見出し画像

西宮ストークス観戦記#16 vs越谷2

GAME1では17点差のリードを追いつかれ、あわや大逆転負けかというところでなんとか踏みとどまった西宮ストークス。昇格組とは思えない、越谷アルファーズの緻密かつ潑溂としたプレーに、内容面では圧倒されていたように思います。とはいえ勝ちは勝ち。それを意味あるものにすべく、2連勝といきたいところです。

◉前日とは逆の立ち上がり

そんな西宮の立ち上がり、シュートがよく決まり、昨日とはまったく逆に7-0のランでスタートします。どこか良くなったのかと言われれば、別にやってることに大した違いはないよ。強いて言えば、道原選手をボールハンドラーにすることで確実にピックでズレをつくり、シュートに繋げたこと。ピック&ロールは今シーズンの西宮の基本戦術ですが、ユーザーつまりボールハンドラーになる選手のテクニックにはまだ差があり、西宮で一番上手いのは道原選手。フリップ(あるいはリピック)などでちゃんとマークマンを壁(ブラッドさん)に引っかけてから、インサイドへ入って行きます。

ちなみに2番目に上手いのは岸田選手かな。バーンズ先生もよくやるけどやや怪しい。松崎師匠と谷さんはお勉強中。

谷口選手が最初のアテンプトでオープンのコーナースリーを決めますが、続けては決まりません。1Qは1/3で悪くないように思えても、うち2本はワイドオープンだから。もう1本決めれば十分に脅威なんだけど、それはGAME1で書いたのと同じ話なので割愛。幸先良くスタートしたものの、シュートの確率はいまいち上がらず。そうこうしている間に越谷の長谷川&ヒンクル選手が当たり始め、逆転されて1Qが終わります。越谷の出だしは個人技での打開が多いように見えましたが、ボールが動く中で、しっかりと決められる選手が決めるという感じ。序盤のシュートミスを引きずらないのは、端的にすごいなと思う。

◉やるなら最後までやろう

2Qに入っても展開はそれほど変わりません。最初に書きましたが、西宮の目指したことはそんなに変わらない。ただ、その変わらないセットオフェンスをしっかりやり切ろうという意識は見られたと思う。「自分たちのバスケ」みたいなことかな。やるならちゃんとやろうぜ、と。攻守の切り替えが速く、どんどん前に出てくる越谷のようなチームには、まずはしっかりと攻め切ることが肝心。もちろん得点するのが一番だけど、相手に追いかけさせて、ディフェンスからオフェンスへの連続をスローダウンさせたい。攻撃は最大の防御ってことか。

一方で、中途半端にドリブルで中へ入ろうとしたり、曖昧なオフェンスをすると、すぐに囲まれてスティールされます。GAME1でも散々やられたように、状況判断に迷い、次のプレーへの繋ぎが遅くなると、この試合でもやはり越谷にボールを奪われていました。

要はあんまりドリブルをこねない方がいい。だからこそ、こういう単純なのが効くよね。

スクリーンショット 2019-10-21 19.39.40

スクリーンショット 2019-10-21 19.39.51

スクリーンショット 2019-10-21 19.39.59

「Horns」と呼ばれるセット(のはず)ですが、ブラッド&バーンズが両サイドからスクリーンをかけて、松崎選手が一直線にレイアップ。次のオフェンスもまったく同じで、スクリーナーの位置だけが左右入れ替わっていたのがちょっと面白かった。その次のオフェンスもそうで、苦しい時間帯に3回連続で使ってました。後半はたぶんなかったと思うけれど、確かに何度も使えない奇襲的なセット。

ナイスディフェンスの越谷が終始ペースを握りつつ、それでも道原&谷のスリーで挽回しながら西宮が付いていく流れ。最後は西宮が2点だけリードして前半が終わります。上手くいっていない部分もあるけれど、どこに問題があるかはわかっているようなプレーで、その意味ではひたすら中途半端だった前の試合からは改善したようにも見えます。

◉ボールを前へ!

前半の終盤に谷口選手が接触によって負傷するアクシデント。代わりにスタートした谷選手のスリーで後半が始まります。越谷はヒンクルを前列の真ん中に置く3-2ゾーン。効いているようにも見えるけれど、なんかむしろやりやすそうなのは気のせいか。アスフレ戦でもそんな時間があったように、対ゾーンだと攻めるパターンが決まってるからだろうか。

谷さんが信じられないようなパスミスをしてなかなか波に乗れないものの、相手のシュートミスやスティールから越谷のお株を奪う速攻を見せて、徐々にリードを広げていきます。とにかくボールをゴールの近くへ進める。それが越谷の勢いを止めることに繋がる。そんなオフェンス。

画像4

画像5

画像6

画像7

これなんかはお見事で、谷さんがスクリーンを使ってマークを引き剥がせていて、インサイドのミスマッチをつくれています。前半は中で選手が重なったりしていたのですが、ここではコートをワイドに使えている。松崎・道原もボールマンに合わせてポジションを変えていて、仮にインサイドに入らなくても、外でオープンができる。

後半はボールが止まるシーンが少なく、素早く攻められるようになりました。これはゲームに勝つためのアジャストという側面もあるけど、長い目で見れば必ずプラスになる。なんだか越谷に成長させてもらった気がする。ありがとう。

そんな攻める意識がディフェンスにも乗り移ったのか、気迫のこもった守りで、オンボールの一つ一つの局面で勝てる場面が増えていきます。土屋選手もジョーンズを相手によく頑張ってた。それを速い攻撃に繋げられるので、点差はぐんぐん開いて残り1分半で17点差。あれ、昨日の復習? 3Q終わって14点のリードを今日はすんなり勝ちに結び付けられるでしょうか。ちょっと不安。

◉試合を通して成長することもある

4Q、越谷はボールマンに対してダブルチームを仕掛けるなど、反撃の糸口をつかもうとします。しかし、冷静に切り抜け、得点していく西宮。ピックを使い過ぎずに、1on1で抜いてからパスを捌くシーンもあって、多彩さが増した印象。成長させてくれて、ありがとうアルファーズ。9点差まで詰められますが、危なげなく逃げ切り。

画像8

画像9

画像10

最終盤のオフェンスですが、これなんかも良かったなあ。ブラッドさんのピックをむしろ囮にしていて、ヒンクルの体重がそっちに傾いた瞬間、逆サイドへ抜いてる(そして松崎選手のコーナースリーをアシスト)。ピックプレーの場合、ディフェンスも付いてきて、スペースが狭くなることもあるからね。PNRをさんざん意識させておいて、最後は使わないというドS、いや冷静なプレー。昨日の宿題をきっちり片付けての2連勝は、中身が濃いものです。次節は強い広島が相手。どれだけ自分たちの実力を示せるでしょうか。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?