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OR逆転裁判 第二話「難航逆転不落」2日目探偵後編

【アワテル】
「待て!! ひつぐりさんを
どうする気だ!」
【???】
「おっと、まずは自分の心配が先だぜ。
オレァどんなエモノも逃さないからなァ‥‥」
【アワテル】
(ひつぐりさんの持っていた
事件キロクと日記がうばわれてしまった‥‥)
【???】
「ダイジなカノジョは消灯の時間さァ。
‥‥さて、オマエにも眠ってもらおうか‥‥」
【アワテル】
「あいにく、あっちのカノジョとちがって
そんなに寝不足じゃないんですよ」
【???】
「‥‥オレたちは“プロ”だ。なんでもモミ消し、
眠らせる。それがシゴトさ」
【アワテル】
(‥‥なるほど、暴力の“プロ”か‥‥。
暴力のプロに、暴力で戦ってもイミはない)
【アワテル】
(思い出せ‥‥。
ジブンは、なんの“プロ”だった‥‥?)
「尋問」
【アワテル】
(ひつぐりさんにはもう追いつけない。
だとしたら逃げる先は‥‥ひとつだ)
【アワテル】
(ヤツらの目的を聞き出し、
逃げる方法をも考えるんだ‥‥!)

フラグ未達
【アワテル】
(ダメだ、まだテキの目的を
すべて聞き出してない!)
フラグ済
【オイシゲル】
「待てッ!! 逃がすワケには‥‥」
【アワテル】
「1歩近づくたびに、写真を1枚
アップロードします」
【オイシゲル】
「!!」
【アワテル】
「サイゴにひとつだけ‥‥。
“天使ちゃん”というのは、いったい‥‥?」
【オイシゲル】
「ユビ1本ふれさせねぇぞ!!
カノジョはなぁ、清純でキヨラカな」
【アワテル】
「女性なんですか」
【オイシゲル】
「イヤイヤイヤ!!
今のはその、ほんのジョーダンで‥‥」
【アワテル】
(“天使ちゃん”か‥‥。
ずいぶん大きな借りを作っちまったな‥‥)
【オイシゲル】
「オイ! ま、待て!!」
逃げる足音?
【アワテル】
(ひつぐりさん、
どこに連れてかれたんだ‥‥!)
カタカタ
「調べる」
「窓」
【アワテル】
「そこのマド、開いてますよ」
【オイシゲル】
「エエエエッ!! ‥‥‥ってアレ、
開いてねェじゃねぇか!!」
【アワテル】
「でも、社会のマドは開いてますよ?」
【オイシゲル】
「エエエエッ!! ‥‥‥ってアレ、
ホントに開いてるじゃねぇか!!」
【アワテル】
(くそ‥‥こんなコトしてる
バアイじゃないのに‥‥)
「カベ」→マドと同じ
「コンピューター」
【アワテル】
「コンピューターの中には、
調べてないデータがたくさんありますよ」
【???】
「パスワードがわからねェ」
【アワテル】
(‥‥。
ダメだ、見向きもしない‥‥)
「机」
【アワテル】
「机の中には、まだ調べてない
日記がワンサカと入ってますよ?」
【???】
「オマエを眠らしたら調べる」
【アワテル】
(‥‥。
さすがに、これじゃムリか)
「本棚」
【アワテル】
「本棚は回収しなくていいんですか?
まだ調べてない本が、たくさんありますけど」
【???】
「あとで調べる」
【アワテル】
(‥‥。
そりゃ、そうか‥‥)
「つきつける」
「ひつぐりさん」「所長」
「弁護士バッジ」
【アワテル】
「‥‥ひつぐりさん本人を連れ去ったのは、
このバッジが“目的”ですよね?」
【???】
「? そんなバッジつけても、
“ひまわり組”のセンセイはできないゼ?」
【アワテル】
「幼稚園のバッジじゃなくて、
法律の園にはいるためのバッジです」
【???】
「‥‥ヘェ‥‥。ま、どんなセンセイでも
明日のサイバンは欠席してもらうけどな」
【アワテル】
「‥‥ひつぐりさんをさらっても、
まだうちのジムショに、弁護士はいますよ?」
【???】
「モチロン、そっちにも“プロ”が行ってるさァ。
今夜はジムショに帰れないゼ!」
【アワテル】
「ジムショをおさえても、知り合いの
弁護士にたのめば、サイバンは続行されますよ」
【???】
「エエエエッ!! 聞いてねえぞ!
ユーカイのイミがねえじゃねえか!」
【アワテル】
(‥‥このボウヤは“子飼い”だろうな。
指示しているニンゲンは、ほかにいる)
【???】
「あ、ユーカイしたコを“使えば”いいのか。
あとはアンタのキオクを消せば‥‥」
事件キロクや日記つきつけてないとき
【アワテル】
(‥‥キオク‥‥?
もしかしてまだ、他に“目的”があるのか‥‥?)
〃つきつけてるとき
【アワテル】
(‥‥ボウヤの目的は2つ。
明日の裁判と、事件キロクか‥‥)
「(つ)日記/事件キロク」
【アワテル】
「この事件キロクと日記が目的ですかね。
どっちも、写真はとってありますが」
【???】
「消せッ!! さもなくば、
オマエを消すッ!!」
【アワテル】
「いいんですか? ボタンを押せば、
写真は世界中にバラまかれますが」
【???】
「えっ! そんな‥‥
ヒキョウじゃねェか!!」
【アワテル】
(ユーカイするのは
ヒキョウじゃないのか‥‥?)
【???】
「ぐ‥‥。アンタの手元にも、
“人質”ができちまったワケか‥‥」
【アワテル】
(どうやら、アタマのほうまで“プロ”とは
いかないようだ‥‥)
「その他」
【???】
「‥‥なんだァ? くれるのか、それ?」
【アワテル】
(目がギラついてる‥‥。
余計な証拠を見せるのはキケンだな‥‥)
【アワテル】
(まずは、このでかいボウヤの
でかくない脳ミソから、“情報”を引き出そうかC[0])
「話す」(ない)

【ヒツグリ】
「うう‥‥アタマいたい‥‥。」
(どこだ? ここ‥‥)
「調べる」
【ヒツグリ】
「く、暗い‥‥。スイッチはどこかな。
ええと‥‥‥‥これか!」
スイッチの音
【ヒツグリ】
「‥‥‥‥。押しても明るくならないって、
サギじゃない! ユーカイ犯のクセに!」
【ヒツグリ】
(‥‥まあいいか、暗さに目が慣れてきたし。
ひとまず部屋を調べてみようか)
明るさ30
「調べる」
「青い半円 ドア」
【ヒツグリ】
「これがドアかな、床にマークがあるし。
どうせカギかかってるんだろうな」
ガチャガチャ
【ヒツグリ】
「‥‥。えーん、やっぱり開かない‥‥。
都合よく、カギとか落ちてないかな‥‥」
「出口」
【ヒツグリ】
「これもドアだな。ひとつの部屋にドアが3つ、
ここからスイソクできることは、ひとつ」
【ヒツグリ】
「このユーカイ犯は、
そうとうの“ドア好き”ってコトだ」
【ヒツグリ】
(‥‥ココロのドアもひらいてくれたら、
交渉できそうなのになぁ‥‥)
「カードキー」
【ヒツグリ】
「犯人のクレジットカードかな。
限度額まで使いたおしたいなぁ‥‥」
【ヒツグリ】
「‥‥どれどれ。“カードキー”‥‥?。
カードなうえにキーだなんて、ヨクバリだなぁ」
【ヒツグリ】
「‥‥まあ、わたしなんか“火”なうえに”継“で”利”で、
三‥‥」
【    】
「助けて、おねえちゃん!」
【    】
「明里ッ!! 逃げて!!!」
【ヒツグリ】
「う‥‥。なんだろ、今の‥‥。
ちょっと、アタマの頭痛が痛いかも‥‥」
「ドア3」
【ヒツグリ】
「なんでこう、開かないドアが3つもあるの?
