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西宮ストークス観戦記#6 vs奈良2

バーンズ選手の逆転スリーで辛くも開幕戦を勝利した西宮ストークス。難敵・バンビシャス奈良を相手に連勝できるでしょうか。今日は流れを追うのはほどほどにして、2試合を通して気づいた今シーズンの(というかフィッシャー新HCの)ポイントを考えてみたいと思います。果たして上手く書けるかどうか。

◉奈良の不調と決まる速攻

今日のスタートは松崎・道原・俊野・バーンズ・ブラッド。PGは昨日のヒーローの一人、松崎選手に代えてきました。やはりフィッシャーHCは選手の調子を重んじるタイプのようです。

西宮がいいというより、奈良のシュートがよくない立ち上がり。昨日は決まっていたフィッツジェラルドのシュートが決まりません。ゴール下もリングに嫌われて、西宮の7-0のランでスタートします。奈良はカーター選手が高い位置からボールを持って攻撃の起点となるスタイルで、いくつかいいプレーはあるものの単発。速攻でブラッドのエンドワンが決まると、奈良のHCがテクニカルを吹かれ、このボーナススローとエンドワンのフリースローも決まって15-5。今日はフリースローも決まるよ。

昨日、苦しむことの多かったゴール下の守備やディフェンスリバウンドを頑張って、素早い攻撃に繋げる。岸田選手や谷口選手が出てくるとその流れは加速し、流れるような速攻がいくつも決まります。最後はバーンズのレイアップミスを土屋選手がティップイン。24-13の2桁リードで1Q終了。今日はトキオがラッキーボーイか? 

◉そのリードを喜んでいいのか?

それでも、なんだか出来過ぎじゃないかと不安になるのは、セットオフェンスがあまり決まっていないから。昨日やられた西宮のピック&ロール(PNR)を奈良がかなり警戒して守り方を工夫して、ハンドラーを自由にさせない。ブラッドさんが決めてるのも、奈良のアグレッシブな守備の副産物だったりして。速攻が出るのは悪いことではないけれど、オフェンスの形として整っているわけではない。悪く言えばどさくさ紛れ。

2Qもずっとそんな感じ。土屋選手がリングに当てたボールを自分で拾ってシュートを決めるという珍プレー(?)を決めたり、松崎選手が一瞬のスキを突いてベースラインを抜いたり、ミドルシュートを決めたり、そこだけを見れば良いんだけど、全体的にはいま一つリズムがない。

奈良は奈良で、先週末から数えると5試合目となる疲れのせいか、攻撃に迫力がない。カーターが高い位置にいることが多かったけど、外でボールを回す時間がかかるばかりか、ミスが出てしまうことも。インサイドを広げてフィッツジェラルドのミスマッチを活かそうとしたのだろうか。しかし、そのフィッツジェラルドのシュートが昨日のように連続では決まらない。2Qを通して6〜10点差をうろうろしながら、結局、西宮の10点リードで折り返します。

ただ、点差に余裕のある時間帯があったことで、前半のうちにブラッドを休ませられたのはラッキー。この2試合、外国籍選手の代わりに出てくるのは土屋選手。戦術理解うんぬんは置いて、堂々と、ある意味空気を読まずにリングに向かおうとする姿勢が清々しい。

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◉お返しの奈良

奈良のきれいなセットオフェンスで始まった後半。スタートは変わらず。俊野選手が久しぶりにシュートを打って、ファウルをもらうも1本しか決められず。シューティングスランプが深刻。奈良はカーターの3Pがヒットし、一気に6点差。西宮は淡白なオフェンスが続き、あっさりリバウンドを拾われて走られる。あれ、なんだか前半とまったく逆の展開じゃないか。カーターはさらにスリーをもう1本追加。フィッツジェラルドのジャンパーで、ついに奈良が逆転します。

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残り3分、奈良に4点差を付けられたところで、フィッシャーHCはようやくタイムアウトをコール。よく我慢したよ。バーンズ先生がお疲れのご様子で(無理もないが)、外からスリーを打つだけ。そのセレクションとリズムの悪さが伝染してる感じ。ボールを回してのシュートならいいけど、ただプルアップで打つだけじゃね。ちなみに今日は0/4で、昨日は2/9。2試合で2/13はいくらなんでも酷いけど、そのうちの1本がゲームウィナーになったりするからバスケットって難しい。

大事なタイムアウト明け、久しぶりにセットらしいセットが決まると、奈良のシュートが再び落ち始めます。すると今度は西宮が走る。前半に体力を温存できたブラッドが走ってゴール下、トランジションから谷口がコーナースリーをヒット! 西宮がまた5点リードに戻します。奈良は肝心なところでゴール下をポロポロ落としたのが痛すぎた。ジェットコースターのような展開で、走った方がリードする。シンプルなのは良いんだか、悪いんだか。

◉やればできるコントロール

4Qに入っても奈良のシュートは入らず、逆に西宮はようやく試合をコントロールしていきます。バーンズのフェイダウェイ、ブラッドのエンドワンと的を絞らせない攻撃で10点差。なんだ、できるんじゃないか。バーンズ先生のドライブからコーナーで待つ谷選手にきれいにボールが渡りますが、コーナースリーは入らず。これが決まれば勝負ありだったが、こちらも深刻。

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7分過ぎに奈良のカーター選手がベンチへ。どこか傷めたのかな? こうなると辛いのは奈良。代役の石塚選手は元ストークスとはいえ、サイズ不足は否めず。容赦なくそこを攻め立てリードを広げていくと、ついに谷選手がコーナースリーを沈めて13点差。これで流れは完全に西宮へ。

オフィシャルタイムアウト明け、なんとフィッシャーHCはブラッドに代えて土屋選手を投入。いやはや、いくらカーターがいないからって、思い切ったもんだ。それだけ土屋選手を買っているということでしょう。思うに、土屋選手や谷口選手が起用される時間が長いのは、相手の外国籍選手にぶつけるというより、ウィングディフェンダーとしての役割をこなせるからでしょう。それは「守れる」というより、「付いていける」「追いかけられる」というアスレチックな部分。

オフェンスではパスの中継役であると同時にスクリーナーになれる。ここがPNRを多用するフィッシャーHCにとっては大事で、サイズの問題でそれができない俊野選手や内藤選手より、この2人が重宝がられていそうなのはそのためでしょう。サイズやスキルはやや劣っても、シンプルな運動能力や体力なら引けを取らない。こんな風に活かす方法があるとは。

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試合はというと、やはり外国籍選手を1人欠く奈良には反撃するパワーはなく、メンバーを入れ替えながら西宮が危なげなく逃げ切り。というか、西選手のスリーすごかったね。

というわけで開幕節は2連勝で上々のスタート。俊野・谷選手の不調がありながらも、泥臭く走って守って勝てたのは、悪いなりにもなんとかできる地力がある証拠でしょう。俊野選手や谷選手は、フィッシャーHCのシステムにまだ慣れない様子。ボールを持つとすぐにピックが来るんだけど、それを使うのが上手くないというか、ハンドルしたりせずにもっとシンプルにシュートを打ちたいんだろうな。このへんをどう改善してくるのか、次節も楽しみです。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。


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