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田舎でセミリタ生活の良しあし(その2)

約7年半前に首都圏から地方に移住した筆者がつづる「田舎でセミリタ生活」のリアルです。前回(田舎でセミリタ生活の良しあし(その1) | MARKET PASS (market-pass.jp))掲載後、Twitterで「次が楽しみ」とコメントをいただいていたにもかかわらず、間が空いて申し訳ありません。

  • 「田舎」にもピンからキリまである

「田舎暮らし」と言われて想像するのはどのような地域でしょうか?
 実は、この定義はかなりあいまいだと感じています。

出典:e-stat.go.jp

 日本には政令市、市、町、村を合計すると約1,700の自治体があります。
「市」と「町」と「村」の違いは、どこにルールが載っているかです。
「市」は、地方自治法によって条件が定められていて、「町」は都道府県が定めている条例に規定があり、「村」の定義は特に法律で定められていません。
「市」になるには、人口が通常は5万人以上必要ですが、昭和40年以降は、市町村の合併の特例に関する法律の規定が適用されれば、人口は3万人以上が条件になっています。人口が5万に満たない「市」は多数あります。
 
他には、中心となる市街地に家が全体の家の数の6割以上あることや、商工業に関わる人たちやその家族の割合が6割以上必要であるなどの条件があります。
都道府県が「市」であるための要件を条例で定めていることもあり、例えば東京都の場合
・簡易裁判所、税務署、公共職業安定所等の官署又は地方事務所その他都の公署が5以上設けられていること。
・学校教育法第六章に規定する高等学校が3以上設けられていること。
・公私立の図書館、博物館、公会堂又は公園等の文化施設を二以上有すること。
など、「市」という単位に要件を設けています。
大雑把に言えば「市」にはそれなりの利便性が求められるということでしょう。
 
前置きが長くなりました。
「田舎」がどこかは、人によって定義が異なると思いますが、3大都市圏から移住を考慮するのであれば、個人的には少なくとも「市」の方がいいと思います。
いきなり極端に過疎地へ行くと、不便さになれる前に、暮らしが嫌になるかもしれないなと感じます。
 
<筆者の場合>
 筆者が現在住む場所は人口約16万6,000人。
 県内に「市」は10市ありますが、3番目に大きな市です。
 全国的に見てこれがどのような規模かを知るために便利なwebsiteを見つけました。
【市区町村別】人口・世帯数ランキング (jitenon.jp)

 ここで、現在令和2年に実施された国勢調査結果に基づく市区町村人口ランキングを見ることができます。筆者が住む地域は220位ぐらいですが、このランキングでは政令指定都市は市全体と、それぞれの区がランキングされています。
政令指定都市の各区を除外すると、日本全体の市区町村数が1700ぐらいであれば、人口ならば上位1割ぐらいに入るレベルに住んでいると理解していただいていいでしょう。
 
 上位1割に入るのに「田舎なの?」と思われるかもしれません。
 この辺りの感覚は相対比較かもしれませんが、筆者は「田舎」だと思っています。
 それは市町村単位(特別区を含む)の人口では全国10位に入る自治体から移住してきたからかもしれないです。

  • 人口上位1割に入る市の住み心地

結論から言えば、「ぎりぎりそこそこ快適に生活できる」と思っています。
 あくまでも筆者の視点で、その理由を挙げます
 
・日常生活の買い物に不自由することはない
・高度救命救急センターがある大学病院等、総合病院が充実している
・それなりの規模の本屋がある
・東京まで空路あるいは陸路で概ね4時間ぐらい
・株主優待を使える施設がそこそこある(=それなりに小売業や外食業の店舗がある)
 
 ただしこれらは
「自家用車があって自分で運転できれば」
という条件がつきます。
 筆者の自宅は徒歩でたいていの用事を済ませられますが、「市」全体を考慮すると公共交通が便利ではないので、少し市街地から離れると自力で移動できる手段がないと生活は不便です。冬は雪が降る地域なので、自転車やバイクでは危険ですし、寒さがつらいです。
冬に見かけるバイクは新聞と郵便の配達ぐらいです。ちなみにそれらのバイクにはバイク用のスタッドレスタイヤを装着していると聞きました。
 
 ショッピングは近年オンラインが普及したので、特に不便は感じません。
 それは7年半前に移住したときにもすでに思っていたことで、宅配便が首都圏から翌日で届く地域であることも知っていたため、実店舗が無くてもそれほど困らないだろうと思ったのも移住を決断する要素にはなりました。
 
 この辺りは、何を重視するかによって評価が分かれる点だと思うので、筆者の例は一例にすぎません。移住を検討している方の参考になれば幸いです。

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