開かないなら“ドア”じゃなくて、“カベ”だよ」
フラグ未達
【ヒツグリ】
「“ドア”になりたいなら、カギが必要かな。
カギ‥‥カギ‥‥。どこだろ、カギ‥‥」
フラグon
【ヒツグリ】
「でもこのカベ、ヘンなミゾがあるな‥‥。
カードキーなら、カベを“ドア”にもどせるかな?」
【ヒツグリ】
「‥‥‥‥!! 開いた!」
【ヒツグリ】
「“カベは乗りこえるモノ”なんてウソだね。
今度から、カベにぶつかったら“ドア”を探そう」
背景変更
【ヒツグリ】
「‥‥さっきと代わり映えしない部屋だな。
脱出はムリでも、犯人の手がかりとかないかな‥‥」
「調べる」
「化粧箱」
【ヒツグリ】
「化粧品かな。中身はどれどれ‥‥‥‥
なんだろ、クスリかな‥‥?」
【ヒツグリ】
「あれ、ぬすまれた事件キロクも、
日記も、この中に入ってるな‥‥」
【ヒツグリ】
(‥‥この化粧箱、名前が書いてあるな‥‥。
千間 美鈴‥‥?)
【    】
「明里‥‥」
【    】
「‥‥どうして‥‥こんなことに‥‥」
【ヒツグリ】
「‥‥う、アタマの頭痛の激痛が‥‥はげしく痛い‥‥」
【???】
「オレはココロが痛いさァ‥‥。
人質ちゃんのこれからを思うとなァ‥‥」
【ヒツグリ】
「!! ご、ごくろうさまです!
ゴキゲンはいかがでしょうかッ!!」
【???】
「ゴキゲンってよォ、どうしてナナメに
かたむくんだ? オレはまっすぐ生きてるのに‥‥」
【ヒツグリ】
「き、きっと《地軸》がかたむいてるから、
ニンゲンも地球にあわせて‥‥」
【???】
「オレはまっすぐ生きてるのにッ!!
ヒミツの部屋にはいりやがってッ!!」
【ヒツグリ】
「スミマセンッ!!
ちょっと地球の自転がかたむいてましてッ!!」
【???】
「地球がかたむいても、カードキーがなければ
この部屋には転がりこめないぜ」
【ヒツグリ】
「スミマセンッ!! ちょっと地球の引力が、
カードキーを引き寄せましてッ!」
【???】
「オレの怒りも引き寄せちまったなぁ‥‥?
アンタが泣いたって今日も地球は回るんだぜ!」
【ヒツグリ】
(うう‥‥どなられたとしても、
今日も地球は回るのに‥‥)
【???】
「や、ケガされると困るからな。
さっさと元の部屋にもどりな」
【ヒツグリ】
(あれ、もしかしてこのヒト‥‥。
《化粧箱》の存在に気づいてない‥‥?)
背景変更カタカタ
【???】
「‥‥さて、おじょうちゃん。
そろそろ消灯の時間だな‥‥?」
【ヒツグリ】
「!!」
【ヒツグリ】
「こ、これは‥‥」
【???】
「スイミン不足はおハダによくないらしいぜ。
だからオレから、ちょっとしたプレゼントだ」
【ヒツグリ】
(スイミン‥‥薬、か‥‥‥‥?)
【???】
「アンタが寝ても、地球は回りつづけるさ。
安心してユメを見ていな‥‥」

【    】
「RRRRRRRRR‥‥」
【ショチョウ】
「ちょっと!! ジムショにヘンな黒服が
わいてきたんだけど、なによアレ!!」
【アワテル】
「所長! ブジだったんですか!」
【ショチョウ】
「‥‥ごめんなさい、ブジじゃないわ。
3人くらいなぐりたおしちゃった‥‥」
【アワテル】
「‥‥え」
【ショチョウ】
「黒服のヒトたち、泡ふいてたおれてるわ。
六法全書の“フルスイング”が命中して‥‥」
【アワテル】
「これ以上殺人事件をおこさないでください‥‥。
とにかく、ケーサツに逃げてください!」
【ショチョウ】
「‥‥わかったわ。いま、《分田クリニック》に
キゼツした黒服を放り込んだトコロよ」
【ショチョウ】
「アタシはケガしてない。
とにかく‥‥細かい事情はそっちで聞くわね」
カタカタ→刑事課背景
【ユカイ】
「ホントなのですかな!! とにかく
ユーカイ犯をシゲキしちゃダメですぞ!」
【アワテル】
(ユーカイの専門家でも、
やはりこういう意見になるか‥‥)
【ユカイ】
「捜査の専門家です!!
ユカイがぬすむのは、ヒトのココロだけですぞ!」
【アワテル】
「とにかく‥‥救出をおねがいできますか。
一刻もはやく、ブジに助けださないと‥‥」
【ユカイ】
「‥‥わかりました。上に報告して、
捜査班を結成いたします。しばしお待ちを‥‥」
【アワテル】
(‥‥大丈夫かな‥‥ひつぐりさん‥‥。
自分がそばにいながら、こんなコトに‥‥)
【?????】
「仕方ないわ。あなた、
ヒトさらいの専門家じゃないんだから‥‥」
【アワテル】
(‥‥所長‥‥!!)
「話す>誘拐」
【アワテル】
「所長! おケガはありませんか!」
【ショチョウ】
「大ケガなんてモンじゃないわ。
六法全書がメリこんて、黒服がまっ赤に‥‥」
【アワテル】
「これ以上、殺人事件を増やさないでください‥‥。
ただでさえ、ユーカイ事件が起きたのに‥‥」
【ショチョウ】
「ひつぐりちゃんのユーカイね。
いつ、どこで、ダレにやられたのかしら?」
【アワテル】
「さっき、被害者の家で、黒服のオトコたちに‥‥。
“プロ”でしょうね、アレは‥‥」
【ショチョウ】
「ユーカイ犯の目的はわかるかしら?
カネとか、臓器とか、カラダとか‥‥」
【アワテル】
「‥‥‥‥‥‥。‥‥たぶん‥‥
“明日の法廷”じゃないでしょうか」
【ショチョウ】
「“人質が惜しければ、ベンゴから手を引け”‥‥とか?
‥‥それ、実質的に《自白》じゃない‥‥?」
【アワテル】
「そしてもうひとつ。
被害者の家にあった、カコの事件のキロクです」
【ショチョウ】
「つまりハンニンは、カコの事件も現在の事件も
どちらも調べられたくない‥‥」
【アワテル】
「“天使ちゃん”のために、と言ってました。
“プロ”の“上”に、ダレかがいるのはマチガイない」
【ショチョウ】
「きっと、雲の上にいるんでしょうね。
あわてるくん、心当たりは?」
【アワテル】
「“天使”に知り合いはいませんが、
“プロ”の心臓には、赤い矢がささってました」
【ショチョウ】
「つまり‥‥プロの愛する、“オンナ”。
あるいは‥‥“オトコ”‥‥」
【アワテル】
「容疑者を”全人類”にまで広げないでください‥‥。
まあ少なくとも、“プロ”は“天使”の意のままだった」
【ショチョウ】
「“プロ”のココロをうばい、少年のイノチをうばった。
ずいぶん気ままな“天使”だこと‥‥」
「+弁護の方針」
【ショチョウ】
「明日の裁判は、中止‥‥。
それができれば、まだいいんだけど‥‥」
【アワテル】
「弁護士がいないんですよ?
さすがに審理は延期なのでは‥‥」
【ショチョウ】
「向こうの要求が《裁判の“欠席”》なら、
代わりの弁護士も、用意してると思わない?」
【アワテル】
「‥‥“プロ”と仲のいい弁護士に、“交代”‥‥。
そして、ユーリくんを有罪にする‥‥」
【ショチョウ】
「“人質”がいるんだもの。
弟くんは、その条件をのみかねない‥‥」
【アワテル】
(どうすればいいんだ‥‥。
テキからの連絡を待つしかないのか‥‥?)
