見出し画像

独立開業を検討して思った事

専門職として働いている。
パートナーも別会社でフルタイムで働く同業者で。
自分で独立開業する人もいるし、ずっと務める人もいる。
僕自身は資格を生かして関連した副業も始めている。

そんななか、先輩の事業継承の話を立て続けに聞く機会があった。


一件はもうずっと独立開業で続けてきた方。
それこそ夜遅くまで仕事に打ち込んで、手作り感満点の独自の城をこつこつと築き上げて。
まあ田舎なのもあって、そこそこ名の知れた地方の雄。
精を尽くしてきただけあって、収入は手取りで僕の3倍くらい。
お子さんもいらっしゃるので、結婚はされていらっしゃるのだろう。
でもほとんど自宅にも帰らず、夜も事務所に泊まり込むような生活を何十年と続けてきた。

いやー、すごい。
でも、あの城を引き継ぐのはきっと難しい。
事業継承したとして、今の顧客はどう反応するやら。
離れていってくれるならまだよくて、こじれてねじれてさあ大変、という感じになるだろう。
くわばらくわばら。

もう一件は、もう引退時期になってから、
いまさら?という時期に独立開業。
どうやら「一度開業なるものをしてみんとす」といった感じだったらしい。
奥様といっしょに営業することで、ほとんど人件費、設備費をかけず。
事務所の図面を伺い、HPを伺うと、
驚くくらいシンプルな作り。
でも手取りは僕の1.5倍くらい。
奥様の収入を入れると1.8倍くらいか。
しばらくやってみて、もう満足されたのか、
それとも奥様が辞めたくなったのかわからないけれど、
事業を手放したい、と。

でもこれまたそのスタイルを実践するのは、ちょっとこのご時世では難しいかもしれない。
顧客に期待されないようなオーラを醸し出すのはきっと達人技。
もし手違いが起きたりするとちょっと身を守れないだろうな。

同じ専門職とはいえ、
開業に向いている人、向いていない人はいる。
僕は向いていない人なんだろうと思っている。
この二つの事例を聞いてますますそう思った。

まず、開業して得られる収入増のメリットにさっぱり魅力を感じない。
年収800万以上は限界効用が逓減する、という話があるけど、
もうアラフィフの身としては、これ以上収入が増えたとしてもたいして使い道もない。
夫婦でフルタイムで働いて、
それなりに負担感はあるけれど、充実しているところもあり。
自分自身は副業で自在にできるところも作れていて。
家族や自分が体調を崩したら経済的な不安はなく有休をいただいて。
レジャーの時間もそれなりに取れていて。
まったく金持ちではないけれど、地場の肉や野菜で日々おいしいものをいただいている。

たぶん、浪費が身の丈に合わないのだと思う。
ちょっと高い車にも乗ってみたけど似合わない。
高級料理も食べてみたけど、おいしいけど感動まではしない。
高級ホテルにも泊まってみたけれど、どれも居心地がよろしくない。
自分としては高い服も買ってみたけど、着ていく場もない。
旅行もたいして好きじゃないしなー

といって、独立開業したら、自分の性分としては金銭的成功という評価基準気にせずにはいられない。
といって上には上がいるものだし、きっと苦しむのだろう。
独立開業したらできることが増えるとは思えない自分には、これはやっぱり向いていないのでしょうね。

自分の器の小ささを知ることができたというか。
足るを知ったというか。
そんな人生勉強でありました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?