アークナイツをプレイしない理由 @ 2024-04-29
本日の背景
二日前にお伝えした通り、アークナイツというタワーディフェンスゲームにマルチプレイヤーモードが実装されることが発表された。実装時期は今からちょうど半年後になる。これに伴い、私の愛するこのアークナイツというゲームで一緒にマルチプレイを遊ぶ友人を増やすべく布教活動を開始しているのだが、その際に勧誘資料を必要としている。
世の中に同胞を求めるドクターは私以外にも山程いる。そのため勿論「アークナイツをおすすめする理由」みたいな記事は東西南北中央どこを見ても掃いて捨てるほどあるが、その中身はというと誰も彼も「ゲームプレイがガチャゲーと違って真剣に面白い」「ストーリーが良い」「音楽が良い」「ガチャが優しい」などと決まり切った宣伝文句を繰り返している始末だ。残念ながら、私に言わせれば、そんな宣伝文句で興味を惹ける相手はとっくの昔に本作をプレイしている。
我々に必要なのはやる理由の説明ではなく、やらない理由の分析だ。今アークナイツをプレイしていない人間は、アークナイツをやらない理由があるから、プレイしないのである。したがって本作を拒絶する理由に注目していくことで、自ずから新規参入者を増やすことが可能なはずだ。
以上の理由により、本日はアークナイツをやらない、やりはじめない、一度は始めたが離脱してしまった連中を観察し、彼らの否定理由を列挙していくぞ。
第一章 論外
本章には、我々の努力や説得によっては決して覆すことの出来ない根源的な否定理由を列挙する。
ガチャゲーはギャンブルだからやりたくない
私の周囲で最も多く見られる意見で、特に年寄りはこのような考えを持つ連中ばかりである。ガチャに対する偏見であると反論したいところだが、彼らの意見も理にかなっているところがある。アークナイツは比較的にガチャにかかる費用の安いゲームであり、規定回数のガチャを回すことで確定でオペレーターを入手できる仕組みがあるためギャンブルですらないというのがれっきとした事実なのだが、それでも1年に4回開催される限定ガチャのたびに2万円以上を使って300回ほどガチャを回し新規オペレーターを採用するのが課金勢の標準的な動きだ。これは決して安い金額ではなく、Steamで買い切りの面白そうなゲームを探せば、ゲームの標準価格が1本5000円弱に膨れ上がった今現在ですらも、4本の新作が手に入るだろう。
スマホゲーはやりたくない
こちらも老害に多く見られる偏見であるが、私自身もスマホゲーをスマホゲーと嘲笑することが多々あるため実に業が深い。ここで言うスマホゲーとは「スマホ向けにUIや操作系が最適化されているようなゲームであり、スマホでも遊べるような浅いUIや操作系であり、スマホでも動かせるようなグラフィックアートである」というような意味で用いられる事が多いだろう。その観点で反論すると、
アークナイツはタワーディフェンスゲームであるためキーボード・マウスやコントローラーよりもむしろタッチ操作のほうが優れている
その点を差し置いても十分にオシャレで作り込まれている、スマホ臭さは相当に薄い
スマホの小さい画面でプレイしたくないという意見はごもっともなので、そのような場合はPCにBlueStacksのようなAndroidエミュレーターを導入して遊べばいい。有名配信者なども大抵がブルスタでアークナイツをプレイしている。ほとんど公式PC対応のようなものである。
このように丁寧にエミュレーターの存在を教えてやると、今度は「そんな物入れてまでゲームしたくない」などと言い出すのである、つまりは言い訳の理由を探しているだけだ。こういう人間にモノを薦めるのは意味がない。
珍棒と金玉が付いてるオスが居るゲームはプレイしたくない
至極ごもっともだ。ブルアカやNIKKE等をプレイすることをおすすめする。なお発言主自身はプリコネに夢中である。
グラフィックが3Dじゃないからしょぼい
ママのポリゴンオッパイでもシャブッてろ、ガキが！
私はこの女を実際にWindows 95上で動かしていた事があるぞ。
フルボイスじゃないからしょぼい
