スクリーンショット_2020-03-15_10.40.34

西宮ストークス観戦記#55 @信州3

久しぶりの観戦記。ご存じの通りの理由で試合が延期されたため。Bリーグは無観客試合での再開となりました。

しかし、B1では北海道@川崎の試合がティップオフ直前に中止となったり、チームによっては選手が試合への出場を断念することになったりと、このまますんなり行くとは思えない情勢ではあります。だからこそ、試合が観られること、全選手が出場できる状況であることを今は言祝ぐしかない。「有り難い」とはまさにこういうことだね。

さて、そんな話とはまったく別に個人的にも変化があり、私事ではありますが、先日、第2子が誕生しました。というわけで、これまでのように長文を更新していくことはままならず、今回からはショートバージョンでの観戦記となります。事情を拝察の上、みなさまどうかご容赦ください。

と言って、お金をもらっているわけでもなし、誰に気兼ねをする必要もないのですが(いや、みなさまの貴重なお時間を頂戴しているじゃないか)。ん、出産祝い? ありがとうございます。広い家と睡眠時間かな。寸暇を惜しんで書こうとしているわりに前置きが長いぜ。

試合結果
信州ブレイブウォーリーアズ 81-63 西宮ストークス

試合序盤は付いて行けたものの、2Qに一気に離され、結果的にはほぼブローアウト。3Qに10点差まで詰めたものの、もう一歩追い上げられず、中地区首位を走る信州にプレッシャーを与えることはできませんでした。4Qの最後はガベージタイム。

ショートバージョンに切り替えるに先立ち、アンケートを実施しました。これまでいろいろその日の気分や試合展開に応じてやってきたのですが、更新を続けていくためにはある程度、書くことを絞ってフォーマット的にした方がよかろうと思ったためです。無観客だし写真もなくなって味気なくなりそうだけど仕方ないよね。

結果はこんな感じ(※これを書いている時点では継続中)。勝敗の分かれ目となったのはどこなのかを端的に書くべしとのことで、みなさん気を使ってくださったのでしょうか。でも、所詮は素人の書くことだし、「ここがターニングポイントです」と言っても何の説得力も持たないので、話半分か4分の1くらいに聞いておいてください。

◉試合のターニングポイント

というわけで、試合のターニングポイント、勝敗の分岐点となったポイントについて考えてみたいと思います。スコアだけを見ると、それほどコテンパンにやられた印象は受けません。2Qを除いてはね。ということはやはり2Qが鍵。何が起こったのでしょうか。

2Qの信州のFGを確認すると、FG8/13=61.5%(3FG4/7=57.1%)と、この試合の中でも突出して高いことがわかります。つまり、それだけ高確率でシュートを決められたということ。西宮視点で言い換えれば「高確率のシュートを打たせたてしまった」ということになります。

2Qの信州のシュート成功(8本)の内訳を見ると、レイアップが3本もあります。3割以上じゃないか。つまり、それだけドライブによるゴールへのアタックを許したということ。また、スリー成功4本のほとんどがドライブからのパスアウトでした。信州に好きなように守備を崩されたことが伺えます。加えて、このQだけで8本もフリースローを献上しており(7本成功)、そのシチュエーションもやっぱりドライブしてきた選手へのハンドチェックが多かったのでした。

では、なぜこれほどまでに守備を切り刻まれたのか。2Qの信州は、マクヘンリー選手が2分しか出場していませんでした。大黒柱がいないにもかかわらず点差はむしろ離れたわけです。その代わり、センターのマーシャルは10分間フル出場。ここにポイントがあります。

ポイントと言っても、そんなに特別なことをやっているわけではなくて、マーシャルが高い位置でスクリーンをセットし、ハンドラーがドライブを仕掛ける。それだけといえばそれだけ。ただ、これが決まりまくったのには複数のファクターが絡んでいて、西宮のガード陣がスクリーンに対してファイトオーバー(スクリーナーの前を通る)するためにどうしてもドライブに対して遅れてしまうことや、両コーナーにシューターがスタンバイしているためヘルプに行きづらいなどの事情があります。マクヘンリーがいない時間帯が多く、インサイドに広いスペースがあったことも一因。

だったらハンドラーが下がればいいじゃないかと思うけれど、それを許さないのがシューターをずらりと揃えた信州のラインアップ。アンダーすればプルアップスリーを打たれてしまう。それを嫌がってオーバーで守ってはみたものの、ドライブに対してマークマンが遅れ、ヘルプに行けばコーナーが開くわけで、そうするとシューターがオープンになってスリーも決まる悪循環。ならば、もう少し早く切り替えて、ハンドラーのプルアップスリーは捨てて、インサイドを絞って守っても良かった気はしますが。

画像1

画像2

画像3

これはまあちょっと特殊だけど、岸田選手が無理にオーバーしようとしたために後ろがぽっかり空いてしまってる。谷さんが気付いた時にはすでに遅し。バーンズ先生が「wow!!」みたいな顔してるのが笑える。こんな風に、バーンズのディフェンス時の運動量を含め、ヘルプポジションの取り方・動き方にかなり個人差があるのが西宮の課題。

画像4

画像5

画像6

画像7

もう一つ。この場面が面白かったのは、マーシャルがスクリーンをセットするより先に、10番の渡邊翔太がマーシャルを壁のように使ってドライブしていったところ。谷さんがヘルプに来ると、待ってましたとばかりにコーナーへ。西宮もなんとか対応したものの、ウィングに振られて最後はシュートファウルになった。これを見ても、信州はドライブによるペネトレイトをかなり意識の上位に置いていたことが感じられます。それを攻撃のスイッチにしていたみたいな。

ちなみに、ここでは浜高選手がハンドラーを追っかけ過ぎで、谷さんに任せてあっさりコーナーへ向かった方が良かったかもしれない。でも、そこでもまた岸田選手と被ってしまっていて、これはどっちが正解だったんだろう。

パッシングに対応してボールマンをフリーにしないようにするのは上手い西宮。このシステムは、選手によってムラのあるディフェンス力を、ルールを決めることによって一定レベルまで引き上げることを意図したものなのかもしれません。だけど、一線のところで簡単に抜かれると途端にしんどくなる。誰がどう動くのか、ルールはあるはずだけど、こういう連係は一気には高まらないよね。そして、そこを突いてきた信州。

◉西宮対策を打ってきた信州

信州にいいようにやられただけに見えますが(まあ実際そうだけど)、前回の対戦との比較で考えると、少しは見方は変わってきます。前回、西宮のホームで対戦した際には、信州はこれほどピック&ドライブを多用していませんでした。徹底されたスペーシングとボールムーブでスリーを量産する今シーズン通りの戦い方でした。

ところが、西宮のスイッチングディフェンスにより、シューター陣はスリーを気持ちよく打つことができず、3FG%も良くありませんでした。そのために試合は接戦となり、信州はインサイドや個人の能力を強調した攻め方に転じて辛くも勝利を収めました。

おそらくこの試合の信州の戦い方はこの前回対戦での反省を踏まえたものでしょう。パスファーストだった前回から、ドライブファーストに切り替えたのが今回。スリーを多用するのは同じだけど、ボールムーブによってそれを使うか、局地的な打開から活かそうとするのかの違いと言ってもいいのかもしれない。

言うなればそれは西宮が引き出した信州のアジャストでもあり、それを上手く実行できる信州のチーム力とタレントレベル。西宮のステップアップどうこうではない差が、現時点ではやはりあります。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?