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西宮ストークス観戦記#5 vs奈良1

いよいよ2019-20シーズンの開幕。西宮ストークスはホームにバンビシャス奈良を迎えます。

アーリーカップでB1の滋賀を破って上り調子の奈良は、外国籍選手2人のグレードアップや日本人選手の補強にも成功した印象。オールラウンダーのフィッツジェラルドはじめ、自分から仕掛けられる選手が増えて、攻撃の迫力がアップ。勝てば波に乗れるし、反対に負ければズルズル引きずりそう。ディフェンスの圧力に対する弱さを露呈したアーリーカップでの悪いイメージを振り払って、強い気持ちで戦うことができるでしょうか。

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◉PNRで崩す序盤

スタートは岸田・道原・俊野・バーンズ・ブラッド。アーリーカップで調子の良かった岸田・俊野の新加入選手をいきなり先発させたフィッシャーHC。開幕戦で谷キャプテンをベンチスタートさせる度胸はなかなかです。それともまだ手首の調子が思わしくないのかな。

先制は西宮。フィッシャーHCが就任時に強調していたピック&ロール(PNR)を囮に、外に開いた道原へパスアウト。きれいなスリーが決まります。ブラッド−岸田のPNRに対して、道原・俊野がスリーラインで待てるのは強いよね。中へ寄せなければブラッドのイージー2だし。

奈良の高い位置でのプレッシャーがそれほど強くないこともあり、序盤はこのPNRと共に、パス交換からブラッドのポストアップを狙うオフェンス中心に攻めます。大崩れはしない無難な立ち上がり。急遽帰国することになったマンガーノの代役のカーターがどれくらい守れるか、試す意味合いもあったのかな。

で、これが案外守れて動けて球際に強いものだから、西宮は気持ちよくインサイドを攻められません。5分で7得点はすべてPNRから。岸田選手はアシストが2つとレイアップで全得点に絡みます。

◉違いを生んだスピードスター

奈良はカーターをストレッチさせて、空いたインサイドを使って上手く攻めます。カーターが外にいると、フィッツジェラルドのところがどうしてもミスマッチに。ふんわりしたフォームでスリーも打てるよ。

奈良ペースで進む1Q。何となく嫌な流れを食い止めたのは5分過ぎからベンチスタートのスピードスター松崎。ちょっとラッキー気味のバンクスリーを決めて調子に乗ったのか、積極的にボールプッシュをしてワイドにパスを展開していきます。若い岸田選手の活躍に刺激を受けたか。昨シーズンからは見違えるようだ。

中で点を取ろうとし過ぎていた感のある西宮にとっては、オフェンスに「違い」を生み出し、良いカンフル剤(死語?)になりました。15-19の4点ビハインドに抑えた1Qは、PGがそれぞれに活躍した10分間でした。

◉勝負どころはまだ先

2Qに入って西宮の攻撃がようやく機能してきた印象。ポストエントリーを工夫して、サイドにパスを散らしてから、ブラッドがダイブするパターン。ディフェンスも松崎選手を中心に足は動いてるんだけど、両外国籍にボールを集める奈良は勝負強い。

バーンズ&ブラッドを交代で休ませたり、選手の入れ替えが激しかった2Q。谷口選手や土屋選手がいいプレーもするんだけど、やっぱり控え選手が多くなると連係でのミスも増えるね。まあこれは当然。谷口選手はいいプレーの後に必ずボーンヘッドがあって、かと思えばそれを帳消しにするナイスプレーが飛び出す。この波がなくなればなあ。

そんな感じで、わずかな差とはいえ上回るには決め手に欠ける時間帯が続きます。あるいは、まだ勝負どころではないと踏んで、選手のミニッツを管理しているフィッシャーHCという気もする。

残り4分、バーンズのスリーでようやく逆転。土屋選手がナイスなシールしてました。土屋選手はどんどん良くなってきてる。スクリーンでもディフェンスでも重心が低くなって、持ち前の運動能力を使ってペリメーターも守れるよ。ストレッチタイプの外国籍をマークできることがわかったのは大収穫。

リードはしたものの離せず、結局1点ビハインドで前半終了。スターターになるとどうもセットにこだわり過ぎるのか。俊野選手が特にそうで、積極性を失ってしまっている感じがしてもったいない。ショットクロックバイオレーションで終えた前半最後の攻撃は、セットオフェンスと積極性の両立の難しさを象徴するものでもありました。

◉決まらないから離せない

後半は松崎選手がPGでスタート。すると、激しいディフェンスで奈良のターンオーバーを次々に引き出し、あっさり逆転に成功します。オフェンスファウルを取られたら、スティールでお返し。今日は松崎選手がノリノリ。バーンズのスティールまで飛び出して、7点差まで広げます。

