自分探しの西遊記ー2:旅を始めて三日目には魚を捌くことになった話(岡山市)

こんにちは。


土産話を始める前に、まず今回の旅の趣旨を話さなくてはいけませんね。

元々、あんまり旅行というものをしたことがなく、特に一人旅なんて、寂しいだけだし自分には向いていないと思っておりました。

しかし、2回生が終わってしまうという焦りと、大学で何を得たんだろう?とモヤモヤしたものが襲ってきて、親以外で自分よりも長く生きてきた人たちを見てみたいと思い、それには一人で各地を転々とするしかないという結論に至らざるを得なかったのです。

結論から言えば、一人旅ほど気楽なものはないと思ったし、今後も多分軽率に一人旅に出るようになると思うのですが、その考えに至るのはまだ後の話。


さて、旅を始めるにあたって、まずは親の知り合いの人々のところを転々とするのはどうだろうか、素性も知れているし受け入れてもらいやすいだろうと浅はかな考えを抱きました。そこで親に紹介してもらった四人ほどの方にアポを取ったわけですが、マンボウが出ている中で京都からの旅人を受け入れるなんてリスキーもいいところです。結局OKを出して頂いたのは岡山のKさんだけでした。

そこで僕は開き直り、じゃあもう岡山に数日泊まらせていただいたあとは何も計画せずに行こうじゃないかという無謀な考えに走りました。計画したんじゃなくて無計画したんですね。今考えると冷や汗もんです。


そして待ちに待った旅行開始日の2月20日は、旅の雰囲気を掴むために姫路に行って一泊し、姫路城を見学しました。

この写真の少し前は雪がちらついて風も強く、普通にツラかった


まあ雪は降るわ寒いわお腹は空くわで、もう帰りたくなってやんの。

しかしグッと堪えて、翌日、岡山のKさん宅に向かいました。



岡山のKさんは、本業は医者なのですが、尺八のプロでギターの修理師で古いチャリ収集家とかいうよくわからん人です。

住んでいるアジトにはギターが数十本、古いチャリが数十台、、、。車も公道でも見たこともないくらい古いものが何台も。

陽気な方で、くしゃみの後にはOH YEAHがつく不思議な方でした。ハックショーンオゥイェァ。


ここ岡山では、想像以上の歓待を受けました。

到着していきなりビールを渡され、乾杯。(元々ビールは苦手だったのですが、この旅行中飲む機会が結構あって、だいぶ慣れました。)夜ご飯にはデッカい牡蠣やミルガイ、おでんなどを頬張りながら美味しいお酒で酒池肉林。京都の友人には生きるか死ぬかのサバイバルっぽいことを言っていたのに、こんないい思いをしてると知られたら懲らしめられちまう。

デカすぎる牡蠣




と、ここで、Kさんは明日3月22日が誕生日であることを聞かされます。

おや、これは僕の腕をふるう時がもう来てしまったか?こんだけの歓待をして頂いたんだから、こちらも全力で答えるのが筋ってもんだろう。

早速京都で友人に料理を振る舞いまくってる話をして、それじゃあ材料費は出すから明日の朝市場に買い付けに行って魚をおろして、それでなんか作ってくれよとのこと。

お任せください。


というわけで次の日は朝4時半起床で市場に行き、活マダイを仕入れて来ました。

生きてるマダイを買ったのは初めて。


それで作ったのがこれ。


活マダイの花造り


すごいやろ(ドヤ)

他にも味噌汁を作ったり、タイのカブト煮を作ったりしました。もちろんシメにはこの刺身を漬けにしたものに熱々のだし汁をかけて鯛茶漬け。何人か呼んでの宴会になったのですが、みんなに喜んでもらえて鼻高々だったのでした。


Kさん宅で思ったのは、料理と音楽のチカラの強さでした。包丁一本あれば相手を喜ばせることができるというのは前々から感じていたのですが、それが旅先でも発揮できたことでより料理の共通言語性を実感しました。そしてそれは音楽も一緒で、Kさんの尺八やKさんの息子さんのギターを聞いていると、これ一本で世界を渡っていくこともできるんだろうなと感じたのです。僕自身はギターは少ししかできないので、これを機にピアノとギターの練習をちゃんとして、武器として携行できるようにしたいなと思いました。

Kさんが所持しているギターを一本購入させてもらうことになったので、京都に帰る一日前に岡山に一泊することにもなりました(だから最後の日まで2万円を残しておかなくてはいけなかった)。

岡山では他にもハーブ農家の見学に連れていって頂いたり、ジャズバーで尾崎豊を熱唱したりと経験値を一気に高めました。毎日温泉にも連れて行っていただきました。本当にお世話になりました。

この魚料理で気に入られてしまって、高知へと連れて行かれることになるのですが、それはまた次回の話に。



それではまた。




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