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最近読んだ本【10月9日】

9月から現在にかけて仕事が非常に忙しく、土日も出勤するわ連日夜の10時を過ぎて帰宅するわでなかなか本を読む暇がありませんでした…。

そんな中でも昼休みなど時間を見つけては少しずつ本を読んでいたので今回はそうした本たちを紹介しようと思います。

1.「生き物の死にざま」「生き物の死にざま はかない命の物語」稲垣栄洋

すべては「命のバトン」を繋ぐためにーーー
ゾウ、サケ、セミ、ミツバチ…
生命の【最後の輝き】を描く哀切と感動の物語。
【本書帯引用】
生きるとは、何だろう?
死ぬとは、何だろう?
コウテイペンギン、ツキノワグマ、ホタル、カエル…
限られた命を懸命に生きる姿を描いたベストセラー『生き物の死にざま』、待望の姉妹篇!
【本書帯引用】

子供が書店の生き物コーナーに立ち寄った時にたまたま見つけた本。
タイトルの通り様々な生物の「死にざま」が物語調で描かれています。
生き物が生まれて死ぬまでを淡々と図鑑のように紹介するのではなく、物語としてドラマチックに表現されているので最後まで世界観に浸る事が出来ました。
絶食状態で卵を守り、最後は生まれてきた子供達に自らの体を食べさせるハサミムシ。
生まれてわずか4、50日にして首を切られて殺される食用の鶏。
卵と共に化石で発見された為に他の恐竜の卵を襲う「卵泥棒」と名付けられた恐竜の大いなる濡れ衣と愛ある真の姿。

自分たちに身近な生き物たちから恐竜まで、様々な生き物の「死にざま」を通し「生きざま」を伝える本書。
正直購入した時は軽い気持ちで購入したのですがその中身に引き込まれ一気読みしてしまいました。

次の命を伝える為に命懸けで生きる生き物達。
時として自ら命を経つ私たち人間。
人は生き物から学ぶべきことがたくさんあると感じた本でした。

2.「メンヘラの精神構造」加藤諦三

メンヘラとは、メンタルヘルスを略した言葉に由来する。人は成長の過程で、心理的課題を解決しながら生きている。子供の頃から両親をはじめ周囲から否定された経験を重ね、問題をどう乗り越えるかを考え、人生で何度も経験する葛藤と戦ううちに自分の長所、固有の素晴らしさに気づく。しかし、その葛藤を避けて解決しようとせず、それゆえに人間関係のあらゆる場面で問題を起こす人たちがいる。本書はこのメンヘラと呼ばれる人びとの精神構造に焦点を当てることで、「誰もわかってくれない」という心理の根本にある被害者意識とナルシシズムを分析、解説する。
【本書解説引用】

メンヘラという言葉は皆さんご存知だと思います。
「もぅマジ無理リスカしょ。。。」のようにすぐリストカットをする人…だけではなく、広い意味でのメンヘラ、つまり「精神に何らか異常をきたしている人」に関して解説されている本です。
人間関係で常にトラブルを起こす人、すぐ怒る人、自分だけ責められている不幸な目に合うと思っている人などなど、リストカットする人含め全て「メンタルヘルス」つまり「メンヘラ」となります。

その根源は自己愛の強さ、「ナルシシズム」が原因と本書では記されており、自己愛が強い故に思考が自分主体で人の気持ちを推し量る事が出来ない。自分主体でしか考えられないから「自分ばかり酷い目に合う」という思考に至る。メンヘラの親は素晴らしい親を演じている自分を愛しているだけであって子供を愛しているわけではないなど、なかなか現代人には刺さる人が多そうな直接的な言葉で解説されています。

世界の中で家族といる時に、もっとも生きがいを感じないのは日本の若者である。
つまり、日本はナルシシストの国なのである。
【本書引用】
成長の過程でナルシシズムを解消できている人と、色濃く残っている人とでは、人生が大きく違ってくる。ナルシシズムが色濃く残っている人には、幸せな人生を期待することはできない。
【本書引用】

大丈夫ですか?
あなたはメンヘラになっていませんか?