【ショチョウ】
「ユーカイするからには、“要求”があるはず。
それを聞いてから‥‥動きかたを決めましょう」
【ショチョウ】
「あの事件の“二の舞”はイヤだわ。
なにがあっても、あのコにケガはさせない」
【アワテル】
(‥‥“あの事件”‥‥?)
「あの、所長。カコにも似たような事件が‥‥?」
【ショチョウ】
「‥‥さあ、ね。
‥‥今はとにかく、明日のコトを考えなさい」
【アワテル】
(明日‥‥。ひつぐりさんがいないなら、
水冬検事と戦うのは‥‥)
@2留置所(ユーリ ミレイについて 自白の兆候)
【ユーリ】
「あれ、あわてるさん。
ねえちゃんは一緒じゃないんですか?」
【アワテル】
「‥‥ユーリくん。
落ち着いて聞いてほしい」
【ユーリ】
「‥‥?」
留置所
「誘拐」
【アワテル】
「結論からいうと、火継利さんがユーカイされた。
トツゼン、ナゾの“プロ”たちに連れ去られた」
【ユーリ】
「‥‥!? !????
???????????????」
【アワテル】
(しまった、ちょっと“情報量”を
つめすぎたか‥‥)
【ユーリ】
「ねえちゃんがユーカイされたのはともかく。
ナゾの“プロ”‥‥!?」
【アワテル】
(姉のユーカイより、“プロ”のナゾが
先にくるか‥‥)
【ユーリ】
「だってホラ、ねえちゃんは
アメ玉とかでカンタンに釣れそうだし」
【アワテル】
「まあたしかに、いつも目が泳いでるし、
いつもシゴトでアップアップしてるけど‥‥」
【ユーリ】
「‥‥“プロ”がユーカイなんて、なぜ?
うちのねえちゃん、ホネと皮しかないよ‥‥?」
【アワテル】
「いや、食用にするワケじゃないから‥‥。
とにかく、自分がついてながら申し訳ない‥‥」
【ユーリ】
「いえいえいえ、メッソウもない!
‥‥生きてさえいれば、それでいいので‥‥」
【アワテル】
「‥‥? 生きてさえいれば‥‥?」
【ユーリ】
「や、コッチのハナシです。
その、アレ。お気になさらずッ!」
【アワテル】
(ものすごく気になる反応を
されてしまった‥‥)
「+明日のベンゴ」
【アワテル】
「ひつぐりさんを全力で救出するけど‥‥。
万が一、明日の法廷に間に合わなかったら‥‥」
【ユーリ】
「そのときは、ついにこのボクがッ!!
“イギありィィ!!”と叫ぶワケですね!」
【アワテル】
「ゴメン、その前に自分がイギをとなえるかな。
‥‥キミのベンゴに、エイキョウはさせないよ」
【ユーリ】
「うう‥‥よろしくおねがいします。
なんだか、追いつめられたキブンですけど‥‥」
【アワテル】
「逆だよ。真相に近づいてなかったら、
あんな“強行手段”には出ない」
【アワテル】
「あそこまでゴウインな手を打ったということは。
‥‥真相は、もう目とハナの先まで来てるんだ」
【ユーリ】
「うう‥‥目とハナの先の真相‥‥。
クシャミしたら、吹き飛びそうですね‥‥」
【アワテル】
「少なくとも‥‥キミの《有罪判決》は
目とハナの先から吹き飛ばせるハズだよ」
【ユーリ】
「ねえちゃんの救出と、明日のベンゴ。
どっちもよろしくおねがいします!」
【アワテル】
(これ以上、依頼人を不安にはさせられない。
“天才”の主張なんて、吹き飛ばしてやるさ!)
@2刑事課(ユカイ HA2号事件 おととしの事件)
カタカタ
無音
【ユカイ】
「‥‥‥‥。
申し訳ありません、弁護士どの」
【アワテル】
「なにをやらかしたかは知りませんが‥‥。
自首しましょう‥‥ユカイ刑事」
【ユカイ】
「いやいやいや! ユカイがぬすむのは
レディの“視線”だけですからッ!!」
【アワテル】
「ユーカイされたひつぐりさんは、
ぬすみ返さないんですか?」
【ユカイ】
「‥‥なんというか、その。
上層部から、“待った”をかけられまして‥‥」
【アワテル】
「え、ユーカイ事件ですよ‥‥?
たしかにまだ、ハンニンの“要求”はありませんが‥‥」
【ユカイ】
「その“要求”がなければ動けない。
‥‥あったとしても、いまは人員を割けない‥‥と」
【アワテル】
(‥‥なぜ急に上層部から‥‥?
ちょっと不自然じゃないか‥‥?)
【ユカイ】
「HA2号事件のコトもありますから、
何人かは人員を出すハズですが‥‥」
【アワテル】
「‥‥‥‥。ちょっと待ってください。
HA2号‥‥“事件”‥‥?」
【ユカイ】
「え、弁護士どの‥‥まさか。
知らないのですか? 例の事件」
【アワテル】
「《HA2号》‥‥事件の分類ナンバーですよね。
殺人‥‥ですか‥‥?」
【ユカイ】
「‥‥‥‥。‥‥これから語るハナシは、
くれぐれも内密にねがいますぞ‥‥」
【アワテル】
(‥‥急になんなんだ?
この不穏なカンジ‥‥)
♪核心
「HA2号事件」
【ユカイ】
「‥‥“火継利 明里”‥‥。
HA2号事件で亡くなった、被害者の名前です」
【アワテル】
「ちょっと待ってください。
“ひつぐり”‥‥?」
【ユカイ】
「“妹”です。
だいたいの事情はつかめましたかな?」
【アワテル】
「えええええええッ!!
そんな、本当なんですか‥‥?」
【ユカイ】
「さすがのユカイも、こんなタチのわるい
冗談は言いません」
【アワテル】
「‥‥ひつぐりさんが、妹を‥‥。
しばらく海外にいたので、知りませんでした‥‥」
【ユカイ】
「報道規制のしかれた事件です。
調べようにも、情報はほぼないと思いますぞ」
【アワテル】
「‥‥ちょっと‥‥あまりに意外で‥‥。
彼女、そんなそぶり見せなかったので‥‥」
【ユカイ】
「‥‥ココロのキズは、目に見えない。
キズをかくすも見せるも、カノジョしだいです」
【アワテル】
(あんまり触れない方がよさそうだな。
この話題は‥‥)
フラグ済
【    】
「RRRRRRRRR‥‥‥‥」
【アワテル】
「はい、泡照です」
【???】
「‥‥。場所は、校舎ウラ門前。
ケーサツに知らせたら、“人質”はヒトでなくなる」
【アワテル】
「!!」(ユーカイ犯か‥‥!)
「‥‥わかりました。時刻は‥‥?」
【???】
「たった今から。
弁護士ふたりだけで、ウラ口に来い」
【???】
「余計なギャラリーを連れてきたら、
ナニが起きるかは‥‥言わずとも分かるハズだ」
【アワテル】
「‥‥ウラ門前って、見晴らしがよくて
ダレもかくれられないんですよ‥‥」
【ユカイ】
「ユカイが近くにひそむと
ハンニンにバレてしまいますな‥‥」
【アワテル】
(‥‥ハンニンをその場でつかまえるのは
ムリ‥‥だろうな‥‥)
【ショチョウ】
「‥‥大丈夫よ、あわてるくん。
あたしに考えがあるわ」
【アワテル】
「‥‥所長‥‥。なにかとっておきの“作戦”でも?」
【ショチョウ】
「‥‥あわてるくん。ナニが起きても、
あたしのコトは気にしちゃダメよ」
【アワテル】
(そう言われると、
余計に気になるな‥‥)
@3ウラ門(ミレイ&ズブヌレ DL お前が犯人 ヤクザ メール)→ユカイ呼んで助かる
【アワテル】
(すごい黒服の数だな‥‥。
ケーサツはもう、捜査を引き上げたのか‥‥?)
