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一億光年の宝

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北海道別海町中春別の小幡牧場の日常をモデルとした考察の中から産まれたポエム、エッセイの数々。酪農と宇宙を探偵作家土木警備員の著者がコラボさせるなど、好き放題やっている。創作なので…
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#放牧

『男は荒野を進め』

僕だけが一億光年分の価値のある宝物を探しに行く。それは荒野を一人で歩く事と同じ位孤独な行為だ。 誰も僕の背中を押してはくれなかった。 誰もが一億光年分の価値のある宝物の存在を認めてくれなかった。 だから僕は、言葉で言葉で殴り付けてやることにした。 生かすか殺すか。生きるか死ぬか。 殴り付けても、殴り付けても、殴り付けても、誰も宝物の存在を信じてはくれなかった。 もう我慢の限界だ。 いつでも男は、荒野を一人で進む。 ヒタヒタと音を立てる。 足音が、僕の意識を軽

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昨日行った所とは違う、しばらく訪れていない放牧地へ早く行きたい。昨日とは違う発見があるはずだから。何よりも体が新緑と適度な繊維質を欲しているし。 小幡牧場

牛たちの寝床がキレイになっている。放牧帰りだろうか?気だるくて、スローだ。ゆっくりと動くことにする。牛たちは少しだけ、草が太陽から受けた恵みを人に分け与える事が出来る。 『今からゆっくり仕事をする』 写真 小幡マキ

仲間とね、新芽を探しに行く。 私たちは初夏と一つになる。 『初夏』

春を待ちわびていたら、あっという間に初夏が来た。ささくれ立っていた日々はすっかり忘れさられて。また、景色の一部になる季節が来ていた。 『放牧』

宝石のように輝く数々の写真をどうもありがとう。俺の探偵のルーツ、別海町中春別へ。大崎探偵事務所より。

木の葉がハラハラと散った。景色が裸になった。カサカサと同じ道を半世紀踏みしめて歩いてきた。私たちは変わらない。季節だけが変わる。 『半世紀の道』 写真 小幡マキ 文 大崎航