本当の問題

活動で直面する「問題」の正体とは?

活動していると様々な問題に直面します。
でも、その問題の正体を見抜くのは、意外に難しいことです。

例えば、長年新しいメンバーがまったく加入せずに、メンバーも活動もくたびれてしまった組織があるとします。

「どうすれば新しい人が入ってくれるでしょうか?」

こんな風に相談したり、悩んだりしています。後継者を迎え入れたいのに、入ってもらえないのです。

仲間が増えない ←本当にそれが問題?

ここで問題を、

「後継者が加入しないことが問題」
「新しい仲間が増えないことが問題」

と捉えてしまうと、本質を見失います。

落ち着いて考えれば分かるのですが、メンバーも活動も疲弊し、魅力を失った状態では、いまのそこに加わりたい人はいません。でも、活動が充実してくれば、状況は大きく変わるはず。

つまり本当の問題は、もっと手前のところにあるのです。

会議で威圧的な人がいる ←本当にそれが問題?

「会議のときに威圧的な人がいて、うまくいかない」

こういうのも、よくある悩みです。

「どうしたら、あの人の威圧的なふるまいを止められるだろう?」
「どうしたら、あの人の性格を穏やかに出来るだろう?」

と、こんな風に問題設定をしてしまいがち。でも、こんな風に考えて悩んで策を講じてみても、実際にはなかなか改善されませんよね。

なぜなら、それが本当の問題ではないからです。
それでは、「本当の問題」はどこにあるのでしょうか?

問題はどこにあるのか

問題の多くは、ベーシックな組織運営が
出来ていないことによって引き起こされています。

コンピュータに例えれば、個々のアプリケーションではなく、それらを実行するためのOSが、きちんと動いていないのです。

活動には、「場づくりOS」が必要です。

先ほどの例とつなげて考えてみましょう。

「後継者が見つからない」という問題の原因は、活動が魅力を失っていることです。

みんなで人を誘おうとか、紹介してもらおうとか、宣伝しようとか、そういう動きでは何も改善されません。

・一人ひとりの思いを活動の現場につなげる
・社会や活動の変化と向き合い、必要な修正を加える

こういう基本をどこかで手放してしまい、それが出来なくなったまま、時間が経過しているのです。これらは、「場づくりOS」の一部です。

ふたつめの例は、「会議で威圧的な人がいる」という問題でした。

これは、そもそも威圧的なふるまいを許し、
それがまかり通る「会議力の低さ」が原因です。

威圧的なふるまいが悪目立ちし、あまりにも場違いなら、場に自然で必要な抑止力が働き、理不尽なふるまいなどまかり通らないはず。つまり、なんだかんだとそれが許される環境があるのです。

人ではなく場や会議の問題としてとらえると、解決に向かいます。

・会議のやり方の共有(会議力の底上げ)

が、この組織には必要です。全員で納得出来る合意形成の力は、「場づくりOS」の根幹部分です。

「場づくりOS」をインストールしよう

活動の魅力が発揮されたり、問題があっても対処出来るのは、ベーシックな組織運営の力=場づくりOSがあるからです。

他にも、わかりやすいところだと、

・運営体制の確立(役割分担の方法)
・組織理解(個人と組織のつながり)

なども、「場づくりOS」の一部です。

場づくりOSは、場をつくるための考え方とやり方の総体であり、体系化された知恵です。思いを場につなげ、場を社会とつなげるための基礎になります。様々な問題の原因に対処する力をもたらし、場や組織のアイデンティティを確立します。

ただ、これが「正解」かというと、それは違います。

手法との向き合い方

「場づくりOS」は、あなたがあなたらしく活動するための、基本的な力をもたらします。あなたの内側にある本当の思いと、活動の場が切り離されていては、活動する意味がありません。そこをつなげるのが場づくりです。

そのための「場づくりの手法」があります。

場づくりクラスでも、背景にある考え方とセットで、やり方(手法)も丁寧に伝えています。場づくりの教科書でも、丁寧に解説しました。でもそれらはOSです。どんなアプリ(活動)を展開するのかは、あなた次第なのです。

世の中には、様々な“手法”があります。それがあれば何かが解決すると宣伝して、マーケットが形成されています。

でも、欺されないでください。

手法によって何かが解決することなどありません。解決するのは、手法ではなく、その手法を用いるあなたです。

繰り返しますが、あなたの内側にある本当の思いと、活動の場が切り離されていては、活動する意味などないのです。手法にも一定の価値はありますが、本当に価値があるのはあなたの内側です。それを大切にして場をつくり、社会とつながっていきましょう。

手法に惑わされ、手法に使われてはダメですよ。
「正解」はいつだって、あなたの内側にあります。

\Question/  
あなたには、いま気になる運営上の問題はありますか?
その問題の本質は、どこにあると思いますか?


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