【???】
「よォ、今度は逃がさないぜ。
天使ちゃんを泣かせるヤツは、地獄行きさ!」
【アワテル】
「この前会った時も、会話のなかで“天使ちゃん”が
飛び回ってましたね。どんな人なんですか?」
【???】
「そりゃあもう。天使のように美しく、
賢く、はかなく、やさしいレディなのさ!」
【アワテル】
「‥‥質問を変えましょうか。
ダレなんですか? “天使ちゃん”って」
【???】
「‥‥‥‥そうだな、そろそろ紹介しよう。
“天使ちゃん”っていうのはなァ‥‥」
【???】
「もちろん、アタシよ」
笑邪顔でフェードインさせる
♪ミレイのテーマ
【アワテル】
(‥‥ついに、出てきたか‥‥)
【チマミレ】
「‥‥お話しましょ、弁護士さん。
ミレイは‥‥“いい結果”をキタイしてますわ」
「要求」
【アワテル】
「ようやく本音を聞けそうですね、レディ。
“お友だち”がいっぱいで、うらやましい限りです」
【チマミレ】
「あなたも“お友だち”になるのよ。
あしたの裁判なんか欠席して、遊びましょ」
【アワテル】
「あなたにとっては、遊びにすぎないでしょうね。
誘拐も、殺人も、脅迫も‥‥」
【チマミレ】
「アタシ、楽しいコトしかしないの。
愛しの彼女に楽しくないコトはしたくないわ」
【アワテル】
(いま手元にあるカードは、このバッジだけ。
“明日の裁判に出るかどうか”‥‥?)
【アワテル】
(ハッタリでいいから、“武器”を増やすんだ。
ひつぐりさんを救いだすために‥‥)
「尋問スタート」
「移動する」→全部❌
「調べる」→黒服にはばまれてなんも見えない→オイシゲルは話せる
「つきつける」
「話す」
つきつける「日記/事件キロク」→話す2→話す1→調べる「オイシゲル」
「要求」
【チマミレ】
「あしたの裁判なんか欠席して、遊びましょ。
カノジョに楽しくないコトはしたくないわ」
「(つ)弁護士バッジ/所長」
「要求に応じる/応じない」(どっち選んでもok)
【チマミレ】
「要求はリカイできるわよね?
そのムネに咲いたひまわりが、ジャマなのよ」
【アワテル】
「バッジを捨てるのはかまいませんが。
他にいくらでも、弁護士はいますよ」
【チマミレ】
「そうね、弁護士なんてそこらじゅうに
雑草みたいに生えてるものね」
【アワテル】
「その全員のバッジを集めるんですか。
満開の花畑ができそうですね」
【チマミレ】
「ハッ! 花畑なのはアンタの脳ミソよ。
‥‥アンタたちは、どのみち手を出せない」
【チマミレ】
「あしたの法廷にひまわりは咲かないわ。
‥‥“プロ”のトモダチに、ウデのいい弁護士がいるの」
【アワテル】
「なるほど、そのウデで
被告人のクビをシメあげるわけですか」
【チマミレ】
「彼女のクビにまっ赤なお花が咲くよりは
ボウヤの無罪が枯れるほうが‥‥マシでしょ?」
【アワテル】
「まっ赤な花は、一度しか咲きませんよ。
‥‥あなた方の武器は、“人質”のみです」
【アワテル】
「カノジョの命をにぎりツブしたら、
ゆいいつの“交渉材料”を失うコトになる」
【チマミレ】
「ああ、そうか‥‥それじゃツマラナイわね。
じゃあ、要求に反するたびに一本ずつ」
【アワテル】
「彼女にいっさい手を触れるな。
‥‥それが、こちらの“要求”だ」
【チマミレ】
「へえ、その要求をやぶるとどうなるの?
ママにお尻でも叩かれるの?」
「条件分岐:日記を人質にとってないとき」
❌【アワテル】
(ぐ‥‥“罰則”がなければ
“要求”はキノウしない‥‥)
【アワテル】
(‥‥まだ、“罰則”として使える武器はない。
“法廷に出るか否か”‥‥それ以外の武器は‥‥)
「条件分岐:日記を人質にとってるとき」
【アワテル】
「すくなくとも、となりの“プロ”には
叩かれるかもしれませんね」
【チマミレ】
「‥‥!! ‥‥ムダよ。日記の内容なんて、
クチではどうとでも言えるわ」
【アワテル】
「そのわりには、ずいぶん
日記の公開をイヤがりますね」
【チマミレ】
「‥‥。‥‥いいわ、好きに公開なさい。
あんな日記、なんの“弱み”にもならない」
【アワテル】
「‥‥‥‥。‥‥千間 美鈴の日記には、
ウラ切りの言葉が、記されていました」
【チマミレ】
「‥‥ウラ切り‥‥?」
【アワテル】
「コイビトがうざったいとか、
消したいとか、用済みだとか‥‥」
【???】
「ハッ!! オマエの今のコトバは、
アキラカにムジュンしてるぜェ!!」
【アワテル】
(うわ、ビックリした‥‥)
「あの‥‥どこがムジュンしてるんですか?」
【???】
「だって‥‥オレと天使ちゃんは
今世紀サイコーにアツアツなカップルだからな」
【アワテル】
(‥‥トシの差を考えると、今世紀サイコーに
背筋の冷えるカップルだな‥‥)
【???】
「おォ? どうしたよ。日記の内容なんざ、
いくらでもウソをつけるぜ?」
【アワテル】
(くそ‥‥ヘンなのに割り込まれたな。
レディが後ろに下がっちゃったぞ‥‥)
「話す」“日記の内容”
【???】
「おォ? どうしたよ。日記の内容なんざ、
いくらでもウソをつけるぜ?」
「(つ)失敗」
【???】
「オォォォォン!?
やる気かァァァン!!?」
【アワテル】
「いえいえいえ!
この証拠品を見ていただけたらと‥‥」
【???】
「オォォォォン!?
やる気かァァァン!!?」
【アワテル】
(ダメだ、うまくヒトコトで
立証しないと‥‥この猛獣はダマらないぞ‥‥)
「(つ)オイシゲル」
【アワテル】
「‥‥。シゲルさん。
コイビトは、手術をイヤがってるようですよ」
【オイシゲル】
「なななぜッ!!
この尾井 茂(おい しげる)の名を知っているゥ!!」
【アワテル】
「日記を見たからですよ。ほかに、
あなたの名前を知る方法はありません」
【オイシゲル】
「オオオオオ!! たしかに!
いやでも、天使ちゃんがそんな‥‥」
【アワテル】
「事件キロクをぬすむためにあなたに近づき、
用が済んだら消そうとしていた‥‥」
【オイシゲル】
「バカな!! バカな!
天使ちゃんはそんなコト、書かねえ!」
【アワテル】
「では、千間 美鈴の日記を見る以外に、
どうやってあなたの名前を知るキカイが‥‥?」
【オイシゲル】
「オレの名前なんて、どこかで
“ぬすみ聞き”でもすれば知れるハズさァ!」
【アワテル】
「では、千間 美鈴の日記を見る以外に、
どうやって“手術”のコトを知るキカイが‥‥?」
【オイシゲル】
「オオオオオオッ!! 手術!
たしかに天使ちゃんは、手術が必要な“難病”だ!」
【アワテル】
(“マドンナ”で、“悪女”で、“難病”か‥‥。
ヤッパリ、おとぎ話のセカイだな‥‥)
【チマミレ】
「‥‥言ったハズよね、シゲルちゃん。
手術はイラナイ、って」
【オイシゲル】
「いやいやいやいや! でもでもでもでも!
