自分探しの西遊記ー5:知らないおばちゃんの車に突然乗せられて地元の食堂に連れて行かれた話(四万十川)

・知らないおばちゃんの車に突然乗せられて地元の食堂に連れて行かれた話(四万十川)


大変ながらくお待たせ(待たれているのかは疑問だが)しました!

一人旅の旅行記、四万十篇です。

四万十駅に着いたのは3/3、旅を始めて12日目のことでした。高知市から移動してきたので、着いたのは夜の7時半とか。二泊三日のつもりだったので、少しの時間も無駄にできないとすぐに宿を飛び出して散策しました。この時期はシラスウナギ漁をしていると聞いており、その川面に浮かぶ灯りをつけた船の光景が絶景らしいということで、その写真撮影を狙います。


これは旅行中いろんな場所で思ったことなのですが、本当に田舎にいくと懐中電灯なしでは夜出歩けないくらい暗い。四万十も例に漏れず、携帯していたライトがなければ全く出歩けなかったと思います。

シラスウナギ漁は河口に近いところで行うので、とりあえず四万十川をくだって行きます。片道5kmほど、真っ暗な中をてけてけ。田舎で、街灯もない真っ暗な場所だとどうなるか。

星が降ってきそうな夜空がどかーんと広がります。


星空にはバンプの曲が合うんだわ。他に通行人なんていないので歌いながら1時間近く歩きます。


しかし、河口が見えるくらいのところに来てもシラスウナギ漁の船は見当たらず。残念。せっかくなのでしばらく星を眺めていきます。

わかりづらいけど満点の星。中央やや右下にオリオン。その左にシリウス。

星座の区別がつかないくらいの量です。流れ星もちらほら。

昔の人がこの満天の星空の中に星座を見出したっていうことは知識としては知っているのですが、どの星も明るく見えるのでよくそんな風に星の中に絵を描く気になったなと思います。イメージで言うと紙の上に無数のわずかに大きさが違うだけの点をたくさん書いて、その中に絵を見出す感じ。しかもその絵が共通認識として現代に至るまで伝わってきているのがすごいなと思います。

結局宿に帰ったのは11時半過ぎで、疲れたのですぐに寝ました。

翌日は、チャリを観光案内所で借りて、四万十川沿いを走り回ります。四万十川にかかる橋には沈下橋と言うのがあって、この橋は台風などで増水すると水の中に沈んでしまうように作られているらしいです。その橋を目標地点に往復します。さすがは四万十、風光明媚な場所が多かったです。一方で巨大な岩石採掘場などが景観をぶち壊しているところもあり、しかしそこで作ったアスファルトの恩恵を都会暮らしで享受している自分としてはなんとも複雑な気持ちになりました。

沈下橋。柵がないので、車が通るときはヒヤヒヤ。
四万十川の菜の花畑にて

夜ご飯は少し奮発して地元の居酒屋で川魚のゴリの唐揚げとカツ丼を食べました。ゴリは四万十の名物で、滋味あふれるサクサクとした唐揚げはお酒似合いそうでした(飲んでない)。

正直、もっと色々食べたかったのですが、まだまだ旅は続くわけで、ここで浪費するわけにはいかんと泣く泣く諦めました。こんな感じで旅行中は結構その土地の名物を食べるか否か、観光地にお金を払ってでも入るか否かを迷ったりしてキツかったです。

夜ご飯を食べ終わったら明日以降の食料の買い出しへ。スーパーの値引き祭りで全て半額で仕留めて達成感がすごかったです。が、やっぱりせっかくの旅行なのにこんな風に節約を目的に動くのが正しいのかと悩んだりもしていました。

怒涛の半額シール


四万十滞在の最終日は、その日のうちに大分まで行く予定だったので朝早く出ます。

バスが全然ないので、午前7時前のバスしか選べず。四万十川沿いをバスで上り、江川崎と言うJRの駅から電車に乗ります。江川崎では4時間ほど空き時間があったので、キャリーケースを引きずってプラプラ。

最後の2時間で沈下橋を見に行ったのですが、その沈下橋で写真を撮っていたおばちゃんに声をかけられます。京都から来て旅をしているということを言うと、へえ、それじゃ電車の時間に間に合うように美味しい店に連れて行ってあげようと言われ、気づいた時にはもうそのおばちゃんの車に乗っていました。

自分でも何が起こったのかよくわからない。


車で10分ほど、徒歩では絶対にいけないような場所にある食堂に向かいます。おばちゃんは四万十のすぐそばに住んでいるらしく、ドライブが好きでこの日は沈下橋を巡っていたそう。食堂に着くと、突然財布に金がないと言い出し、僕のキャリーケースをのっけたまま車でお金をおろしに行ってしまいました。あれ、これってそういう新手の泥棒…?帰ってこなかったらどうしようとか、と少しだけ心配になりましたが、ちゃんと戻ってきてくれて、川海老の塩茹でとゴリ丼をごちそになりました。美味しすぎるし人との出会いが楽しすぎるしで、本当におばちゃんには感謝しかありません。結局名前も聞かないままでしたが、この場で感謝を表明しておきます。

食堂そばの橋。さすがの景色。
ゴリの卵とじ丼と、川海老の塩茹で。エビは殻ごと食べれます。


最後は駅まで送ってもらって、自撮りツーショットを撮って別れました。

その後は電車に乗って愛媛の八幡浜まで行き、そこで船に乗って大分へ渡り、無事に行程を終えて快活クラブで一泊しました。次の日に阿蘇を抜けて福岡の柳川へ向かいました。

さあ、次回からは柳川篇です。柳川には6泊し、本当にいろんな経験をしたので、三話に分けてお送りしたいと思います。

お楽しみに!



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