太刀魚豪快一本天丼
JF沼津我入道漁協直営食堂「市場めし食堂」(静岡県・沼津市)
静岡・沼津港のほとり、漁協直営の水産物展示即売所2階に2020年7月に開業しました。
のれんをくぐると、市が認定する「おさかなアートクリエイター」の肩書をもつスーパー小学生・鈴木翔太君の海と魚を描いた壁画が出迎えてくれます。
海側に沼津港、山側には富士山と絶好の景色の中で、お値打ち価格の地魚料理が楽しめます。
映えること間違いなし「豪快一本天丼」
一本釣りの小船36隻が所属するJF沼津我入道漁協の特産は、駿河湾で獲れたタチウオ。
西日本では人気の魚ですが、地元含めて東日本での知名度はあまり高くありません。
そんな現状を打破しようとメニューの多くをタチウオ関連で揃えました。
中でもド派手な見た目なのが、青嶋浩参事がいち押しする「太刀魚の豪快一本天丼」です。
丼の直径の2倍はあるタチウオの天ぷらの見た目は 圧巻 のひと言です。
野菜の天ぷらは同じく静岡県東部の御殿場JA直売所で仕入れました。
コメには御殿場コシヒカリを使用しています。細部まで地元産品で揃えています。
「インパクト重視なんです」と青嶋参事が語る通り、SNSをしていなくても思わず写真に収めたくなる見栄えをしています。
使われているタチウオは「魚市場の規格では小サイズ」に相当するそうですが、食べ応えは抜群。
日替わり味噌汁はカニ入りで香の物まで平らげて1,000円台前半はお得感があるなあ、と感じました
タチウオを地元に浸透
沼津港でのタチウオの評価は極端で、良型はほとんどが高級魚として県外出荷されていきますが、一尾200~300グラムの小型魚は安値で取引されます。
地元の漁師が頭を悩ませていたこのジレンマを解決するため、今回の「市場めし食堂」のプロジェクトは立ち上げられました。
魚市場の買参権を取得した漁協が小型タチウオを相場上でセリ落とします。
底値にくさびを打ちこむことで、タチウオの全体相場のアップにつながっているということです。
漁協が仕入れた魚は直営の食堂でPR用に有効に活用します。
特に小型は薄皮で、身との間の薄脂は刺身でこそ生きます。
港からすぐの高鮮度だからできることだそうです。
青嶋参事は「沼津港には東京方面からの観光客が多いですが、あちらでのタチウオの知名度はまだまだです。
まずは地元の人々に知ってもらって、ゆくゆくは市民が誇りをもつ特産に育てて、市の観光の目玉にしたいと思います」と、壮大な構想を描いていました。
耳寄り情報
1階即売所との共通ポイントカードがあるのも地元PRを重視しているためです。
500円ごとにスタンプ1つがもらえます。30個集めると「定食1食無料か土産1,000円割引券になります」(青嶋参事)。
規定数を集めた暁には、豪華かつ珍しいタチウオ蒲焼定食などを堪能したいところです。
店舗情報
営業時間 午前11時-午後3時(ラストオーダー午後2時)
営業日 土・日・祝(定休日は不定休)
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