天使ちゃんを、天国に行かせるワケには!」
【チマミレ】
「クスリがあれば、手術はいらないハズよ。
‥‥ミレイは天使だから、手術なんて耐えられないの」
【アワテル】
「あなたが天使なら、あの悪魔のような
日記については、どうセツメイを?」
【チマミレ】
「たしかに、“手術”のことは書いたけど‥‥。
シゲルちゃんの悪口なんて、書いてないわ」
【アワテル】
「!!」
【オイシゲル】
「そうとも! きっと日記の文面は、
“シゲル、愛おしいわ”だったに決まってるゥ!」
【チマミレ】
「あと、“手術を勧めるなんて、
なんてヤサシイの‥‥?”とも書いたわ」
【オイシゲル】
「オオオオ! 天使ちゃん、
ヤッパリ、手術を‥‥」
【チマミレ】
「つまり“手術”や“シゲル”のことを書いてても。
“悪口”を書いてあったかは、わからない‥‥」
【アワテル】
「‥‥ひつぐりさんが、日記の原本を持っている。
“本拠地”にもどれば、“答え合わせ”はできますよ」
【オイシゲル】
「見るワケ‥‥ねえだろうが」
【アワテル】
「え」
【オイシゲル】
「オトメの日記をぬすみ見るなんてはしたない!
そんなコトしたら、おムコに行けねェさ!」
【アワテル】
(ぐ‥‥!! 予想以上に
“天使ちゃん”への信仰がアツアツだ‥‥)
【オイシゲル】
「天使ちゃんがヒトをキズつけるなんて、
あり得ねェ。‥‥わかったか?」
【アワテル】
「‥‥それはつまり、今回の殺人事件についても
“天使ちゃん”はムジツ‥‥そういうコトですか?」
【オイシゲル】
「アタリマエだろ!! 天使ちゃんが
サツジンをしたら、ダ天使ちゃんになっちまう!!」
【オイシゲル】
「ムジツの天使ちゃんに
ツミをかぶせようってヤツァ、容赦しねえ!」
【アワテル】
(もしかしてこのヒト、千間 美鈴のムジツを‥‥
ホンキで信じてるのか‥‥?)
【オイシゲル】
「天使ちゃんのドレスをぬれぎぬにするヤツァ
オレがしぼって、干からびさせてやるゥ!」
【アワテル】
(“天使ちゃんはダレもキズつけない”‥‥。
カノジョ自身のコトバと、くらべてみるか‥‥)
【オイシゲル】
「天使ちゃんがヒトをキズつけるなんて、
あり得ねェ。‥‥わかったか?」
「(つ)火継利/泡照」
「(話す)要求」
【アワテル】
「あなたの言う“天使ちゃん”は‥‥要求をやぶれば、
“人質”を殺すつもりのようですよ」
【オイシゲル】
「や、そんなバカな!!
ヒトを殺すのは、“法律違反”なんだぞ!」
【アワテル】
(ヒトをユーカイするのも
“法律違反”じゃないのか‥‥?)
【アワテル】
「‥‥人質を殺すつもりがあるというコトは。
かくしたいツミは、“殺人以上”に重いハズです」
【オイシゲル】
「‥‥さつじん、以上‥‥?」
【アワテル】
「殺人以下のツミのために、殺人をするのは
ムジュンしていますからね」
【チマミレ】
「言っとくケド、“殺す”つもりはないわよ。
直接手を下さずに、“病死”させるコトもできる」
【アワテル】
「さすがにハッタリが過ぎますね。
‥‥とにかく、考え直すことをオススメしますよ」
【アワテル】
「カノジョは、ほんとうに“天使”なのか‥‥?
なぜ無実なのに、こんな強行手段に出たのか‥‥?」
【オイシゲル】
「ウオオオオオオオンッ!!!
天使ちゃんは、ゼッタイに天使ちゃんだ!」
【アワテル】
「なら、明日の法廷でアキラカになるハズです。
おとなしく‥‥見ていてもらいましょうか」
【オイシゲル】
「オウよ、明日の法廷で勝負だッ!!
総出で天使ちゃんの“応援団”さッ!」
【チマミレ】
「いやいやいや! なぜそうなるッ!
‥‥ったく、口先だけで丸め込まれて‥‥」
【アワテル】
「いずれにせよ、明日の法廷‥‥。
もう、逃げることは不可能ですよ」
【チマミレ】
「チッ‥‥。‥‥まあ、いいわ。
アタシ、ゼッタイにつかまらないから」
【アワテル】
(‥‥自信マンマンだな。
人質までとって、オドしたくせに‥‥)
ラスト
【アワテル】
「では事件キロクと、明日の法廷。\
どちらの要求も取り下げる‥‥それでいいですか?」
【チマミレ】
「‥‥いいわよ。でも‥‥
人質は解放しないわ」
【アワテル】
「な、なに‥‥!!」
【オイシゲル】
「オマエらが不法な手段を使かったら、
人質は返ってこない! そう思えよ!」
【アワテル】
(ユーカイは“不法な手段”じゃないのか‥‥?)
【チマミレ】
「ま、本当にアブなくなったら、
シゲル以外の“プロ”に“報復”をたのむだけよ」
【チマミレ】
「それに人質はまだ、別の利用法がある。
‥‥せいぜい、楽しみにしておくコトね」
【アワテル】
「‥‥別の利用法‥‥? なにをする気だ!」
【チマミレ】
「明日の裁判は、ゼッタイに中止しないこと。
ケーサツには、ゼッタイに知らせないこと」
【アワテル】
「‥‥ものごとに“ゼッタイ”なんて、ありませんよ」
【チマミレ】
「だとしたら、ゼッタイ保証される命もないわね?
‥‥この2つに、要求を変えてあげるわ」
【アワテル】
(それじゃダメだ!! ひつぐりさんを
助け出せなきゃ、なんのイミもない!)
↓へ
→(つ)事件キロクor日記
【アワテル】
「‥‥事件キロクと、日記。
このふたつは欲しくないのかい?」
【チマミレ】
「もう手に入れたわ、“人質”ごと。
女の子の日記を見るなんて、イケナイ子ね」
【アワテル】
「“原本”はないけど、データはまだ手元にある。
日記も事件キロクも、写真をデータで残してるからね」
【チマミレ】
「‥‥へえ。女の子の日記を写真でとるなんて、
ますますイケナイ子ね」
【アワテル】
「そして、そのデータは世界中にバラまける。
ボタン1つで、いつでも“イケナイ子”になれる」
【チマミレ】
「‥‥つまり、日記と事件キロクが
そちらの“人質”‥‥。そういうコトね?」
【アワテル】
「‥‥2つのデータを消す代わりに、
ひつぐりさんの身柄を引き渡して下さい」
【チマミレ】
「成立するワケないでしょ、そんな条件」
【アワテル】
「!!」
【チマミレ】
「データなんて、どうせ持ってないんでしょ?
人質がほしければ、先にデータを見せなさい」
【アワテル】
「いいんですか? この日記の内容を、
この場で公開してしまっても?」
【チマミレ】
「日記じゃなくて、事件キロクを見せなさい。
データの所持を証明すれば、取引には応じるわ」
「証明できる」
【アワテル】
「いいでしょう。事件キロクのデータは
手元にある。その証拠は‥‥!」
【アワテル】
「いいでしょう。事件キロクのデータは
手元にある。その証拠は‥‥!」
くらえ!
【チマミレ】
「‥‥なにかしら、それ。
アタシにくれるの?」
【アワテル】
「いやいやいや! ダイジな証拠品です!
あげるわけないでしょう!!」
【チマミレ】
「じゃ、代わりに音をあげておきなさい。
手をあげてもいいわよ」
【アワテル】
「フッ‥‥レディに手をあげるのは、
自分のシュギに反します」
【チマミレ】
「ハッ‥‥まさに“お手上げ”ね‥‥」
【アワテル】
(ぐ‥‥! 手を上げる前に、
“口喧嘩”のウデを上げなくては‥‥)
「証明できない」
【アワテル】
「証明なんてできませんよ。
データは自分の‥‥アタマの中にありますから」
【チマミレ】
「頭の中を“手元にある”とは言わないわ。ま、
‥アンタの頭は‥‥アタシのてのひらの上だけど」
【アワテル】
「その大きなてのひらの上では‥‥きっと
後ろの“プロ”たちも、おどっているのでしょうね」
【チマミレ】
「‥‥なんのことかしら?
