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西宮ストークス観戦記#22 @福島2

GAME1では福島の勢いをまともに受けて、最後の最後で飲み込まれた西宮ストークス。実は今シーズン初めて2連戦の初戦を落としました。週末連戦がデフォルトのBリーグでは、GAME2でのリカバリーも見どころの一つ。さて、フィッシャーHC率いるストークスはどんな手を打ってくるでしょう。今日はその「修正点」に注目してみたいと思います。

◉テンポを上げてきた西宮

ティップオフ直後、ジャンプボールからのルーズボールを掻っさらった谷口選手がそのままレイアップで先制します。お、今日は気合入ってるじゃないか。その後もナイスなリムアタック。さてはこのツイートを見たな(そんなわけない)。

谷選手や松崎選手も積極的に仕掛け、攻撃のテンポを早めるという修正点がまずは見られます。良きかな。たださ、谷口選手はディフェンスを中心に集中力がいまいち。球際で競らないといけない場面でサボるシーンが多く、それが福島の得点に繋がってしまいます。うーむ。エナジーとか言ってる選手がディフェンスで抜いてたらカッコ悪いだけだぜ。

で、そんな谷口選手に代わって出てきたのが劉瑾選手。いきなり走ってポストアップしシュートを決めます。素晴らしい。やっぱり試合に出ないとコンディションなんて上がらないよね。エンドラインからのインバウンドに合わせてレイアップ、さらにフェイダウェイまで決める劉たん。データがないだけに、相手のディフェンスも戸惑っています。

劉たんの活躍でリードする西宮ですが、相変わらず好調な福島のシューティング。おかしいなあ、フローはいつか止まるはずなんだけど。西宮もそこまでフリーにしているわけではないのですが、高確率を維持。23-21と、ハイペースで1Qが終わります。とはいえ、ブラッド頼みのGAME1からはかなり改善されています。

◉躍動するツインタワー

2Qは劉&ブラッドのツインタワーでスタート。これが大当たりします。ただでさえネパウエがいなくて薄いインサイドに、両サイドでポストアップが展開されるため、福島にとっては守りづらい。日本人選手にマッチアップされている劉選手を中心に攻めると、これが決まる決まる。フリースローも大きく高く美しい弧を描いて2本ともイン。リバウンドからボール運びだってできるぜ。

ディフェンスでもツインタワーの存在感は大きく、ガード陣が抜かれても、どちらかがゴール下にいてくれる安心感。ジャヒードがシュートを打っても、劉たんがリバウンドに跳んでくれる幸せ。え、ツインタワーってこんなに楽だったの。初めて電動アシスト付き自転車に乗った時のような感覚。西宮が8点までリードを広げます。というか、1試合でただけでここまで仕上げてくる劉たんすごいよ。

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これなんて福島の選手が3人も劉たんに寄せている。見て、ブラッドがフリーだぜ。それ以上にフリーだった谷口選手がコーナースリーを見事に決めて、西宮が13点差までリードを拡大します。

正直、劉選手のここまでの攻撃での貢献はフィッシャーHCにとっても嬉しい誤算だったのではないでしょうか。おそらくツインタワーの第一の狙いは、福島のアタックからゴールを防ぎ、リバウンドを確実にキープすること。そうして福島の「流れ」を断っておいて、着実に得点し、リードを広げる。それがゲームプランだったように思います。

◉動きを止めるために動く

3Qは再びPF谷口でスタート。劉選手の活躍を目の前で見せつけられて奮起したのか、ボールの中継役を器用にこなしながら、味方のシュートをアシストしていきます。こういう役割が求められているのだと思う。ボールをキープするのを怖がって、すぐにパスするのではなく、自分でゴールへ近づく。そうすると相手も寄ってくるわけで、ズレが生じてくる。これで何かきっかけを掴んでくれると嬉しい。

西宮が12〜14点リードしながら、福島も難しいシュートを決めて、なかなか突き放すことができない展開が続きます。ここを止めれば…という場面が止められない。あと一歩のところで、リードはしているものの、緊張感を保ったまま時間は流れていきます。

谷口選手のシュートでついに16点差。これでやっと波に乗れるかと思いきや、その谷口選手のアンスポで再び福島が勢いを取り戻します。やれやれ。そんな嫌な流れを救ったのは劉選手。長めのミドルや囲まれながらのシュートも決めて、13点までリードを戻して3Q終了。危なかった。油断したら、いつでも流れを持っていかれそうなボンズ・スプラッシュマウンテン。それを食い止めるためには、単調な攻撃ではなく、自分たちも動き続けなくてはという決意と、それに伴うプレーが今日の西宮には見られます。そして、その中心は実は劉選手。

◉セットを「中心に」攻める

4Qもその流れは続きます。ツインタワーを使ってセットを組んでいるようで、仕掛けるタイミングを個人が自らの考えで変えてシュートに繋げ、それが西宮にとっての流れとなり、徐々にリードを広げていきます。セットを「中心に」攻めるということは、オフェンスのセットを練習通りにこなすのではなく、状況に応じてアレンジを加えてこそ。そのためには個々人が得点を目指す意識がなければいけません。今日の西宮にはそれがありました。

するとここへ来て、ついに福島のフローがストップ。それは確実に、西宮が攻めたことがもたらした焦りやプレッシャーだったはず。西宮のフローが、福島のフローを上回ったというの詩的にすぎるけど。オフィシャルタイムアウトを前に、西宮のリードは19点に広がり、大勢は決しました。

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これなんか最高だよね。ブラッドさんのローポストのためのセットだけど、そこからパスアウトして、最後はローポストの劉選手へパスを送るアシスト付き。これは岸田選手のアドリブだと思う。こういうのができるなんて、ストークスもすごい武器を手に入れたもんだ。

痛い1敗を喫した福島アウェー2連戦でしたが、劉選手の覚醒という想定外のオプションが手に入ったと思えば、充実したものだったのかもしれません。

余談。最後、控えメンバーになった時の浜高のロブパスからのトキオのアリウープは、マイアミ時代のウェイドとレブロンのやつを思い出したね。ダンクじゃないけどさ。わかる人だけわかってください。


※このnoteは単なるファンの個人的な感想であり、
西宮ストークスとは一切関係のない非公式なものです。

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