ホワイト化する靴業界。
この2つの画像はビブラム社のハーフソールです。
同じ様に見えますが、全く別物です。
上の画像がビブラム#7373というハーフソールです。
下の画像がビブラム#7673というハーフソールです。
違いは、vibramのロゴが六角形で囲まれているかどうかの見た目の違いだけではありません。
素材が全くの別物で、摩耗率の数値だけ見れば、#7673は#7373の8割り増しの早さですり減ると言えます。
そして、#7373は1ミリ厚の物があるのに対し#7673は8割増の1.8ミリ厚となります。
材料としての価格は、#7673は#7373の約55%程度です。
#7673は比較的容易に綺麗な仕上げが可能で、接着も容易と言う職人側にとってのメリットがございます。
要は、#7673は#7373に比べて、安く、簡単に綺麗な仕上げが可能な反面、耐久性は劣り、分厚く仕上がると言う事です。
以上の事から、華奢なソールの婦人靴を雰囲気を損なう事なく、丈夫にする場合、#7373を選択する事が良いのお分かりですよね。
そして、その素材を用いて修理すると言う事は修理にかかる時間も費用も違って来ると言う事もご理解頂けると思います。
一昔前は、職人側が都合の良い様に素材を用いて修理をしておりましたが、職人すら知らなかった、素材に関する様々な情報が民主化した現代、本当にいい仕事をしたいと思っている職人は情報を集めて真面目に仕事しており、エンドユーザーにとって都合の良い情報を発信しております。
もう、職人にとって都合よく稼げる時代は終わり、靴屋のホワイト化が始まったと言う事です。
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