良いんじゃないの?」
そう考える人もいることでしょう。
では麻雀において、自身の成長を一番実感するときはどんな時なのか?それはある程度の期間で結果をしっかり残せた時でしょう。

学びを得て、対局でそれを発揮し結果を残す。ポイントが増える、段位が上がる。そして次のフィールドへ行き、同じことを繰り返す…

こういった勝利のサイクルを繰り返すことにより、選択に自信が付くようになり、揺らぐことのない強さへ繋がっていくのです。
ですが背伸びして上のフィールドで戦っても当然そんな経験はできません。なにせ先程も述べたように、最強クラスの打ち手ですらトントンのラインを越えるか越えないかを争う場なのですから。

ある程度正しい選択をしても、そもそも性質上勝利という結果に繋がりにくいので自信をつける、強さを身に着けていくサイクルが出来上がらないのです。
そういった意味では、強者と対局しボコボコにされるというのは、むしろ麻雀の成長において逆効果とすら言えるでしょう。

勝利のサイクルを作り上げるためには

では散々話に出てくる、その勝利のサイクルとやらを作り上げるために効果的なこととは一体なんぞや?となってきますよね。
これからその辺りの話もしましょう。ただし大前提にあるのは、自分が正しい学びをすること。
その上で、これから挙げることはその成長にブーストをかけるようなものだと理解しておいて下さい。

1.強者の牌譜を見る・後見をする・話を聞く

先程強者との対局に意味はないと言いましたが、結局は自身の判断が重要だということの他に、対局しているだけでは強者の思考や判断がわかり得ないからです。
しかし牌譜検討や後見といった手段で俯瞰的に盤面を見ることにより、強者の考えを知り、自分と違う判断をした際には「何故だろう?」「どこに違いがあるのだろう?」と考える事ができます。
そしてわからない部分は直接話を聞き理解を深める。こういったことが成長に与える影響は非常に大きいです。

もしあなたの身近に強者と呼ばれる人がいて、許されるのならばその人と大いに麻雀の話をしてみて下さい。

2.適正ランクで戦い、結果を残す

これは上で書いたことの裏返しのようなものですね。基本的に段位戦というのは、自分と同格以下の相手に対して勝っていくことで新たなフィールドへの道が開けます。その過程で自信と強さを身につけていくことが重要であると。

同格以下の相手に勝っても意味がないし強さの証明にならないのでは?と考えている方をたまに見かけます。表現は悪いですが、所謂「雑魚狩り」に価値は無いだろうという意見ですね。

しかし再三言っているように、そうやって結果を残していくことで強さというものは身についていくのです。更に言えばレベルが均衡すると結果という形で残りづらいゲームではありますが、ある程度実力差があれば(上振れ下振れの要素あれど)しっかりと結果に反映されるゲームでもあります。
自分より格下の相手にしっかりと結果を残しスタッツで圧倒する。これは十分強さの証明となり、成長の証でもあるのです。
なので強者との対局に固執せず、今いる場所・与えられたランク帯でまずは結果を残すことを念頭に置いてみて下さい。

余談

ここから先は余談となります。どうでもいい寄りのことですし、人によっては若干の不快要素を感じるかもなので、読み進める際にはご注意下さい。

1.そもそも強者との対戦の場にリーグ戦は最適なのか

数多ある私設リーグ戦。多くはチーム戦の形式を取っており、開催は週に2日というのが相場でしょうか。
と言うことは、自身の出番が回ってくるのは大体1週間に1半荘なのです。アウトプットの場として活用するには非常に心許ない回数ですよね。

また多くのリーグではポイント制や育成枠などといったシステムを採用しています。つまり常に最強格の相手と対局できる保証すらない訳です。

これらの要素からあくまで私見ですが、リーグ戦に参戦することで強者との対戦経験が積める、ということがそんなにリンクしてないよなーと思ってしまいます。

2.強者と安定して戦う手段

じゃあ強い人との対戦経験を重ねるにはどうすればいいのか?答えは単純で
「自身の段位を上げて、レートが高い相手が多いフィールドに到達する」です。
雀魂で言えば王座の間(個人的には微妙だと思ってるけど…)、天鳳で言えば鳳凰卓に到達してしまえば、気兼ねなく強者との対戦経験を得る事ができます。

「それが出来りゃ苦労しないよ」
そう考える方も多いでしょう。でも今回の記事で再三述べているように、そもそも順序が逆なのです。
つまりどういうことかというと、「強くなるために強い人と戦う」ではなく、「強くなったから強い人と戦えるようになる」というのが真理なのです。
これは別に麻雀に限った話ではなく、レートやランクの概念がある対人ゲームでは当たり前のことなのです。

とはいえすぐに実現できることではありませんし、そう言われたとてやはり強い人と対局してみたいと思うのは、極めて自然な感情でしょう。

であるのならばDiscordを活用してみましょう!近年は麻雀に関する交流が増え、多くの人が集うDiscordサーバーも多数存在しています。

そういった中で(ルール上許されているのならば)、強者の方に呼びかけ友人戦や牌譜検討を依頼するのは如何でしょうか?
麻雀強者というのは基本的に打つのもそうですが、麻雀について話すことが大好きで、また負けず嫌いです。
きっと真剣に友人戦に取り組んでくれた上で、価値のある話を検討で聞くことが出来るでしょう。


という訳で今回の話はここまで。受け入れ難い部分もあるかもしれませんが少しでも参考にしてもらえればと思います。
しっかり読んでもらえていればわかってくれるとは思いますが、各種リーグのあり方やそこへの参戦理由を否定したり批判する意思はありませんのでね。

さっくりまとめるつもりで書き始めたのに、あれやこれやで長くなってしまうのは良いことなのか悪いことなのか…次回はもう少しあっさり読める内容にする予定です。

それでは


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?