「その扉をたたく音」(本の感想)

著者 瀬尾まいこ さん

瀬尾まいこさんの作品に共通して言えることですが、

読んでいるときの幸福感が圧倒的に大きい作品です。

30歳目前にして、親の仕送りで生活する無職の男性が、老人ホームで
”心に届く”サックスの音色聴いたことから始まる物語です。

主人公と、老人ホームの入居者、同年代の介護士の青年との週に一度の交流が描かれ、その温かい世界観と、瀬尾まいこさんらしい くすっと笑える場面の差し込みが心地よい作品でした。

「あと少し、もう少し」の世界も入り込んでくるので、青春時代の切なさも心地よいスパイスになっているようにも思います。

読み手によっては今までの経験と重なって、ぐっときて涙してしまう場面もあるでしょうが、それも含めて楽しい作品です。





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