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U21イングランド代表のその後

 こんにちは、大阪スパーズです。今回は以前から気になっていた、U21イングランド代表に選出された選手は、その後どのようなキャリアを歩むのか、どれぐらいの割合でシニアの代表にステップアップし主要国際大会に出場しているのか、プレミアリーグで活躍できているのかを調べていきたい。

 今回はUEFA European Under-21 Championship(以下、U21 EURO)2013~2021の5大会分を対象に調査した。
 なぜU21 EUROを対象としたのかは、イングランドの年代別代表にとってU21 EUROが最後の国際大会になるためである。

表の見方

年齢・・・大会のグループステージが始まる時点での年齢。

現所属・・・2024年1月8日現在に在籍しているクラブ。

当時所属・・・大会当時に在籍していたクラブ。

育成クラブ・・・「transfer markt」「TRANSFER HISTORY」欄の一番最初に書いているクラブ。

評価について
S評価・・・EUROかワールドカップの本大会に複数回メンバー登録がある。
A評価・・・キャリアでの出場数が1番多いのがプレミアリーグで、なおかつ
イングランド代表に召集経験がある。(イングランド代表なら国際親善試合でも対象とした)
B評価・・・キャリアでの出場数が1番多いのがプレミアリーグ。
C評価・・・キャリアでの出場数が1番多いのがチャンピオンシップ。
D評価・・・キャリアでの出場数が1番多いのがリーグ1。

※表のグレーの網掛けは前回大会出場者.。
※※キャリアでの出場数が他国リーグの場合はイングランド国内の1番多い出場数で評価している。

2013イスラエル大会

大会成績・・・3戦全敗でグループステージ最下位に沈み大会を後にしている。

S評価 3名 A評価 5名 B評価 3名 C評価 11名 D評価 1名

 この大会は現在29歳~33歳の選手が出場した大会で、最年少は当時18歳のチャロバーである。この年代での出世頭はイングランド代表キャップ81、リバプールで492試合に出場したヘンダーソンで間違いないだろう。
 引退した選手もちらほら見受けられキャリアの晩年に差し掛かっている年代である。
 半数以上の選手がチャンピオンシップ以下でキャリアの大半を過ごしている。

2015チェコ大会

大会成績・・・3戦1勝2敗でグループステージ最下位で敗退。

S評価 3名 A評価 8名 B評価 2名 C評価 7名 D評価 3名

 この大会は現在27歳~31歳の選手が出場。最年少は当時19歳だったロフタス・チーク
 現在もっとも活躍しているのは現イングランド代表キャプテンであるケイン、その次は61キャップのストーンズで異を唱える人はいないだろう。
 約半数がイングランド代表経験者で世界トップクラスのケインを輩出、リーグ1での主戦場にしている選手が最大数でトップとボトムの差がかなりある年代である。

2017ポーランド大会

大会成績・・・3戦2勝1分でグループステージを突破。セミファイナルでドイツにPK戦の末敗れている。

S評価 2名 A評価 5名 B評価 7名 C評価 8名 D評価 1名

 この大会は現在26歳~29歳の選手が出場。最年少は当時19歳だったエイブラハム。この年代の出世頭は、移籍当時イングランド史上最高額を記録したグリーリッシュだろう。
 この年代は前回大会からの連続して選ばれた選手が多い。5大会で唯一グループステージを突破している。

2019イタリア・サンマリノ大会

大会成績・・・3戦1分2敗でグループステージ3位で敗退。

S評価 2名 A評価 8名 B評価 6名 C評価 7名 D評価 0名

 この大会は現在23歳~27歳の選手が出場。最年少は当時19歳だったフォーデン。現在もっとも実績があるのもフォーデンだろう。
 フォーデンとマウントというユース時代から評価の高かった2選手が出場した大会、16選手がプレミアで活躍と最多である。

2021ハンガリー・スロベニア大会

大会成績・・・3戦1勝2敗でグループステージ最下位でグループステージ敗退。

S評価 1名 A評価 7名 B評価 7名 C評価 6名 D評価 2名

 この大会は現在21歳~25歳の選手が出場。最年少は当時19歳だったマドゥエケ。現在もっとも実績があるのは2020EURO、2022ワールドカップメンバーであるラムズデールである。
 まだ年齢的にピークを迎えていない年代なので評価の変動はまだあるだろう。

5大会の評価まとめと感想

 ※まとめの表では複数回出場の選手は最初に出場した大会でのみカウント

 評価をまとめると、どの大会も大体同じような評価になっていることがわかる。S評価~B評価をまとめると約60%の選手がプレミアで1番試合に出ていることになる。

 年代別代表、最後の国際舞台であるU21 EUROに出場した約10%がシニアの代表の中核を担っている。ここから考えるとイングランドの主要大会のメンバーは、大体半分少し欠けるぐらいがU21 EUROの経験者で構成されていそうである。

 U21 EUROのメンバーに入るという、その年代のエリートの選手(U21 EUROを飛ばしてシニアの代表に選ばれる超エリートもいるが)の40%がチャンピオンシップ以下でキャリアの大半を過ごしているのは少し意外である。

 以上がU21イングランド代表のその後である。U21に選出されている選手というのは育成クラブの欄を見るとわかるように、大体1クラブ1人いるかいないかである(チェルシーは除く)。そこから考えると2年間でそのクラブのアカデミートップの選手が選出されているわけである。その選手たちでさえ40%がチャンピオンシップ以下でキャリアの半数を過ごしている。1クラブのアカデミー出身の選手がプレミアで活躍し定着するのは、ほんの一握りであることが再度確認できた。

 選手の育成って本当に難しい…。

 好評ならU20ワールドカップに出場した選手のその後もやろうかなと思います。

 ご意見、感想お待ちしております。最後までご覧いただきありがとうございました。


 
 

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