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【体験記】フォトマスター検定受験から合格まで

仕事や趣味で、写真に関わっている方なら、フォトマスター検定(あるいはフォト検)という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。あの写真やカメラの知識の検定ですね。

※ご存知ない方は、こちらでご確認ください。

私もこの検定の存在は知っていたのですが、休日は撮影で忙しく、受けようなんて考えたこともありませんでした。
そもそも勉強する時間がない生活でしたし、必要性も感じていなかったので、自分には無関係な資格だと思い込んでいたのです。

しかしながら、そんな私があるきっかけでフォトマスター検定に挑戦し、EXまで取得することに。

取得してから2年経ちましたが、記憶が曖昧になる前に、備忘録を兼ねて勉強方法から実際の試験まで、体験談をまとめておこうと思います。
少しでもこれから挑戦を考えている方の参考になれば嬉しいです。


なぜフォトマスター検定に挑戦したの?

これはもう新型コロナの影響です。コロナ禍で休園する動物園が続出し、思うように撮影に出かけられなくなった2020年。

時間を持て余し始めた私は、何か別の事を始めようと色々探し始めます。でも、これと言ってやりたい事が見つからず、考えることはカメラや写真の事ばかり…。

だったらこの機会に勉強したら良いんじゃない?

と勉強することを思い立ちました。

今まで写真やカメラの事は雑誌を読む程度で、勉強したことはありません。写真はほぼ独学で、撮影テクニックはそこそこ身に付いているものの、カメラやレンズのメカニズム、歴史、法律、その他諸々、写真家として必要な知識が抜け落ちていました。

ではどうやって勉強しよう…参考書をキンドルで読み漁る?いや、ちょっと無計画すぎるし、目的が無いと続かない…。

何か講座を受講するにもお金がかかるし、課題をこなすのも大変そうだし…。

そう言えばフォトマスターという検定があったな…試験勉強ならモチベーションが保てるかも、と運営事務局のホームページをチェックしました。

階級が3級~1級+エキスパートの5階級あり、自分の必要性に応じたレベルが選べるようになっていました。必要性に応じて、というゆるい感じが気に入ったので、勉強を兼ねて検定に挑戦してみることにしました。

自分に必要なレベルはどれだろう?写真は趣味ではなく、ライフワークとして続けたい。そうなると準1級か1級?
いや、写真クラブをまとめている立場上、偉そうなことも言わないといけないし…だったら達人のエキスパート(EX)まで取って仕舞おうか…。

はい、目標が決まりました。EXを目指すことにしました。
EXは1級合格者が作品と小論文、経歴書等を提出するだけなので、実際は1級の勉強をすれば良いことになります。

こうして私のフォトマスター検定への挑戦が始まりました。

どうやって勉強したの?

これはもう公式テキストを読んで過去問を解くという正攻法です。これしかありません。

検定事務局で、公式テキストと過去問集が販売されていたので、まずは公式テキストを購入しました。これが結構高い💦

公式テキストは、解説のあとに各級の問題が出題される形式でまとめられていましたが、これだけではやっぱり不十分。
読み終えた後に、過去2年分が収録された最新過去問題集を購入し、準1級~1級のところを学習しました。

それから、過去問を解く時は必ず時間を計りました。そして、マークシートの解答用紙(過去問の最後に付いています)をコピーし、実際にマークしながら挑戦しました。

試験は時間制限があります。私は1級なので、80分以内に80問、1問1分で解答しなければなりません。実際には7割以上の正解で合格となるのですが、1分で解けない問題も出題されるでしょうし、試験は間違いなく時間との勝負。それを想定しての練習です。

そんな過去問を使った練習。最初の頃は正解率も低く、時間も足りずで散々でしたが、何度かトライしていると結果も良くなり、自分的にはもう大丈夫なレベルに。

ただ、一つ注意しなければならない事。
それは、一度正解を知ってしまうと、問題を全部読まずに解答するようになり、短時間で終了しがちになります。これが本当に落とし穴なのです。

このフォトマスター検定ですが、問題が難しいというよりも、日本語の読解力を求めるような傾向があり、長文中に穴埋め4問とか、文章がきちんと繋がっているか最後まで読んでみる必要があったりします。

試験の長文問題はもちろん違いますから、過去問を解く時は必ず長文を全部読み、実際にマークシートを塗りつぶして時間を計るようにした方が良いでしょう。

試験はどんな感じ?

試験はマークシート方式です。計算機の持ち込みは不可、時計はOK。
ペンケースを出していたら、なぜかしまうように注意されました。仕方がないので、マークシート用のシャープペンシルと、予備で鉛筆、消しゴムを出して備えました。

開始10分前くらいに試験問題が裏返しで配られ、解答用紙に名前と受験番号を記入して待ちます。そして、いざ試験開始。

いきなり初見の問題を見て、1問1分というプレッシャーが襲ってきました。そして、7割正解すれば良いのに、なぜか全問正解を目指そうとする自分が現れて、かなり焦りました。

長文問題が全然頭に入ってこなかったので、飛ばして簡単な問題から解答してゆきました。この時点で40分経過。残りの時間は長文問題と計算問題に充てました。

ただ、時間のかかる計算問題は捨てた方が良いです。手計算で小数点までの割り算とか、解答するのは現実的ではありません。もし挑むなら一番最後。時間が余っていればチャレンジする程度で良いでしょう。

