見出し画像

起こるべきことが起こるならば

お金・健康・人間関係、人生の様々な事柄について「予防」だとか「リスクヘッジ」だとか、そんな情報が溢れています。でも、それなりの年齢まで生きてきた今になって、僕は思うんです。人生で起こるべきことは、何をしようと起こるのではないだろうか、と。

人生は確率論じゃない

確率に対する態度の取り方って、すごく難しいですよね。身近なところでは降水確率。出かけようとして降水確率が40%なら、あなたは傘を持っていきますか?

同じように、「◯◯をすると△△になるリスクが◯◯%高まります」みたいな話に対しても、これまた難しいところがあります。

東京が新型コロナで最初の緊急事態宣言下に入ったときに、僕はまず「感染するリスクをゼロに近づけたい」と思いました。怖かったですからね。でもそのうちに、「周囲の人を自分が感染させるリスクをゼロに近づけたい」と考えるようになりました。初期は情報が錯綜していましたが、感染するリスクだけでなく、させるリスクがあることがまもなく知れ渡りました。

そこで、僕も真面目に考えてみたのですが、周囲の人を感染させるリスクをゼロにする方法は、たったひとつしかありませんでした。それは、自分がこの世からいなくなること。死んじゃえば、感染させることもありません──とここまで考えて、この考え方は間違っているよなと思いました。

起こるべきことが起こる豊かさ

僕が専門にしている「場づくり」の考え方では、もっとも自由で力のある豊かな場とは「起こるべきことが起こる場」です。まぁ、簡単に言うと、「喧嘩したい人がいる場合、ちゃんと喧嘩が出来る場」ということです。

もちろん争いごとが良いということではありません。表面化していなくても、そこに既に争いごとが内在しているのなら、場はその悪影響を受け続けています。改善するためには、「ちゃんと正しく喧嘩する」しかありません。

でも、「出来るだけ穏便にしたい」「表面だけでも仲良くしたい」「自分の前では何も起こらないでほしい」というような考え方の人ばかりだと、場も人も不自由になり、起こるべこことが起こりません。

そのような経験から考えると、「起こるべきことは起こるのだ」と考えた方が、ずっと前向きだと思うのです。その代わり、起こったことに対しては自分らしく対処する。不可能なゼロリスクを目指しておかしなことになるより、予防ばかりして縮こまって生きるより、そうした心構えを持つ方が楽しく自分らしく生ききることが出来るのではないでしょうか。

声のメディアstand.fmでは、同じテーマを音声でお楽しみいただけます。この内容が気に入ったら、ぜひこちらをどうぞ。無料メルマガ『冒険と灯台』もおすすめいたします。


コンテンツが役立った!共感した!という方は、よろしければサポートをお願いします。大変励みになります。noteでの情報発信のために、大切に使わせていただきます。ありがとうございます。