残念ながら私は声優について完全な門外漢であり、声優オタに対する罵倒のレパートリーを持ち合わせていない。運が良かったな。
だがな、一つだけ言わせてほしい。
1マップ攻略するたびに、この女が1万文字以上のモノローグを延々と日笠陽子の声で語り続けるゲームをお前はプレイしたいか？？？私は冗談で言ってない、本作のストーリーがフルボイスだと永遠に読み上げが終わらんぞ？本当の本当に話が長いから覚悟しておけ？
タワーディフェンスゲームが嫌い
タワーディフェンスゲームを遊んでそのような感想を抱いているのであれば、私は認める。だが万が一、万が一にでも、発言者がにゃんこ大戦争などをプレイして「タワーディフェンスゲームはつまらない」などと発言しているのならば私は|そいつ《殺殺殺》をXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
第二章 金とガチャ
アークナイツにはガチャという概念がある以上、リアルマネーとガチャに関わる不平不満からは逃れることは出来ない。
課金したくない、課金しないと勝てない
比較的に誰でも理解しやすいであろう不平不満だし、同胞のドクター諸兄もそのぐらいのことは重々承知しているから、「アークナイツは★3や★4も使うし強いし無課金でも安心だよ」だとか「最初っからスタートダッシュガチャでリセマラして簡単に手に入るマウンテンってオペレーターが超強いから大丈夫だよ」だとか「友人からサポートオペレーターでムリナールを借りてくれば楽勝だよ」だとか、そういったフォローがよく見受けられる。
実際、私もそういった言説は正しいと思っている。一般的にガチャゲーの低レアには存在価値が一切ないのが当たり前だと思っているが、本作の低レアは極めて優秀だ。ムリナール＋低レアで大抵のマップについて攻略が可能だろうとは思っている。
だが★3や★4がガチャから出てくる人権オペレーターの代わりになることは決して無い。低レアでも大抵のマップについて攻略が可能なのは間違いないだろうが、空いた右手でちんちんしごきながら適当にプレイしても勝てるほど簡単だとは決して思わない。これもまた事実だ。一生懸命★4オンリーで苦戦するよりも、テンニンカしてバグパイプしてイネスが出てきてテキサスヤトウが飛んできてエイヤちゃんが医療してアビサルハンターとガヴィルさんが敵を受け止めムリおじスルトが全てをズッガンバッカン破壊するほうが容易いのは自明の理だろう。
勿論、そういう「無課金低レアによる艱難辛苦を乗り越えての勝利」や「無課金低レアクソ雑魚オペでも自身のプレイ次第で勝利できる」というのは、そういったカタルシスを得るのが大好きなプレイヤーを魅了し惹きつけるには大変に都合が良い要素だ。しかしこれはやや偏見かもしれないが、そういった艱難辛苦を乗り越えるのが好きな生粋のゲーマーはアークナイツではなくダクソやエルデンリングをプレイしていることが殆どで、スマホゲーはひと目見ただけで逃げ出してしまう。残念だ。
課金したのに勝てない
私がより大きな問題として取り上げたいのはむしろこちらだ。なぜならこれが理由で、私は数人のアークナイツ友達を失っている。
アークナイツは課金しても勝てるゲームではないのだ。
そもそも、何故世の中にソシャゲの類が生まれ、スマホゲーの類が蔓延り、Pay To Winなどと揶揄されるガチャの仕組みがこれほど根強く支持され生き残っているか、考えてみたことはあるのか。
金払って圧倒的な力で勝ちたいからに決まってるだろうが。
アークナイツの「人権」オペレーターは、たとえムリおじでも、テキサスでも、ヤトウでも、そのクラスの「人権」であったとしても、配置してスキルボタンを押すだけで約束された勝利をもたらせるほどゲーム環境を破壊しているわけではいないのである。勿論テキサス対策が施されていない序盤中盤のストーリーや、2年ほど前までのイベントであれば、テキサス一人で無茶苦茶に勝ちまくることは十分にできるかも知れない。しかし今現在のアークナイツにおいてはそのような無双は起こり得ない。勿論、無茶苦茶に強力でゲームプレイの難易度を著しく下げてくれるのは事実だが「下げてくれるだけ」であって「勝たせてくれる」わけではない。どれほど少量であっても自力で努力しない限り勝利を掴むことが出来ないのがアークナイツというゲームの美点であり・・・
