ラフ×ラフ「パッパッ」 MV考察
「パッパッ」は2024年6月16日(父の日)にリリースされたラフ×ラフ10曲目の配信シングルです。
前作「クライアント」に続き、明治とのコラボレーションにより制作されました。
楽曲のテーマは「父の日」。
「母の日」に比べると影の薄い父の日を盛り上げつつ、父親だけでなく誰かのために一所懸命になっているすべての人に向けたラフ×ラフらしい応援ソングとなっています。
ユーロビート調の曲に乗せて歌われる「パッパパヤ パッパッパ パヤパヤ」というフレーズや、無表情で頭上に上げた両手を開いたり閉じたりするダンス(通称:毛抜きダンス)が印象的な、ラフ×ラフの作品の中でも屈指のポップな楽曲です。
そして、配信リリースに先立つ6月9日、この楽曲のミュージックビデオが公開されました。
佐久間宣行氏総合プロデュースのアイドルらしく今回も芸人枠として元プラス・マイナスの兼光タカシ氏が参加し、ラフ×ラフ初のストーリー仕立ての作品となっています。
もう見たよって人も、まだ見てないよって人も、まずはぜひ今一度このMVをご覧ください。
このMVで描かれるストーリーは、波留(永松波留)とその父親であるタカシ(兼光タカシ)、そして波留に恋をする「俺」(下川恭平)の3人を中心に展開するのですが、単なる可愛いアイドルが出演するだけの作品に留まらず、転生とタイムリープとパラレルワールドが組み合わされた難解なストーリーとなっているのです。
ここではその難解なストーリーを読み解きつつ、私なりに考察してみたいと思います。
1.波留は「俺」に何を言った?
大まかなストーリーは次の図1の通りです。
ストーリーは高校生の「俺」が波留から何かを言われ、「波留ちゃんそれ本気で言ってるの?」と驚愕し、波留が笑顔で「うん」と返す場面から始まります。
MV冒頭に流れるあらすじによって「俺」は波留から振られたことは分かっているのですが、「俺」がそこまで驚くような振られ方というのは一体何を言われたのでしょうか?
恐らくその波留が発した言葉の内容がこの物語の核心部分だと思うのです。
話しを先に進めると、波留と別れた後に子猫を助けるために車に轢かれた「俺」は、波留の父親であるタカシに転生し、おまけに日付は1カ月戻り(5月16日が第3木曜日と示されるため、翌年や一年前ではなくその年の5月16日であることが分かります)、波留との共同生活が始まります。
自分が好きな波留との生活にウッキウキにならないわけがない「俺」ですが、そこに待っていたのは年頃の娘による父親への「冷たい仕打ち あるある」のオンパレード...。
おまけにその世界線では、波留は高校生の「俺」と付き合ってるではありませんか?
そして再びやってきた6月16日、タカシに転生した「俺」は、偶然なのか意図的なのか、「俺」を轢くことで元の自分に戻るのです。
さて、ストーリーの発端となった最初の告白が行われたのは6月16日の第3日曜日。この曲の配信開始日でもあり、この曲のテーマである「父の日」でもあります。
波留は「俺」からの告白を断った後、満面の笑顔で走り出し、車で迎えに来ているであろう父のもとへ向かいます。
車に轢かれた「俺」が入り込むパラレルワールドにおいては、波留と父親であるタカシの関係は非常に険悪であり、その一方で波留は「俺」と付き合っています。
それでは車に轢かれる前の現実世界における波留とタカシの関係はどうなっていたのでしょうか?
そこを読み解くために、現実世界とパラレルワールドの関係を図2にしてみました。
現実世界とパラレルワールドは、鏡に映る像のように、すべてが同じように見えながらすべてが逆の関係になっていると仮定します。
その場合、現実世界において「俺」が波留に振られるのであれば、波留とタカシの関係は非常に良好であり、仲良し父娘であると考えられないでしょうか?
つまり、現実世界における波留にとっては「俺」よりタカシが大事であり、「俺」からの告白を断ってもタカシと父の日を一緒に過ごそうと考えていたに違いありません。
そうなると、冒頭の「波留は「俺」に何を言ったのか?」の答えは、おのずと導かれるのです。
波留は「俺」に対して、「波留はパパが好きなの」と言ったのではないでしょうか?
