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39歳男、初海外、初インドに勢いで行くとこうなる。4日目

寝台列車に揺られ13時間。早朝6時にようやくワラナシ駅に着いた。そうここは何を隠そうヒンドゥー教の聖地、ガンジス川があるのだ。

駅からオートリキシャーを拾い、ガンジス川に向かう。3、4キロ程走りオートリキシャーで行けるところまで来た。
これより先は歩くかサイクルリキシャーになる。サイクルリキシャーは自転車の後ろに屋根付きの席がついてる人力の乗り物である。ほぼ人力車みたいなこの乗り物の語源は、人力車からきているというから驚きだ。

ここで私はサイクルリキシャーを選ぶのだが、ここで私はこの旅初めての詐欺に遭う事になる。

オートリキシャーの運ちゃんに別れを告げて、一息ついていると、今度はサイクルリキシャーの運ちゃんが「50ルピーでどう?」と声をかけてきた。するともう1人「50ルピーでどう?」と声をかけてくる別の運ちゃん。すると2人は俺の客だと言わんばかりに口論を始めた。収まりそうにもないので私が「40ピーの方にする!」と提案すると、また2人とも40ルピーで喧嘩をしだした。さらに「30ルピー!」と僕が言うと、また30ルピーで喧嘩している。

私が0ルピーと言ったら0ルピーでも喧嘩してそうでこわい。

すると彗星の如く現れた「20ルピーでいいよ」という運ちゃんが現れた。そうそう、本来そうやって交渉すべきなのだよお二人さん。すると多分に漏れず2人も20ルピーと言い出したが、この彗星はもう私の手をとって自分のサイクルリキシャーに私を乗せて勢いよく漕ぎ出した。
そういう強引さも時と場合によっては必要だ。

わからないが、合コンで気持ちよくお持ち帰りされる時の気持ちってこんな感じなんだろうか。正直、あの2人に持ち帰られるよりかは全然いい。

一応聞き間違いじゃないよなと、20ルピーの紙幣見せるも頷いたので安心して身を任せた。
彗星はとばす。時にこちらを振り返り、アイツらは酔っ払いだから俺で安心だよ的な雰囲気の事を言っている。仕事も早く、低価格で、安全運転で非常にありがたい。1キロくらい走ってようやくガンジス川付近に着き、彗星はこう言った。

「100ルピー!」

はぁ!?!?!?!?

この世にこんなにタネも仕掛けもないボッタクリが存在するのか。というか、ボッタクリという名前すら勿体無い。ただの嘘つきじゃねーか!!

感情大爆発で猛抗議するも100ルピーとひかない。お前のどこにそんな正義があるのか。
「あの柿ピーが実は80ルピーしまして〜」とかなら100歩譲って言い分はわかるが、そんな抜け道すら見当たらないではないか。

先ほどの20ルピーの紙幣を見せて、これさっき見せたよねアピールをすると、

「50ルピーでいいよ」と言ってきた
いやいいわけないだろ!!

もう約束通りの20ルピーを強引にわたそうとしたのだが、受け取ろうとせず「50ルピー」と言って聞かない。

じゃあもう1ルピーもわたさず行くからな!とそのまま行こうとして振り返ると今度は悲しい目だけで訴えてくる。なんなんだよ!こっちを悪者みたいにしてくるんじゃないよ!
じゃあ20ルピーだけでも受け取っておけよ!と、再度強引に渡そうとすると
「30ルピー…」こいつどんな根性してねん!

もう根負けして30ルピーだけ渡してその場をあとにした。

しばらく歩くとついに見えてきたガンジス川。
教科書で見たヤツが目の前にあるーとテンション爆上がり。水浴びをしている子だちがかわいい。

川沿いを歩いて今日の宿を目指す。
今日泊まるのは伝説のゲストハウス、久美子の家。バックパッカーで知らない人はいない場所である。インド人と結婚されたクミコさんが1980年代に自宅を改装し始めた日本人宿の先駆け的な存在らしい。


久美子の家
私が過ごした部屋
大便や小便をする部屋


有名だから泊まろうとする人はいるのだが、汚いからと諦める人もまた多いらしい。ただ、ここで泊まれたらもうどこでも泊まれる気がする。そんな自分の幅を広げてくれる場所かもしれない。

友人や上司も何十年前に、ここに泊まったことがあると聞いていたので、感慨深さもあり、感慨ゴロゴロをしばらくした。泊まってるのは私だけでドミトリーは貸し切り状態だった。

夕方くらいに外に出てカレーを食べ、あんまりだったかなーと思いながら店をでると、日本人女性が2人いた。

あんまりカレー

どうやらこの店に入るか迷っていたらしい。
率直な感想を伝えるとやめる判断をしたみたいだ。道端で話をしていると、有名なだけあって、久美子の家見てみたいとうので自分の部屋を見学させてあげたら、かなり衝撃をうけていた。女性が泊まるのはかなりハードル高めのようだ。

彼女らは死ぬほどラッシーを飲んでいるらしく、彼女らオススメのラッシーの店でお茶する事になった。



なな28歳とまり21歳。

なんと別々に海外の旅をしていて、ベトナムの空港で意気投合して途中から一緒に旅しているとのだと言う。おったまげである。

日没になるとプージャーという
ガンジス川の前で行われるヒンドゥー教の儀式があるらしく、それを一緒に観に行く事になった。

川の前で席を取って待っていると段々と人が増えてきた。すると、インドの新聞記者と名乗る男性3人組に話しかけられた。社員証みたいのまで見せて、取材させてくれと言ってる。ななとまりはNGのようだが、僕なら是非取材してくれ!と快諾した。がいざ始まると、質問の英語がわからなすぎて、取材という取材は叶わず、私の満面の笑みの写真を5枚程撮って終わった。残念だが、もしかしたら、明日の新聞に僕の顔が載っているかもしれません。インドの新聞とっている方いたら教えて下さい。



そうこうしていると人はさらに増え、花火大会みたいな雰囲気になってきた。
そしてこれの何がすごいって毎日やってるらしい。規模感は年1イベントのようだ。
ようやく、プージャーが始まると、お経みたいなお祈りみたいな雰囲気の事をしている。一、二時間やってだろうか。不謹慎だが、子供の頃に味わったお葬式に参加して長時間単調で終わりも見えず飽きてきたみたいな状態になってしまった。


隣に座ってたパーニャという女の子
おでこにペイントをする仕事をする男の子


3人でレストランに行き、
ミネストローネを食べた。野菜を一旦炒め、スープに片栗粉を混ぜたようなトロミのあるミネストローネだったが、気にしない。

ご飯を食べて別れをつげ、それぞれの宿に帰った。

つづく

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