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愛おしそうに長男を見つめる長女の目が、記憶に鮮明に残っています

2017年11月、第二子となる長男を自宅出産しました。長女を産院で出産したときも幸福感に包まれていましたが、それ以上に「孤独」と「不安」が大きく、お医者さんがいないと…、助産師さんがいないと…、これから家で私がこの赤ちゃんを育てるなんてできるんだろうか…と、何をどうすればいいのかわからない状態でした。
そんな私がなぜ第二子を自宅出産しようと思ったのか。それは、助産師の田中敬子さんからの「自宅出産できるよ」という言葉に直感で「ピン」と来たからでした。
(広島県 上原 澄)


「自宅出産したいです!」

長女の出産時、なんとなく孤独を感じた私。いよいよ赤ちゃんが生まれるというタイミングになるまでは、ほぼ一人で陣痛の痛みと戦っていました。

子宮口が全開になったタイミングで助産師さんが数名来てくれ、その後、お医者さんも来て、無事出産となりましたが、「もし2人目があるなら病院じゃないところで産んでみたいな」というのがその時感じた本音でした。

長女の出産から4年後、第二子の妊娠が判明。これが最後の妊娠&出産だろうから、マタニティライフを思いっきり楽しもう! と意気込み、長女妊娠時にはできなかったマタニティスイミングにトライしたのです。この判断が、運命の出会いを導いてくれました。

助産師の田中敬子さんとの出会いは、マタニティスイミングでした。すでに妊娠37週を迎えていた私でしたが、敬子さんとの何気ない会話の中で「本当は病院じゃないところで産んでみたかったんですけどねー」とポロッと本音を吐いたんです。

すると敬子さんから「今ならギリギリ自宅出産に切り替えれるけど、どうする?」と予想外の回答が。不思議と不安よりもワクワクが勝り、私は「自宅出産したいです!」と答えていました。

これで最後の妊娠&出産だからやりたいこと全部やりたい!そんな想いでした。


夫の気持ちは180度方向転換

自宅出産は家族の協力が必須なので、自宅に帰って夫に相談しました。長女の産院での出産に立ち会い、2人目の妊婦検診にも何度も付き添ってくれ、「病院で産むのが当たり前」と考えていた夫からの返答は当然「NO」。

「なぜこの週まで無事にきたのに、わざわざ病院じゃないところで産むのか?」これが夫の正直な気持ちでした。

ただ、出産するのは他でもない私。また、2人目の出産にあたり長女のメンタル面も心配だったことから、長女のためにも自宅出産に切り替えたい、という気持ちを夫に再度伝えました。

何はともあれ、実際にサポートしていただく敬子さんから家族で話を聞こう、ということになり、助産院へ行きじっくり話を聞かせてもらいました。

自宅出産のメリットやリスクについて、敬子さんから夫に直接説明していただいたところ、なんと夫の気持ちは180度方向転換!

夫の気持ちを動かしたのは、他でもない「長女の気持ちも大切にしてあげられる」という利点でした。

そこからは自宅出産に向けた準備をハイペースで進めていきました。お産当日のシミュレーションで、赤ちゃんが生まれてくる様子を人形を使って家族でイメージするとき、とても大切そうに人形を抱っこする長女の姿、長女の母性が爆発していました。

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自宅出産は正解だったと確信

敬子さんには「予定日より遅れるだろう」と言われていましたが、結果的には予定日より5日早く長男は生まれてきてくれました。

当日は陣痛だと気づかず、普通にお出かけ。その出先で「今日はやたら張るな…」と思っていたのですが、どうやらもうその時点で陣痛が始まっていたようでした。

自宅に戻ってから、陣痛の合間に夕食を作り、その間にあれよあれよと子宮口全開に。長女のときには丸一日耐えても開かなかった子宮口が、あっという間に開いていき、すごいスピードで増す痛みに耐えながらも、自宅出産のリラックス度合いに驚きました。

陣痛中は、終始主人の手を握りつぶすほどの強さで握り、合間に長女が私の背中をさすったり頭を撫でたりしてくれました。長男の頭が見えたときは、「赤ちゃんの頭が黒い!」と長女が驚いていたのが印象的でした。

無事に長男が誕生し、臍の緒を切ってくれたのは、主人と長女。愛おしそうに長男のことを見つめる長女の目が、私の記憶に鮮明に残っています。

長男の体重を測ったのも、産着を着せたのも、母子手帳に記録したのも、すべて夫。病院では家族がここまで出産に関わることはできません。もともと子ども好きな夫ですが、長男のことをなんとも言えない愛に満ちた見つめる表情を見て、やはり自宅出産は正解だったと確信しました。

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母のような感覚の助産師

産後も私の身体の状態に合わせて敬子さんからアロマトリートメントをしてもらえて、身体も心も超絶リラックス。

産後はもちろん、今でも困ったことがあればすぐに相談させてもらえるのは、自宅出産ならではだと思います。長男のことはもちろん、長女のこと、夫のこと、そして私のこともよく見てもらえているので、敬子さんにはまるで母のような感覚でSOSを出させてもらってます。

あの日から早4年。きょうだいでケンカをするときももちろんありますが、長女は基本おとうとLOVE。もちろん、長男もねぇねLOVEです。

3人目の予定は今のところ絶対にありませんが、もし3人目の妊娠&出産があるとしたら、間違いなく自宅出産を選択します。

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