アタシ、サラより重いものは手に持てないわ」
【アワテル】
(声がフルえてるな‥‥。このサラより軽い
日記のキオクは、レディへの“鈍器”になりうる‥‥!)
❌【チマミレ】
「!! ‥‥データも手元にないくせに、
内容なんか言えるハズないわ!」
❌【アワテル】
(はじめて、声を荒らげたな‥‥。
この日記の内容は、レディへの“武器”になる!)
↓クリア後
【チマミレ】
「‥‥じゃ、予定変更ね。明日の法廷は
出ていいけど、人質は返さないわ」
【アワテル】
「ま、待て!!
まだ話し合いは‥‥」
【チマミレ】
「交渉決裂ってコトよ。
帰りましょ、シゲルちゃん」
【アワテル】
「‥‥‥‥」
【チマミレ】
「‥‥最後にいい残すコトはある?
捨てゼリフくらいなら、聞いてあげるわよ」
【ショチョウ】
「‥‥‥‥。
‥‥やはり、これしかないようね‥‥」
【アワテル】
「‥‥所長‥‥?」
【ショチョウ】
(あわてるくん。今からナニが起きても、
ダマって見てること。いいわね?)
【アワテル】
(‥‥? それってどういう‥‥)
【ショチョウ】
「おじょうさん。あたしとも
“トリヒキ”をしてみない?」
【チマミレ】
「‥‥“トリヒキ”って、こっちに渡せるモノは
あのカワイイ人質しかいないけど?」
【ショチョウ】
「そのカワイイ人質がほしいのよ。代わりに‥‥
もっとカワイイあたしが、人質になってあげる」
♪ミレイのテーマ
【アワテル】
(な、なんだって!!)
【チマミレ】
「人質の“交換”‥‥ね。いいわよ、
こっちに来なさい」
【アワテル】
(所長‥‥!)
【チマミレ】
「じゃ、カンキン場所まで“目かくし”ね。
向こうについたら、人質を解放するわ」
【アワテル】
「待て!! そんな約束、
守られるワケが‥‥」
【チマミレ】
「それじゃ、“話し合い”はオシマイね。
明日の法廷‥‥楽しみにしてなさい」
【アワテル】
(‥‥ひつぐりさんに続いて、所長まで‥‥。
もう、後がない‥‥!)
【ユカイ】
「‥‥ホンモノのユーカイ犯を前に、
ダマって見てるだけとは‥‥しのびないですな」
【アワテル】
「‥‥二度も目の前で女性がさらわれると、
あまりに情けないキブンですね」
【ユカイ】
「ここで話すのはマズイですな。
‥‥場所を変えましょう」
カタカタ
【ユカイ】
「‥‥所長どのは、なんの狙いがあって
あんな不利なトリヒキを‥‥?」
【アワテル】
「‥‥“現在地 タソガレ町”‥‥」
【ユカイ】
「!! ‥‥まさか、デンワで現在地を‥‥?」
【アワテル】
「カンキン場所はすなわち、テキの“本拠地”。
場所さえわかれば‥‥踏み込むことができる」
【ユカイ】
「なぜ、そんなキケンなコトを!!
それこそ、ワレワレ警察のシゴトではないか!」
【アワテル】
「‥‥調査したかったのかもしれません。
‥‥取り上げられた事件キロクを‥‥」
【ユカイ】
「‥‥あるいは、“例の事件”のことが
トラウマになっているのでしょうか‥‥」
【アワテル】
(‥‥“HA2号事件”か‥‥?)
「‥‥ユカイ刑事、動かせる人員はどのくらいで‥‥?」
【ユカイ】
「多くて数人、ですな。
それ以上は、上に見つかってしまうので‥‥」
【アワテル】
「‥‥ケーサツの動きを感知されたら、
“人質”はブジじゃ済みませんからね‥‥」
【ユカイ】
「ときに明日の法廷は、続けるのですかな‥‥?
弁護士を交代するしかないようですが‥‥」
【アワテル】
「‥‥あした、千間 美鈴を証言台に立たせます。
“プロ”が総出で応援にくれば、“本拠地”はルスです」
【ユカイ】
「そのスキに、デンワの示す場所へ‥‥。
それなら、少ない人数でもイケそうですな」
【アワテル】
「‥‥おねがいできますか、ユカイ刑事。
どうか、ふたりをブジに救出してください」
【ユカイ】
「‥‥。‥‥法と証拠はまだ、
カノジョを指し示してないかもしれない」
【ユカイ】
「だが‥‥ユカイ個人としては。
ハンニンはあの少女だと、確信しております」
【アワテル】
「わかってますよ、ユカイ刑事。
犯行の立証は、あくまでジブンのシゴトです」
【ユカイ】
「‥‥それならいいのです。
弁護士どの、所長どのの現在地は‥‥?」
【アワテル】
「ええと‥‥“分田クリニック”‥‥?」
【ユカイ】
「‥‥? ユーカイ中になぜ、
病院なんかに立ち寄る必要が‥‥?」
【アワテル】
「‥‥あれ。“現在地 不明”‥‥?」
【ユカイ】
「ええええッ!! 急にどうしたのですか!」
【アワテル】
「わかりません‥‥ただ。
現在地がわからないと、救出は‥‥」
【ユカイ】
「お、おちついて考えましょう。
病院に立ち寄ったあと、通信がとだえた‥‥」
【ユカイ】
「つまり、救出ができないのです!!」
【アワテル】
「いやいやいや!!
結論がマッタク変わってないですよ!」
【ユカイ】
「うう、用心のために
ハンニンたちが、デンワを没収したのでしょうか‥‥」
【アワテル】
(どうすればいい‥‥!
所長たちの居場所を知るためには‥‥!)

【センセイ】
「‥‥おや、弁護士さん。
火継利弁護士さんは、どちらへ?」
【アワテル】
「わかりません。
“分田クリニック”で、消息がとぎれました」
【センセイ】
「‥‥消息‥‥?
‥‥‥‥もしや、ユーカイでも‥‥?」
【アワテル】
「ええ。カノジョの居場所が、
途中から追えなくなってしまったのです‥‥」
【センセイ】
「ユーカイ‥‥。一介の新人教師にすぎない私には、
もう手に負えないハナシですね‥‥」
【アワテル】
(“一介の新人教師”か‥‥。
‥‥そいつはどうかな‥‥?)
「誘拐」
【アワテル】
「被害者の家で事件キロクを見つけたら、
“プロ”が現れて‥‥ユーカイを‥‥」
【センセイ】
「ハンニンはもしや‥‥。
カノジョの一味なのですか‥‥?」
【アワテル】
「さっき、このウラ門前で本性をあらわしました。
もうマチガイありません」
【センセイ】
「‥‥そうでしたか‥‥。
まさか、それほどの強行手段に出るとは‥‥」
【アワテル】
「事件キロクは、それほどダイジだった。
‥‥ふつうのヒトには、知るチャンスはない」
【アワテル】
「そしてモチロン。
“一介の新人教師”にも、知るキカイはありません」
【センセイ】
「‥‥‥‥‥‥」
【アワテル】
「‥‥聞かせていただけますか。
あなたの情報が、必要かもしれないのです」
【センセイ】
「‥‥。教師になって2年近く経ちますが。
“質問”に答えられないのは、これが初めてです」
【アワテル】
「‥‥“質問”ではありませんよ。
今からはじまるのは‥‥“尋問”です」
【センセイ】
「‥‥教師になって2年近く経ちますが。
“尋問”を受けるのも、これが初めてです」
調べる:汎用
移動する:普通に解除
つきつける:普通に
話す:「“一介の教師”」
【センセイ】
「ユーカイ‥‥。一介の新人教師にすぎない私には、
もう手に負えないハナシですね‥‥」
「(つ)失敗」
【アワテル】
「センセイ、この証拠品を見てください!」
【センセイ】
「‥‥。教師になって2年近く経ちますが。
“質問”のイミが分からないのはこれが初めてです」
【アワテル】
「ぐっ‥‥!」(遠回しに
”モンダイ児”あつかいされてしまった‥‥)
【センセイ】
「モンダイがむずかしすぎるのでしょう。
おうちでアタマを休めることをオススメします」
【アワテル】
「ぐぐっ‥‥!」(遠回しに
“帰れ”と言われてしまった‥‥)
「(つ)事件キロク」
【アワテル】
「‥‥“この事件の一切の情報流出を禁ず。”
一介の教師に、情報がもれるハズがないのです」
【センセイ】
「いえ、事件の当事者から聞いたのですよ。
ナツキちゃんから、“人生相談”を受けましてね」
【アワテル】
「”“図部塗 長月”は
事件について記憶がないと主張している”」
【センセイ】
「‥‥!! ‥‥どうやら、
かくしとおせないようですね‥‥」
【アワテル】
「“情報流出”が禁じられたのなら、
その情報を知れるのは、“内部”の人間だけです」
【アワテル】
「“一介の新人教師”とおっしゃってましたね。
“新人教師”になる前は、どんなおシゴトを‥‥?」
【センセイ】
「‥‥病院につとめておりました。
そしてその事件のあと、転職を‥‥」
パリーン
【センセイ】
「あの事件は、ユ血をした医師と
当時の病院の幹部しか‥‥知らないのです」
【アワテル】
「なぜ、ケーサツにすら知られてないのですか?
