[2024/8/17更新]
「インフルエンザワクチンと比べると危険なワクチン」は誤り。インフルエンザワクチンに比べて有害事象や死亡の報告数が多いから危険だとする意見があるが、今回は国民の殆どが接種したのだから、接種数が多ければ報告数も多いのは当たり前。率で見れば新型インフルより少ない。また、新規の感染症なので報告数が増える傾向もある。
【解説】
これまでのワクチンより報告数が増える理由には以下がある。
①接種回数が2019年の季節性インフルエンザワクチンの約7倍。数で見れば報告数もそれだけ増える。率で見れば2009年の新型インフルエンザワクチンより少ない。
②新規の感染症なので「因果関係が示されない症状も含め幅広く評価する必要がある」と厚労省の通達がある。2009年に流行した新型インフルエンザの際も同様の通達があった。
③知見が蓄積された既知のものに比べ、新規のワクチンは副反応の評価技術がまだ確立していないので、報告数が増える傾向がある。これはウェバー効果(Weber effect)と言われるもので、新しい医薬品やワクチンが市場に出た最初の1~2年は報告が増加し、その後、徐々に減少する。
例えば、2009年の新型インフルエンザワクチンの際も死者数133人と多くの報告があった。一方で、季節性インフルエンザワクチンは、評価技術が確立しているので、医師の報告時点でかなり絞り込まれた結果の数になっている。
以下に、新型コロナ、新型インフルエンザ、季節性インフルエンザ、それぞれのワクチンの副反応疑いと死亡疑い報告の発生率を比較する。
新型コロナ、新型インフルエンザ、それぞれの厚労省の通達については、以下の通り。
予防接種健康被害救済制度認定数の比較については以下の記事を参照ください。
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。