見出し画像

西宮ストークス観戦記#15 vs越谷1

今節の対戦相手は越谷アルファーズです。今シーズン、B3から昇格したばかりですが、開幕戦で熊本を敗るなど、奮闘を見せています。ところが、得点源だったダニエル・オルトンがチームを離れることになるなど、何やらドタバタしている感じ。福岡との試合を少し観ましたが、まあ確かにオルトンは明らかに気持ちが切れていました。その意味では、代わりに入ったアレクサンダー・ジョーンズは勤勉な選手なので、一生懸命走る越谷にはフィットしそう。西宮としては、とにかく走ってかき回される展開にはしたくないところです。

◉そこしかない「狙い所」

ところがジョーンズ選手はベンチで、越谷はon1でのスタート。となると誰がブラッドさんをマークするのかと思ったら、テクニシャンとして注目が急上昇中の長谷川選手でした。うん、「重さ」という点では引けを取らないと考えれば合理的。ただ、西宮にとっては当然そこが「狙い所」で、ブラッドさんのところで得点しようとするんだけど、これが上手くいかない。アスフレ戦のように中を固められて、さすがのブラッドさんも自由に動けません。

ならば他の選手を使いたいわけですが、道原選手にはぴったりとマークが付き、ボールが渡りません。するとどこが空くかというと谷口選手。ここで決められれば相手も困るんだけど、決まらないんだこれが。決してシュートは下手ではない谷口選手ですが、本来は得点で貢献するタイプではありません。だから、谷口選手がドライブしたり、シュートを打つのは、相手にとってはマネジメントが上手くいってる証拠でもある。ただ、繰り返しになるけど、決められれば越谷もプランを変えざるを得ない。だから谷口選手の得点というのは確かに西宮にとっての武器になる「伸びしろ」ではある。でも、そう呼ばれてもう何年目だっけ? とも言えてしまうのでした。

まあ、西宮が「狙い所」を絞れるということは、越谷にとっては対策を講じやすいということ。逆に言えば、「狙い所」を設けることで、自分たちが対応できるパターンに相手を追い込める。肉を切らせて骨を断つ。「狙い所」というのは自分たちのチャンスのように思えて、相手にとっては案外わかりやすいものなんだよな。バーンズ先生のスリーが今季は入らないのも見透かされ、明らかにシュートを打たされている感じで、0-7のランを食らってしまいます。

まさかのビハインドスタートとはいえ、このまま終わるわけはなかろうと思っていたら、アスフレ戦でも流れを変えたバーンズ先生の掻っさらいスティールで追い上げ開始。岸田選手がプレッシャーをかけて焦ったボールマンに背後から忍び寄るあれって、ラグビーの「ジャッカル」みたいだよね。これを口火に、越谷のシュートが入らないこともあり、逆に9-0のランで一気に逆転。結局、16-13として1Qを終えます。

◉西宮をよく研究している越谷

2Q、谷さんのスリーがヒットし、このまま持ち直すかと思われたストークスですが、越谷がスティールからの得点を重ねて、逆転されてしまいます。

画像1

画像2

画像3

画像4

ボールを失ったシーンをざっと挙げてみましたが、これらはすべてセットの途中のプレーで、越谷が西宮のセットオフェンスをよく研究しているという印象。誰がどんなプレーをするのか、クセや苦手なプレーまで理解してディフェンスの狙いを絞ってきています。西宮の選手の距離感も悪くて、距離が空いているためパスにしろドリブルにしろ次のプレーへの切り替わりが遅くなり、苦し紛れのパスや不用意なボール保持を狙われています。

ボールハンドラーを多くして、攻撃の起点を増やそうとしている西宮。とはいえまだまだ発展途上で、そもそも苦手な選手だっている。多くの選手がボールキャリーをするということは、それだけリスクも増えるということ。それが露呈したというか、きちんと考えられた越谷のディフェンスであるという気がします。