もしかして、“上層部”につながりがあるとか‥‥」
【センセイ】
「‥‥少なくとも、あの病院じたいには
ケーサツとのコネクションはありませんよ」
【アワテル】
「では、病院とつながった“ダレか”が
ケーサツとコネを持っていたら‥‥どうです?」
【センセイ】
「‥‥病院とも、ケーサツともつながった“ダレか”‥‥。
なかなかの“大物”ですね、それは」
【アワテル】
「あるいは、“組織”かもしれません。
奇しくも今、ケーサツの“上”が動かないんです」
【センセイ】
「‥‥ケーサツの“上”が‥‥?
もしかして、ユーカイ事件の捜査にですか?」
【アワテル】
「‥‥ケーサツの“上”が過去の事件を消し、
今起きたユーカイ事件にも動こうとしない‥‥」
【センセイ】
「‥‥どうやら、弁護士さんにはもう
コタエが見えているようですね‥‥」
【センセイ】
「病院とも、ケーサツともつながった“組織”‥‥。
具体的には、どんな人たちのコトですか?」
【センセイ】
「病院とも、ケーサツともつながった“組織”‥‥。
具体的には、どんな人たちのコトですか?」
「(つ)ミレイ/オイシゲル」
【アワテル】
「ようするに、こういうコトです。
‥‥“プロ”は、コネクションにかけても“プロ”だった」
【センセイ】
「‥‥病院と“プロ”のつながりはその通りです。
しかしなぜ、今になってその話を‥‥?」
【アワテル】
「‥‥“現在地 不明”‥‥」
【センセイ】
「‥‥!!」
【アワテル】
「わざわざ事件を隠ぺいするほど、
“プロ”にとって‥‥その病院はダイジだった」
【センセイ】
「‥‥たしか、“分田クリニック”で、
通信が途絶えたのですよね‥‥?」
【アワテル】
「‥‥ユーカイ犯が病院に立ち寄ることはない。
病院は‥‥“目的地”だったんじゃないでしょうか?」
【センセイ】
「‥‥クリニックの奥に、隠しトビラがある。
地下通路をくぐれば、ヤツらの“集会場所”です」
【アワテル】
「じゃあ、ひつぐりさんたちは
その“集会場所”に‥‥?」
【センセイ】
「地下と“集会場所”は、デンパが届かない。
その可能性が高いと見ていいでしょう」
パリーン
「病院」
【アワテル】
「結局、ほとんど自分から
しゃべってましたね‥‥。病院のハナシ‥‥」
【センセイ】
「ちょっと、“ユーカイ場所”に
ココロ当たりがあったので、つい‥‥」
【アワテル】
(じゃあ最初から
教えてくれればいいのに‥‥)
【センセイ】
「‥‥あの事件は、病院のミスが引き起こした。
脱走した患者が、ヒトを殺したワケですから‥‥」
【アワテル】
「だから隠ぺいした‥‥と。
でも、なぜ病院と“プロ”につながりが‥‥?」
【センセイ】
「ある病気の研究で、手を組んでいたのです。
“難病”で、クスリの開発を進めていた‥‥」
【アワテル】
(だからカネが必要だった、というコトか‥‥)
「‥‥アレ、ちょっと待ってください。“難病”‥‥?」
【センセイ】
「‥‥もしかして、ケイくんの日記に
書いてあったのを‥‥読みましたか?」
【アワテル】
「くわしくは分かりませんが、
なにやら手術が必要とか、クスリがどうとか‥‥」
【センセイ】
「‥‥おっしゃる通り、カノジョは“難病”です。
今は“クスリ”で発症をおさえてますが‥‥」
【アワテル】
「ツレの人には、手術をすすめられてました。
イノチに関わる可能性もあるとか‥‥」
【センセイ】
「‥‥ミレイちゃんの“カレ”ですね。
事件キロクをぬすむために、取り入った‥‥」
【アワテル】
「事件キロクを‥‥? その事件に、
そこまでして消したい“ヒミツ”があるんですか?」
【センセイ】
「そう、カノジョは“被害者”だったのに
事件のキロクを消そうとしていた‥‥」
【アワテル】
「なにか、明かされたくない“ナゾ”がある。
それも‥‥“殺人”をおかすほどの‥‥」
【センセイ】
「‥‥殺人‥‥?」
【アワテル】
「この事件キロクは、被害者の家にありました。
被害者は、千間 美鈴をストーカーしていた」
【アワテル】
「“プロ”に取り入るほど欲しかった事件キロク。
ぬすまれたとなれば‥‥取り返すでしょうね」
【センセイ】
「それこそ、殺してでも‥‥。
つまり、このキロクが殺人の動機だと?」
【アワテル】
「ゲンミツには、そのキロクの“中身”です。
どこかに、千間 美鈴にとって致命的な情報がある」
【センセイ】
「‥‥つまり、カノジョには2つ。
“イノチ取り”となる要素があるワケですか」
【アワテル】
「ふたつ‥‥? 事件キロクと、
もうひとつは‥‥なんですか?」
【センセイ】
「“持病”ですよ。それも“難病”で、
クスリは‥‥“プロ”経由でしか手に入らない」
【アワテル】
「あ、“プロ”は病院と
“つながり”を持っていたから‥‥」
【センセイ】
「あの病院は、“難病”の研究のために
“プロ”から資金提供をうけていた」
【センセイ】
「過去の事件キロクと、難病のクスリ。
その2つがカノジョの“目的”で、“生命線”だった」
【アワテル】
「‥‥じゃあ、“プロ”をウラ切ったら
カノジョはクスリをもらえなくなる‥‥?」
【センセイ】
「‥‥ええ。そうなった時のために
“保険”のクスリを常備してるでしょうけどね‥‥」
【アワテル】
「でも、手元に“予備”のクスリを持ってても‥‥。
それって、“発症をおさえる”薬なんですよね?」
【センセイ】
「まあ、飲み続ければ治りますから。
大量のクスリがあれば、“カレ”は用済みです」
【アワテル】
(ヤッパリ、かわいそうな
シゲルさん‥‥)
「千間 美鈴」
【センセイ】
「‥‥カノジョの母親は、私の部下でもありました。
例の病院の“スタッフ”でしたから‥‥」
【アワテル】
「過去の事件で亡くなったんですよね。
‥‥どんなヒトでしたか?」
【センセイ】
「ミレイちゃんに嫌われてましたね。
院長にアタマがあがらず、ウダツもあがらず‥‥」
【センセイ】
「母娘の関係はサイアクだったようです。
ナツキちゃんと同じですね」
【アワテル】
「ちょっと待ってください。
あのズブヌレのレディと同じ‥‥?」
【センセイ】
「カノジョの母親は、“院長”でした。
目的のために手段をえらばない、優秀なヒト‥‥」
【アワテル】
(‥‥母親たちの関係は、
娘たちとはまるっきり‥‥“逆”ってワケか‥‥)
【センセイ】
「彼女の夫は“資産家”でした。
向上心がつよく、こどもの教育にも熱心だった」
【アワテル】
「あれ、たしかふたりのレディは、
どちらも父親がいなかったのですよね?」
【センセイ】
「そう。その資産家の夫は、心臓マヒで死んだ。
それから、母親は精神を病んでしまった」
【アワテル】
「精神を‥‥?」
【センセイ】
「《夫は“毒殺”されたのだ!》と‥‥。
ケーサツには相手にされませんでしたが」
【アワテル】
(ようするに、
“被害妄想”ってヤツか‥‥)
【センセイ】
「“妄想”とは限りませんよ。
母親もそのとき、同時に死にかけていますから」
【アワテル】
「同時に‥‥?
