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西宮ストークス観戦記#56 @信州4

前回からショートバージョン。アンケートの結果も反映し、試合のターニングポイントにスポットを当てて書くことにしました。ご協力ありがとうございました。とか言いつつ、前回はだいぶ長くなってしまった。時間さえあれば書けるんだ。

■試合結果
信州ブレイブウォーリーアズ 78-72 西宮ストークス

6点差の惜敗で対信州戦は4連敗となりました。内容的にはこれまでで一番いい試合で、前半早々に2桁点差を付けられたところからファイトバックして、一時はリードもしていました。だからターニングポイントはどこかと考えると難しい。ずっと競り合いだったからね。勝つチャンスは昨日に比べれば格段に高まっていたはずで、それでも勝てなかったのはなぜか?

それはやはり4Q終盤の攻撃にあると思う。オフィシャルタイムアウト明けから、試合は信州の4〜6点リードを行ったり来たりします。これを2点差や3点差にできればまた違った結果もあったかもしれないけれど、その差が詰まらない。その原因は信州のディフェンスもあるけれど、西宮の攻めがやはり単調。ブラッドさんのインサイドで得点しようとし過ぎたために、狙い所がバレバレで、むしろ守りやすくなってしまった。

調子の良かった道原選手や谷さんやもシュートを打つのをためらうようなところがあり、自分たちで自分たちの首を絞めて、追い付くチャンスを逃してしまったような気がするのがなんとも残念。追いつくためには急がないといけないのに、モタモタしているように感じた方も多かったのでは。なぜ西宮はインサイドに固執したのでしょうか。

◉試合のターニングポイント

ヒントになりそうなのは、4Q7分過ぎから2分半まで、ファウルトラブルに見舞われた信州のマーシャルがベンチに下がっていたこと。西宮にとっては千載一遇のチャンス到来。ここを活かさない手はありません。しかし、ブラッドさんのローポストは逆サイドからのダブルチームによって封じる術を心得ている信州。せっかく厄介者のマーシャルがいなくなったのに、ブラッドさんが得点できない。ここに西宮の誤算がありました。

マーシャルがいないから、インサイドを攻める。うん、当たり前だ。誰でもわかる。俺でもわかる。大切なのは、西宮にとって攻めたいポイントが明確であるという状況は、裏返せば信州にとっての守るべきポイントもまたはっきりしているということです。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのです(byニーチェ)。

マーシャルの代役は佐藤選手。マクヘンリーにブラッドさんを守らせるのではないところもミソで、自分たちの守り方を崩すことはしない方針だったのだと思います。だってブラッドさんはダブルチームに行けばなんとかなるのがわかってるし。むしろ、マーシャルとの1対1の方が勝ってた感のあるブラッドさん。

この点、逆サイドのコーナーへ振るようなシーンもあり、GAME1よりはまだマシだったけれど、さらにもう一段階上の「取っておき」みたいなプレーは特になかった。そう考えると、ブラッドさんを使おうとしたというより、むしろ使わされていたのではないかとすら思えてきます。

4ファウルとはいえ接戦の終盤、もう少し早くマーシャルを戻しても良さそうなところを、ずいぶん我慢した勝久マイケルHC。あんまり出て来ないからファウルアウトしたのかと思ったよ。しかし、マーシャルをあえて戻さないことで西宮の狙いをインサイドに絞らせたという見立てもできるかもしれません。肉を切らせて骨を断つ。

あるいは、バーンズ先生にスクリーンをさせて、相手がスイッチしたところで日本人選手とのミスマッチを突いてポストアップするというパターンも多用していましたが、これも屈強な選手が多い信州相手には機能せず。攻めているはずなのに、なんとなく信州に巧みに攻めるパターンをコントロールされているような印象もありました。

なんだよ、てことは西宮の強みって結局は両外国籍だとヘッドコーチも思ってるということじゃないか。当然、この攻め方にはフィッシャーHCからの指示があったはずですが、それでも状況を見て自分で何とかしようとする日本人選手がいなかったのは残念。

ただ、4Qのそれまでの時間帯で、西宮の他の選手のシュートミスが目立った点を指摘するのはアーヴィン先輩。

岸田選手がフリーで打ったあのスリーはやっぱり決めないといけないし、速攻からいつもの空気を読まないスリーを打ったバーンズ先生の判断は正しかったのか(反語)。谷さんももったいないベースラインからのドライブがあったね。その前にコーナースリー決めてるんだし、ちょっと逃げたよなあ。そういうわけで、それまでの判断ミスがHCの指示も選手の判断も萎縮させたという考え方も可能でしょう。

◉謎に包まれたATO

ただ、がっかりしたのは残り29秒・5点ビハインドの場面。タイムアウト明けのオフェンスは、特にデザインされたものでもなく、ただ空いていたブラッドさんがスリーを打つというお粗末極まりないものでした。

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この試合、絶好調だった道原選手にボールを託すのはいいとしても、これだけディフェンスが整ってる状態じゃね。そもそもスクリーンがちゃんとかかっていないので、無理な1on1にしかならない。それでもスリーを打つならまだわかるんだ。2点差にすればワンチャンある。

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でも結局、ドライブコースもなく、ただちょっと中へ侵入を試みて終わり。谷さんはレーンを空けるために流れたと思いきや、そこで止まって何がしたかったんだ。バーンズ先生も謎に中へ絞ってるし。もしかしてほんとにブラッドさんのスリーを狙ったものだったの? いやいやいや、まさかね。

例えば、道原選手のアイソをデコイにして、谷さんがインバウンドした後、インサイドを経由して、ブラッドさんのスクリーンを使って逆サイドへカールしてスリー打つとかどうよ。そう言えば西宮って、シューターが動くセットって全然ないね。

タイムアウト明けのオフェンスはATO(after timeout offense)と言われ、どのチームも凝ったセットを使ってくることが多いもの。ましてやこの大事な場面。ヘッドコーチの見せ場でもあり、否が応でも期待は高まるのですが、期待した方が悪かったかな。こうなると、フィッシャーHCへの見方も変わらざるを得ません。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。


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