そしてガチャゲーを心底愛し、いくらでも天井までお金を払う筋金入りの廃課金プレイヤーからしてみれば、唾棄すべき致命的な問題点でしかない。
アークナイツというゲームを喜んでプレイする我々ドクターに欠けているのはこのような視点だ。何なら「置いただけで勝利するような浅いゲームなんて遊びたくない」とまで言ってのけるだろう、にも関わらず我々はオペレーターの強弱人権度合いに一喜一憂し論争し、このガチャを引くのはおすすめしない、あのガチャまでお金を貯めないやつは頭が悪い、などとまで言い争うことになる。完全に脳死で誰でも同じように勝てるほど壊れたオペレーターが存在してしまっては己のカタルシスが満たせない、かといって弱いオペレーターで必死に苦戦するのはやりたくないし自力では達成できないから人権オペレーターが欲しい・・・何という自己矛盾であろうか。
果たして我々は「金を払っても勝てないからつまんないんで止めます」と言い切って去る者たちを引き留めることができるか？流石に不可能だろう、求めるゲーム性と音楽性が異なるとしか言いようがあるまい。
第三章 時間
もう一つよく見られる不満点が「時間」だ。特に運営型のゲームにおいて顕著であるが、毎日アレをしないとならん、ログボをもらわんとならん、ミッションをこなさんとならん、等といった義務敵時間拘束を嫌がるプレイヤーは数多く存在する。
デイリーミッションが嫌い
これについては反論したいところだが、しかしながらデイリーミッションを達成するための基地の配置換えも面倒だし、公開求人のセットも面倒だし、自動指揮は用意されているものの、ゲームプレイが完了するまでの間じっと待たなければならない。前時代的だと煽られても反論の余地もない。かたやブルアカなんかはスキップチケット的な概念があって戦闘を即座にスキップして結果だけが得られるから、5分でデイリーが終わる。これが当たり前だと思っているプレイヤーからすればアークナイツのデイリー作業はあまりにも面倒で苦痛だろう。私も操作時間だけで10分以上は確実に拘束されているはずだ、それに加えて自動指揮が終わるのを待つ作業もある。
一点だけ希望の兆しを述べるならば、ちょうど明日のアップデートにより自動指揮が連続実行できるようになる。これまでは一周一周ゲームプレイが終わるたびに手作業で次の周回に入らなければならなかったが、これからは最大6周まで一度に自動指揮を実行できるようになるらしい。相変わらず時間はかかるが労力は随分と楽になるはずだ。
素材集めがだるすぎる
全く同意だ。アークナイツのゲームプレイは基本的に面白いと心の底から称賛しているが、この素材集め要素だけはガチでつまらんと思っている。育成のために途方もない量の資金資材資源を要求され、それを収集するためにひたすら資源調達マップを自動周回させられたり、イベントの特定マップを周回させれるのは、必要悪でしかない。自動指揮のおかげで片手間に回すことは可能だし、先述のように6周までは一度に実行できるようになったため飛躍的に改善はしているが、それでも膨大な時間がかかるし、完全手放しで夜間放置というわけにもいかない。
通勤時間の暇つぶしなどで回せばよい、という意見については、その間スマホをアークナイツに専有されてしまうという問題点により却下される。
※最近のスマホはゲームしながら裏でエックス見たりできると聞いているが、私のiPhoneでできるかは知らん
総括
以上、アークナイツを遊ばないプレイヤーが「やらない理由」として挙げた内容を分析することにより得られたこととして、やりたくないと思っている人間にゲームのプレイを強要のはどうも難しそうであるな。なんだってそうか。
以下蛇足
このような文章を書いていることで、もう凡そお気づきかもしれんが、私は真面目にアークナイツというゲームをプレイしたがらない連中に布教活動をする気もなければ、一度止めた連中を引き止める気もない。面倒事は嫌いであるし、人に無理強いをするのも嫌いなんだ。今身の回りに居る「このゲームが面白いと思ってる連中」を大事にするのが一番の功徳だろう。