[2023/5/5更新]
「Pfizer製ワクチンに治験データ改竄の内部告発」はミスリード。内部告発をBMJが記事にしたもの。記事だけではデータ改竄の真偽は不明。Pfizerの広報は否定する声明を発表。内部告発者Brook Jacksonはテキサス州連邦地裁に提訴したが2023/3/31に提訴は却下された。
【解説】
内部告発は2020年9月に、社内文書、写真、音声記録、電子メール記録がBMJへ送られ、FDAへ通報された。具体的には以下の通り。
・注射針の廃棄方法(安全管理不良)
・識別番号がある包装材が放置(盲検性阻害)
・薬剤割当の情報がカルテで開示(盲検性阻害)
・検査エラーの記録と定量化無し(精度管理不良)
・被験者への問合せの不履行(計画管理不良)
・データ変更や遅刻の注意(FDA査察対応)
・他、幾つかの杜撰な管理
いずれも当委託先(153施設の内の3つ)における個別の管理不良の問題。全被験者44,000人のうち1,000人分で承認審査に影響を与える割合ではないが、管理の杜撰さとFDAの監査不行き届きが問題視された。告発後、Pfizer社が当委託先の監査を行なっている。盲検性を損なうカルテの記載は告発と同月に是正されている。
発覚した不適切なデータ1,000件がその後どう処理されたかは不明。問題が発覚した時点で除外されたとも考えられるが、訴状では治験提出資料に含まれたとある。
BMJは権威ある医療専門誌だが、記事は証言と取材のみで事実検証はない。Pfizer社と委託先が「内部告発者は僅か18日間の雇用期間で実務は未担当だった」と否定する声明を発表。
2022年1月、テキサス州の米国連邦地裁において、内部告発者はPfizer社の委託先2社に対し内部告発者訴訟を提訴。その後、連邦政府が介入を拒否した為、連邦地裁判事から訴状が公開された。2023/3/1にテキサス州の米国連邦地裁で連邦政府の裁判が開始される。連携政府が反対の姿勢を示すなかで、内部告発者が米国に代わって提訴するという捻れた構造の裁判となる。
【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。