3.「養老先生、病院へ行く」養老孟司 中川恵一

・「老い」と「病気」の違いとは
・愛猫「まる」の死を経て感じた『身近な存在の死』との向き合い方
・医師、解剖学者の目からみた現代の「医療システム」の仕組み
・残していく家族にできる準備
・自分の「身体の声」を聞こえるようにしておく
【本書帯引用】

病院嫌いで有名な養老先生が病院に行った!?
という出来事がエッセイになりました。

自身の大病や愛猫の死を通して帯に書いてある内容を養老先生と先生の主治医であり教え子でもある中川先生が語る内容となっています。
特に印象に残ったのは「都市」という考え方で、

都市に住んでいると、すべてのものに意味があるように思われます。それは周囲に意味のあるものしか置かないからです。
ー中略ー
それに慣れきってしまうと、やがて意味のない存在を許せなくなってしまうのです。
ー中略ー
でも現実はそうではありません。山にいって虫でも見ていれば、すべてのものに意味があるのは誤解であることがすぐわかります。
【本書引用】

養老先生は都市化が進めば進む程「意味のあるもの」しか存在しなくなることを危惧しています。
この世の中は決して意味のあることだけで成り立っているわけではありません。「意味」に囚われ生きる生き方は窮屈だということを改めて考えさせられました。

4.「実力も運のうち能力主義は正義か?」マイケル・サンデル

ハーバード大学の学生の三分の二は、所得規模で上位五分の一にあたる家庭の出身だ。にもかかわらず、彼らは判で押したように、自分が入学できたのは努力と勤勉のおかげだと言うーーー
人種や性別、出自によらず能力の高い者が成功を手にできる「平等」な世界を、私たちは理想としてきた。しかしいま、こうした「能力主義(メリトクラシー)」がエリートを傲慢にし、「敗者」との間に未曾有の分断をもたらしている。この新たな階級社会を、真に正義にかなう共同体へと変えることはできるのか?
超人気哲学教授が、現代最大の難問に挑む。
【本書解説引用】

図らずも「親ガチャ」が日本で取り沙汰されるようになりましたが、本書はその「親ガチャ」思想を詳しく解説した内容となっています。
ある人が高い能力を有しているのは「運」によるものであって努力や勤勉による賜物ではないと本書は記してあり、それに関する実際のデータや歴史の引用を多く用いて詳しく解説されています。

この世は全て「運」で出来ている。
と言ってしまえば非常に味気ないように感じますが、この考えには概ね同意します。
今や「努力」ですら性質によっては出来る人と出来ない人が存在すると言われているらしく、そうなるといよいよ全ては「運」次第という考えが強くなります。
本書の最後の方ではこの「運」によって生まれた階級社会を解決する方法が書かれていますがそれはあくまで能力を有して生まれた人の考え方に依存すると感じました。
では生まれながらに能力を持たずに生まれた人、「運」に見放された人は一生劣等感を感じながら生きなくてはいけないのでしょうか?私は自分なりに考えてみました。

「親ガチャ」が表すように世の中が「運」出来ているのであれば正直どんなに頑張ったところで人生が大きく変化するとは思えません。しかし、この「運」は自分の行いで捻じ曲げることが出来ないでしょうか?
宝くじが当たるのは「運」です。その「運」を高い確率で引き当てるには単純な話くじをたくさん購入すれば良いわけです。
それを人生に置き換えてみると、例え自分が一つのことに対して「運」が無かったとしてもたくさんの分野に対してトライすることでいつか自分にとっての「あたり」をひくかもしれません。
算数の才能が無くても英語の才能はあるかもしれない。野球の才能が無くてもサッカーの才能はあるかもしれない。親は最悪だが自分は最高になれるかもしれない。
それらは英語に出会わなければ、サッカーに出会わなければ、その後の人生を生きなければわからないことです。
それらに出会うことすら「運」だと言ってしまえばその通りです、お金を持っている人たちの方が人生のくじを引くチャンスは多くあるというのもその通りだと思います。しかし、それらは「運」を掴もうとするのであれば余計な思考です。とにかくくじは引かなければ当たることもありません。
せっかく生き方が多様化している世の中になってくれたのですから、生きている限りできるだけ多くのくじを引きましょう。とにかくたくさん引くこと、色んなことにチャレンジすることこそ「運」に見放された人が抗える唯一の手段だと「今の時点では」考えてます。

正直これはパッとした思いつきなのでもう少し深く考える必要がありそうです(笑)

最後に

11月まではまだまだ忙しい日々が続きそうです…。
読書もしたいですが、ゲーマーの私としてはゲームもしたい。なかなか趣味に没頭出来る時間が取れませんが、それでも楽しみである読書やゲームは出来る範囲でやっていきたいと思います。

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