で、リードすると例のチェンジング気味の3-2ゾーンにしたんだけど、これがあまり機能しない。後列がバーンズ&ブラッドだと、動ける範囲が狭い。あと、バーンズ先生のポジショニングがけっこう怪しいんだ。

そしてここから西宮のシュートが入らなくなります。フリースローミスなどで点差を広げられずにいると、ジリジリと追い上げる奈良。エンドワンはボーナススローを決めないと意味ないよ。徐々に奈良へ傾く流れを食い止めるのは松崎選手。得意ではないはずの3Pシュートやカットインでチームを救います。ただ、次の試合も入るかと言えば、そんなこともない気がする。

ブラッドがファウルトラブルで下がり、土屋選手イン。終盤、大事なフリスローを2本とも決める。偉い。ちゃんとフリースローを決めてれば、もっと楽な展開だったはず。でもやっぱりミスが出て、追い付かれないまでも3点リードでラストQへ。いやはや土屋選手は上出来だよ。

◉セクシー・バーンズ!

道原選手の見事なドライブで始まった4Q。奈良の外国籍選手に疲れが見え始めたところを、バーンズが身体をガンガン当てて行くドライブでフリースローを稼いでいきます。バーンズの速いとは言えないドリブルに追い抜かれるフィッツジェラルド。大丈夫か。奈良は外国籍選手の負担が大きい。

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中盤以降、西宮はバーンズ、バーンズ。狭いところに無理やり身体をねじ込み、問答無用にファウルを奪っていきます。ただ、やっぱりフリースローが入らなかったり、スリーが決まらず、確実性のあるオフェンスを積み重ねる奈良に追い付かれる展開。苦しい状況の中、プルアップスリーまで決める松崎。こうなると完全に確変。そうじゃないなら万々歳。

渋とくスリーをねじ込む横江、オープンスリーを決められない谷。残り2分、ついに奈良が同点に追い付きます。最終盤の西宮は、道原選手にボールを預け、ブラッドのハイピックを多用。うん、ここでエースを信頼するのはいいよね。見事なディフェンダーとの駆け引きで、ブラッドのゴール下をアシストします。さらに、それを囮に、谷のワイドオープンスリーをつくり出すものの、ここでも決まらず。うなだれるキャプテン。こんな日もあるよ。

その次のバーンズのスリーもやっぱり決まらず、勝負を決められない西宮。すると嫌な予感は的中し、奈良のコーナー3Pがヒット。残り30秒を切って、なんと奈良が逆転。おいおい。タイムアウトは取らずにバーンズ先生のセクシードライブに託す西宮。これが決まって再逆転。奈良のタイムアウト。で、このタイムアウト明けに西宮の選手がコートへ出て来ず、そのまま西宮に強制的にタイムアウトがコールされます。不満そうな奈良。そりゃそうだろう。テクニカルじゃなくて良かったよ。

大事な大事な奈良の攻撃。カーターのスクリーンを使って、西が見事なレイアップを決めてまたまた逆転。ブラッドもよく守ってたけど、ちょっとドライブに対するチーム全体での用意が無防備すぎたような。

追い詰められた西宮。速攻はファウルで封じられ、インバウンドパスから道原選手へ。ダブルチームを仕掛ける奈良。それでフリーになったバーンズに冷静にパスを回すと、残り時間ギリギリで起死回生のスリーが決まる! 残り0.9秒での奈良のシュートは外れて、辛くも西宮が開幕戦を白星で飾ったのでした。

◉入らなかったスリーとチーム力の底上げ

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後半は終始西宮のペースだったけど、突き離せなかったことで、終盤もつれました。その原因はやはりフリースローのミスや3Pが決まらなかったこと。なんで道原選手はフリースローが決まらなくなったんだろう。

3P:全体|8/25(32.0%)
   松崎|4/5(80.0%)、その他|4/20(20.0%)
FT:
全体|8/14(57.1%)

これでは苦しい。松崎選手の活躍(18得点)で、まさかの無得点に終わった谷・俊野の穴を埋めた格好です。

4Qの終盤でも、ピック→ドライブからのパスアウトでいいショットをつくれていたものの、決まらなければ仕方がない。バーンズ先生の頑張りは、それを見越した上での苦肉の策だったのでしょうか。フィッシャーHCは調子のいい選手を活かそうとする傾向があります。

とはいえ、試合を通して貫禄あるプレーを見せた道原選手や、きっちり結果を残した岸田選手、外国籍選手を下げられる余裕をもたらしてくれた土屋選手など全員で勝利をもぎ取った感もあり、その点はチーム力が上がったとも捉えられるのかもしれません。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。






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