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宇野亞喜良 万華鏡  夢幻にいざなわれる時間を超えた空間

ギンザ・グラフィック・ギャラリーにて開催中の宇野亞喜良展「万華鏡」にいってまいりました。

宇野亞喜良氏の描くどこか気だるげで儚げな少女たち。
皆さま一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。
儚げでありながら強い印象を残す幻想的な絵画は、
時代を超えてなお新しい輝きを放っています。

宇野亞喜良*万華鏡 フライヤー


ギャラリーの外壁ポスター

ポスターになっているこの絵画のモチーフは
寺山修司の詩「ふしあわせという名の猫」。

ふしあわせという名の猫がいる
いつもわたしのそばにぴったり寄り添っている
ふしあわせという名の猫がいる
だから私はいつも ひとりぼっちじゃない

寺山修司氏が1970年頃少女たちに向けて書いた詩ではあるけれど、
もう少女ではない私の心にも響くものがあります。

宇野亞喜良氏が描いたこの絵画もまた
現代の少女、かつての少女、そして少女であることに憧憬を抱いたことのあるすべての人、
それぞれの心を魅了してやまない不思議な引力を持っている様に思います。


ギンザ・グラフィック・ギャラリーHPより

1階は様々な印刷加工が施された作品群。
ビーズやラメ、箔押しなどの加工が作品の魅力をより引き立てています。


ギンザ・グラフィック・ギャラリーHPより

地階には古い公演ポスターや広告ポスターなどが展示されています。

この時代、商業的な宣伝にエキセントリックで自由なアート表現を用いることができたのか!と少なからずビックリしました。

個人的にはピンクフロイドの販促ポスターにもビックリ。
メンバーの顔が点描されているのですが、
なんだかリアルな男性の絵って
宇野亞喜良氏の作品には珍しい気がします。


2階では映像作品を上映。

聖なるものと禍々しいもの
崇高さと猥雑さ
絵の中にとらえようとするごとに変容していく何か
宇野亞喜良氏の作品に感じる変容が、映像化でより鮮明になっていました。



2023年1月いっぱいまで開催予定とのことです。

宇野亞喜良氏の変幻自在で蠱惑的な世界を堪能したい方、
足を運んでみてはいかがでしょうか。


ギャラリー向かいのショーウィンドウもどことなく世界観がリンクしてました