タイムアウトを取った2Qの後半はそれが改善されて、ピックプレーを減らしてシンプルなパッシングゲームをしていました。するとスリーが立て続けずにヒットし、逆にスティールやリバウンドからの速攻も出て9点リードで前半終了。統制のとれたクレバーな相手には、あんまり考えすぎるなってことなんだろうか。

◉PNRを封印

後半は長谷川選手に代わってジョーンズ選手がスタートした越谷。序盤にヒンクルのスリーで差を詰めた後は、一進一退という感じでゲームは進みます。西宮も意図の曖昧なプレーが減って、きっちりシュートで終われるように。こうなると地力ではやっぱり西宮に軍配が上がるわけで、少しずつ差が開いていきます。

これを引っ張ったのがミスター・ストークス谷直樹。カットプレーでゴール下に飛び込んだり、ディフェンスリバウンドにダイブしたり、チームに活力を与えます。スリーも決めてなんと17点差までリードを広げた西宮。バスケットボールの流れの怖さを思い知る展開。このQはほんとにピックプレーが少なかったんだけど、これはたぶん2Qにやられまくった部分を使わようにしたんじゃないかな。PNRはフィッシャーHCの基本となる戦術ですが、そこをあえて外してきた西宮。狙い所のなくなった越谷は普通に守らざるを得なくて、そうなると強いチームが強さを発揮できるわけで。

とはいえ、越谷はヒンクル・ジョーンズ・長谷川が一緒にプレーする時間が短かったんだよね。攻撃に連続性が見られなかったのはそのためで、長谷川選手が出てきたら一気にスピードアップしたし、ヒンクルはしぶとくシュートを決めて、終わってみれば12点差とワンチャンある雰囲気の点差。頼むからQの終わりはもっとしっかり守ってくれ。

◉ターンオーバーに等しいシュートミス

嫌な予感は当たるもので、4Q序盤、越谷のシュートが連続で決まり、瞬く間に点差は1桁に。内藤選手がなあ…。決められるシュート、というかそれを決めなければ使ってもらえないシュートを外してしまった。西宮はミスが重なっただけでなく、イージーなシュートを落としては走られる悪循環。越谷はけっこう頻繁に選手を入れ替えてくるのですが、そのタイムシェアがここで活きた感じ。あれよあれよという間にリードを溶かし、残り5分半で3点差。まったくどちらに転ぶかわからない試合になってしまった。

追い上げられている時間帯はやっぱりオフェンスも悪くて、2Qと同じようにセットオフェンスにスピード感がなくて、足が止まっている状態でパスを受けているので守りやすいんだな。抜けないもんだから寄せられてパスミスが増える。越谷のような切り替えの速いチームにとっては、シュートミスがターンオーバーと同じような意味を持ってしまう。相手のシュートを落とさせてディフェンスが完結するのではなく、それをそのままオフェンスの起点にしようとしてるわけだから。

もはや追いつかれるのも時間の問題という感じだった西宮。案の定、残り3分を過ぎてヒンクルのフリースローで同点。マークしているバーンズ先生が明らかにお疲れ。仕方ないんだけど、そんなバーンズ先生にオフェンスの組み立てを頼ってるのはどうかと思うぞ。このQのオフェンスはほんとに酷くて、時間を使おうとするのか単に足が動いてないだけなのか、まったく相手を崩せない状態でシュートを打っている。それでもどうにか同点で持ちこたえて、残り1分18秒の谷さんの値千金のエンドワンで5点差に。その前の道原選手のバンクショットもすごかった。

この後は細かく書かないけど、せめてこれですんなり勝たないとダメよ。道原選手のパスミスもどうかと思うし、松崎師匠のフリースローの2本外しも話にならない。まあ確かに4Qの越谷のシュート確率は異常なんだけど、それを導いたのは自分たちの責任でもある。

最後のシュート、決めたのはブラッドさんだけど、道原選手を使ったのは納得できるところでした。ジョーンズがスイッチしてくると踏んで、オフェンスリバウンドまで計算してたんじゃないかな。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?