1~2問捨てたって全然大丈夫。
7割以上正解していれば良いんです。←これ重要。

実際に出題された問題を振り返ると、公式テキストと過去問だけでは満点がとれない内容でした。
公式テキストや過去問には載っていない問題とか、時事ネタも出題されますので、普段から他でも情報を収集していた方が、合格の可能性は高くなると思います。

80問中の7割だと…56問。
60問くらい正解できれば合格できると思います。

1級に合格したよ

試験を終えて一ヶ月ほどで、検定事務局から合格通知が届きました。
1級はあくまでも通過点ですが、やはり嬉しいものです。
ちなみに、私が受けた第18回は、合格率22.15%だったそうです。

届いた封書の中に、EXの資料請求のハガキが入っていたので、すぐに申請しました。と申しますのも、通知が届いたのが年末で、次のEXの申請締め切りが2月だったのです。

EXは年2回しか審査が行われず、2月を逃すと次は8月。しかも、8月から検定料が値上げされるとの事。(3千円UPくらいだったかな?)
私的には絶対2月に間に合わせる必要があったのです。

EX検定に申し込む

年が明けてEXの資料が到着。中には受験案内と願書、受験票と共に、写真活動を記入する経歴記入用紙と、小論文を書く原稿用紙が入っていました。

EXには1ジャンルに特化した1ジャンル認定と、総合的な認定を受ける3ジャンル認定があるのですが、私は動物園専門の写真家なので、1ジャンル認定にすることにしました。
総合が必要なら、後から2ジャンル再検定を受けて取得することもできますし。

1ジャンル認定は、経歴書、小論文、作品5点を準備し、2月中に郵送しなければなりません。これが意外と手間で、時間がかかりました。

まず、写真活動経歴書。コンテストの受賞歴、個展等の作品発表歴、講師等の指導歴を記入する欄があるのですが、記入するなら全てに証明書類が必要になります。

全部記入しなくても審査は受けられるのですが、多いほど高評価になるみたいなので、私は一応全部記入しました。

受賞歴は記入欄が3つあったので、記入した分の賞状を揃え、封筒に入るようにコンビニで縮小コピーしました。

作品発表歴は、主宰している写真クラブで開催したグループ展のことを明記しましたが、会場から開催証明書を入手できなかったため、郵送での告知に使ったDMを添えました。

そして指導歴。これは主宰の写真クラブのことを明記し、メンバー2人から証明として一筆書いて頂きました。
コロナ禍で会えなかったので、郵送で送って頂き本当に感謝しています。

次に小論文ですが、お題は「優れた作品とは何か」でした。これは自分が認定を受けるジャンルを踏まえて書かなければなりません。
私の場合は「動物」で認定を受けたので、動物写真作品について書きました。

最後に5点の提出作品ですが、似たような作品にならないように選びました。こんなのも撮れます!という自己アピールですね。
ピントはシビアみたいなので全部ガチピン、光沢紙、銀塩プリントで。

上記以外にも、アピールできるものがあれば、別紙でまとめて添えると良いでしょう。案内にも「自分をアピールしてください」みたいな事が書いてありました。

私も動物園で発売されたカレンダーに、作品が掲載されたことがありましたので、カラーコピーをとって説明を付けて一緒に送りました。

あとは受験票に貼る顔写真を撮ったり、郵便局に検定料を振込に行ったり…。そしてなんとか2月中に郵送することができました。

EXに合格したよ

郵送してから一ヶ月くらいして、合格通知が届きました。
自分的には、これで落ちたら為す術なしって感じでしたので、正直ホッとしました。

証明カードは後日別で送られてきました。級の時の紙とは違い、顔写真入りのプラスチックのカードでした。

EXを取得したからと言って、国家資格でもないですし、すぐに役立つわけでもありませんが、一応検定なので「私はある一定のレベルの写真家です」という証明にはなるかなと思っています。

これで私のフォトマスター検定への挑戦は終わりました。

まとめ

良かったこと

写真家の言っていることが正しく理解できるようになったり、カタログや専門誌を見て、より深く理解することができるようになりました。
今までの難しい話が難しくなくなり、内容が頭にスッと入ってくる。そんな感じです。

あとは、解っていたつもりの事を、改めて理解し直し、自信を持ってシャッターが切れるようになりました。
シャッターを切った後の結果がわかるようになったので、無駄撃ちが減り、撮影後の写真の整理も楽になりました。

こうした機会がなければ、得ることは無かったであろう知識も多く、挑戦して良かったと思っています。

悪かったこと

ありません。全ての知識が役に立つことはないかもしれませんが、知識を得て不利益になることなんて無いでしょう。
ましてや自分の好きな写真やカメラの事ですから。

強いて挙げるならば、費やした時間をどう捉えるかだけ。
私は時間が余っていたので、この結果に満足しています。

最後に

フォトマスター検定に合格したからと言って、写真が上手くなることはありません。あくまでも知識の検定です。

ただ、今まで何となくシャッターを切って、良い写真が撮れた!という偶然的な作品ではなく、こういう写真を撮りたいから、こうやって撮った!という必然的作品を撮影するには、やはり知識も必要になります。

そういう部分を補えるのが、この検定に挑戦する醍醐味かもしれません。

大切なのは、写真は自分が楽しむこと。
お互い楽しい写真活動を続けて行けると良いですね。

何かご不明な点がありましたら、お気軽にコメントください。

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