2.古いパソコンの謎
少し視点を変えて考察を続けてみましょう。
「俺」がタカシに転生して目覚めたのは2024年5月16日(第3木曜日)。
「俺」は転生していることに気が付かず、タカシの書斎に足を踏み入れます。
そこで「俺」は文筆業であるタカシ(波留がチョコレートと共に「たまにはしめきり守れよ!」というメモを残していることから、タカシの職業は文筆業であることが推測されます)が創作に使用しているパソコンを見つけるのですが、そのパソコンがモニターもディスプレイも大きく、とにかく古いタイプなのです。
その形状から調べてみると、どうやら2000年2月11日に発売されたSONY製のVAIO J10であることが分かりました。
つまり、永松タカシは24年前のパソコンを自分の仕事に使用しているということになります。
それほどの旧式であればハードとソフトの両面で故障も発生するでしょうし、当時のOSである「WINDOWS XP」のサポート期間も2014年4月9日に終了しているためセキュリティ上の問題もあり、タカシがこの古いパソコンを仕事に使い続けていることには何か余程の理由があるはずなのです。
そこでひとつの仮説を立ててみます。
タカシが24年前のパソコンを使用し続けるのは、入力した文章が実現してしまう呪いのパソコンだからなのではないか?
そんなことがある訳はないと馬鹿にしてはいけません。
ここは何が起きても不思議ではないパラレルワールドであることを忘れないでください。
そしてこのパラレルワールドにおいては、タカシと波留の関係は良好ではなく、タカシが波留に足で踏まれてしまうほど険悪です。
タカシがそのような状況を不満に思い、波留の彼氏である「俺」と自分が入れ替わる物語『パッパッ』を書いたのだとしたら?
このパラレルワールドは、タカシが創った世界なのかもしれません。
3.ラフ×ラフは猫?
ここまで敢えて触れてきませんでしたが、このMV最大の謎がまだ残されています。
ストーリーのあちこちに登場するラフ×ラフのメンバーの存在です。
『ラフ×ラフのMVなんだから、波留ちゃん以外のメンバーがあちこち登場していても不思議はないんじゃない?』
もしあなたがそう思っていたとしたら、それはまんまと罠にはまっています。
・「俺」が波留に告白する場面を全員で見守っているのはなぜか?
・その姿が「俺」やタカシや波留に見えていないのはなぜか?
・「俺」が目覚める場面に日付のパネルを持って現れるのはなぜか?
きっとすべてのことには理由があるはずです。
そのキーとなるのは「猫」です。
「俺」は猫を救うためにタカシの車に轢かれてしまいました。
そのことを申し訳ないと感じ、なんとか「俺」を救いたいと思って人間の姿に化身した猫たちがラフ×ラフであると考えられないでしょうか?
その証拠に、曲のところどころでラフ×ラフのメンバーから猫の本性が顔を出し、「にゃにゃにゃにゃにゃ~」と言いながら猫ダンスを披露してしまっています。
また、波留と同じ制服を着ていることについては、波留を参考にして擬人化したために波留と同じ服装になったということで説明が付きます。
子猫を救ってくれた「俺」に恩返しをしたい、「俺」の命を救いたいと思った猫たちは、時間を戻せる能力を使って「俺」を1か月前に戻し、もう一度波留への告白のチャンスを与えたいと考えたのです。
なぜなら、もし「俺」の波留への告白が成功すれば、2人はそこから一緒に歩いて帰るはずなので、「俺」がタカシの車に轢かれることはありません。
冒頭の告白の場面でラフ×ラフが勢ぞろいして心配そうに見つめているのは、そんな理由があったからだと考えられます。
でもそれなら時間を戻すだけでいいのに、なぜ「俺」とタカシが入れ替わってしまったのか?という疑問が生まれるかもしれません。
それはきっと、「俺」を何度も1か月前に戻して告白をやり直させているうちに、時空のゆがみが生じて入れ替わってしまったのでしょう。
ちょっとおっちょこちょいなところもあるラフ×ラフですから、そんなことがあっても不思議ではありません。
はい、最後に来てかなり強引な考察となりましたね笑
ここまで色々書いてきましたが、すべて私の妄想とこじつけによるものですので、たぶん正解ではありません。
でも、この「パッパッ」のMVが何度見ても興味深く好奇心をそそる作品になっていることに疑いの余地はなく、勝手な想像を膨らませて考察するという楽しみ方もあることが伝われば幸いです。
長くなってきたので、私の考察もこの辺りで終わりにしたいと思います。
(ここまで読んで頂いて申し訳ないのですが、特にオチはありません笑)
佐久間宣行 総合プロデュースの8人組アイドル「ラフ×ラフ」は、結成から2年目に入り、その活動の幅を大きく広げつつあります。
アイドルとしてのライブ活動はもちろん、毎週更新の公式YouTubeや、ラジオのレギュラー放送も始まっています。
彼女たちと毎日を過ごしながら、新しいエンタメを一緒に作っていきませんか?
彼女たちは現在「パッパッ」発売記念のリリースイベントを東京を中心に行っており、間近で彼女たちのライブを見るチャンスです。
また、8月2~4日のTIF2024に2年連続で参加し、3日間すべてに出演の予定です。
さらに8月31日にはラフ×ラフ初の主催ライブも予定されています。
ぜひ詳細は公式ホームページをご参照ください。
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