じゃあダレかが、意図的に心臓マヒを‥‥?」
【センセイ】
「だから《毒殺》を主張したのです。
でもケーサツは取り合わず、彼女はさらに病んだ」
【センセイ】
「教育熱心が転じて、ついに、
ムスメを《虐待》し始めてしまったのです」
【アワテル】
「‥‥そしてその後、母親は別の事件で、
今度こそ本当の《死》をむかえてしまった‥‥と」
【センセイ】
「‥‥ミレイちゃんと、ナツキちゃんは
いつもいっしょにいた」
【センセイ】
「小学校もかよってなかったモノですから。
さすがに、心配になりまして‥‥」
【アワテル】
「!! まさか、それが理由で“転職”を‥‥?」
【センセイ】
「‥‥どちらにせよ、事件の隠ぺいを
知ってる時点で‥‥クビは決まってましたからね」
【アワテル】
(‥‥だから、あんなに
ふたりの“事情”にくわしかったのか‥‥)
「事件記録」
【センセイ】
「“恋愛相談”で日記を見せられた時は、
さすがに背筋がこおりましたね」
【センセイ】
「‥‥学校を休みがちで、転校生で地元も知らない
カレにとっては‥‥カノジョがすべてだった」
【アワテル】
「でも事件キロクは、カノジョにとって
どうしても見られたくない‥‥“イノチ”だった」
【センセイ】
「だから文字どおり、イノチのやり取りに。
‥‥私がもう少しはやく、気づけていれば‥‥」
【アワテル】
「ご両親はいないんですよね?
事件の前日に、帰宅したかどうかは‥‥?」
【センセイ】
「わかりません。近所に知り合いもおらず、
食生活も1日1食だったりしたようで‥‥」
【アワテル】
「それだと、解剖や聞き込みでも‥‥
“屋上で日をまたいだ可能性”は否定できませんね」
【センセイ】
「‥‥3日徹夜して2日寝たり、
食事を忘れることもしょっちゅうで‥‥」
【アワテル】
(やはり“キゼツ”してから半日眠っても、
おかしくない‥‥か)
「過去の事件」(最初から出てる?)
【センセイ】
「事件の直後、ケーサツがテッテイ的に捜査を。
身体検査まで行われてしまいました」
【アワテル】
「そのあと、病院が“コネ”を使って
ケーサツの上層部に“隠ぺい”を‥‥?」
【センセイ】
「院長が死んでコンランした現場。
“隠ぺい”を仕込むまで、少々時間がかかりました」
【センセイ】
「何もかも隠せたワケではない。
事件キロクに、致命的な“何か”は存在し得る‥‥」
【アワテル】
「でも、事件キロクは取られてしまいました。
取り返せても、あの情報だけでは‥‥」
【センセイ】
「‥‥証拠が取られたとしても。
《証言》は、可能なんじゃないですか?」
【アワテル】
「!! もしかして、センセイが‥‥?」
【センセイ】
「キロクだけでは足りませんからね。
当時を知るニンゲンのチカラが、必要かと」
フラグ全てon
【アワテル】
「あの、センセイ。
もうひとつお願いが‥‥」
【センセイ】
「私も“救出”に協力させていただけますか。
カンキン場所の構造は、フクザツですから」
【アワテル】
「え! いえいえいえ!
そこまでキケンなことをお願いするつもりは‥‥」
【センセイ】
「教師として、セキニンを感じておりますから。
それに‥‥ケーサツはあまり動けないのでしょう?」
【アワテル】
(‥‥いいのか? セキニンって言ったって‥‥)
「もしかして、被害者のことですか?」
【センセイ】
「だれかがハッキリ、言わねばならなかった。
ストーカーは犯罪なのだと」
【センセイ】
「そして‥‥
殺人とユーカイも、犯罪なのだと」
【アワテル】
「言えばやめたとは、とうてい思えませんが‥‥。
セキニンといっても、限度があるのでは?」
【センセイ】
「‥‥頭脳にめぐまれ、才能にめぐまれ、
しかし‥‥出会いにはめぐまれなかった」
【センセイ】
「カノジョの意思がどうあれ、まわりのオトナが
ひとこと言うセキニンは‥‥あったハズです」
【アワテル】
(‥‥親がいなかったから、センセイが‥‥か。
でも、どんな境遇であっても‥‥)
【アワテル】
「バツはかならず受けてもらいますよ。
ユーリくんのムジツを証明するために‥‥」
【センセイ】
「それでかまいません。教師として、
カノジョの行為に“マル”は与えられませんから」
【アワテル】
(明日の法廷、“優等生”なレディに
大きな“バツ”をつきつけてやるんだ!)
【    】
《RRRRRRRRR‥‥》
【アワテル】
「はい、アワテルです‥‥」
【ユカイ】
「弁護士どの! 被告人がついに、
ツミをみとめたと聞きましたぞ!」
【アワテル】
「‥‥え‥‥?
ちょっと待ってください、ユーリくんが‥‥?」
【ユカイ】
「弁護士どのが知らないというコトは‥‥。
カレ自身が、独断で決めたのですか!」
【アワテル】
「そんなハズがない!!
だって、留置所で会った時はそんなそぶり‥‥‥‥」
チマミレ透明度50くらいで
【アワテル】
「‥‥」
(そういう‥‥コトなのか‥‥?)
【ユカイ】
「‥‥弁護士どの‥‥?
いったいどうしましたか‥‥?」
【センセイ】
「弁護士さん、いまのデンワは‥‥」

【アワテル】
「‥‥留置所にいそぎます。
なにが起きたか‥‥たしかめる必要がある‥‥!」
カタカタ
【アワテル】
「ユーリくん、どういうコトなんだ!!
ハナシをきかせてくれ!!」
【ユーリ】
「‥‥‥‥。
ごめんなさい‥‥あわてるさん‥‥」
【アワテル】
「待ってくれ!!
せめて、事情を‥‥」
【カンシュ】
「面会時刻はここまでです。
お引き取りねがいます」
【アワテル】
「担当の弁護士です!
どうか、ハナシを‥‥」
【カンシュ】
「被告人は、面会をキョヒするそうです。
‥‥お引き取りねがえますか」
【アワテル】
「そんなバカな!!
いったい、なぜ! ‥‥」
【アワテル】
(なぜ‥‥? そんなの、
考えるまでもなかった‥‥)
チマミレのテーマ
【アワテル】
(あれだけ裁判を止めようとしたレディが、
なぜ‥‥“裁判の続行”に要求を変えたのか‥‥?)
【アワテル】
(あれだけ執念ぶかいレディが、
なぜ‥‥“弁護士の変更”をあきらめたのか‥‥?)
【アワテル】
(‥‥レディの悪意の“底”を、見あやまった‥‥。
カノジョは去りぎわに、こう言っていたハズだ‥‥)
チマミレ50
【チマミレ】
「それに人質はまだ、別の利用法がある。
‥‥せいぜい、楽しみにしておくコトね」

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