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聴解授業がうまくいかないのはどうして?(In ベトナム)

【 ご質問 】

働きながらでも、日進月歩取り組んでおります。
2年を目標に、検定試験に合格したいと思います。

いつもほかの方のご質問にも、まるで学生と先生のように真摯にお答えになっているのをみて、わたしも聞いてみようと思い、メールをしてみました。

私自身は韓国に留学し、日本の日本語学校では中国人のみの学校で教え、現在ベトナム、ハノイにて日本語教師をしているのですが、2年経って、とても困っております。

それは首記の通り、聴解授業です。

韓国や中国では、比較的日本と近く、様々な場面で日本について触れる機会が多く、自主的にいかなる内容であれ日本語を聞く、見る機会があるのですがベトナムでは皆無に近いです。

また、私が行っているセンターのカリキュラムを大まかにご説明すると、

一日8時間。使用教材 みんなの日本語
4時間 ベトナム人教師による、語彙導入 文法 練習A、B、C。
4時間 日本人教師 問題 トピック 聴解タスク 標準問題集

となっております。

多少コースによって違いますが、大体 半分半分です。

対象は、企業で勤めている方もしくは日系企業の入社前研修です。

この詰め込みでは聴解力はなかなか身につかず、「みんなの日本語聴解タスク」も、正解はできるけれど意味はさっぱりわからないまま。

わからなければ、聞くのをあきらめ理解している人がすべて翻訳をし、正解に丸をすればそれで作業終了。

話を集中して、あきらめずに、最後まで聞くことはなく、正解はわかっているので、解説は聞かない。

またベトナム人教師の発音になれているため日本人の発音やCDが悪いと言われます。

カリキュラムはBtoBで組まれており途中変更は出来ず、センターの営業と企業が話を進め、試験の結果だけを見て、学習者と教師の能力が低いと判断される、という悪循環に陥っております。

日本人教師の授業は休み、ベトナム人教師の授業のみを受ける、という事態も発生しており日本人担当の聴解授業は企業からも学習者からもすこぶる評判が悪いです。

先述の通り、カリキュラムは私の立場では変更できず日本人の上司は経験が2年。そしてほぼ年替わりで辞めていきます。

誰にも相談できず、新しい人が入っては問題が起こり、日本語教師の仕事自体を辞めたり、学習者の貴重な時間、企業のお金をもらっているにも関わらずなんの結果も成果も出せない授業を繰り返すことになっております。

授業を受け持つ教師も、日によって変わることがよくあります。

センターの意向としては、どの教師がどのタイミングで入っても同じクオリティの授業ができる前提だそうです。

どうにかして、耳の慣れていない学習者たちに「みんなの日本語聴解タスク」の授業を効果的に行う方法はないものか、日々悩んでおります。

篠崎先生のご意見やアドバイスをどうかご忌憚無くおっしゃっていただければと思います。

【 ご返事 】

I.A様からのメールを拝見する限りの主な問題点を挙げると以下のような感じになるかと思います。

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