病床の蝉200402

 健康な人も半年に一度くらいは血液検査をしておくとよいという。持病のある人は、二ヶ月に一度。蝉川の場合は、一ヶ月に一度。

 行きつ戻りつの体調だが、糖尿は長くお付き合いする病気なので仕方がない。今回もまた、薬が増えた。増えるのが刷り部数とか印税ならよいのだが、まあなかなかそううまくはいかないものである。

 金のかかった総合病院というものはなかなか大したもので、さっそく入り口にサーモセンサーが取り付けられていた。発熱のある人が通ると発報し、発熱者控えに通される仕組みだという。こういう目に見える取り組みは、今が非日常であることを教えると共に、頼もしくもある。

たまの外出ということで、奮発していい蕎麦を手繰った。いつでも傍にあると思った平和も今は遠く、手繰り寄せるのも難しいほどになっている。

 願わくば、世界中の人々が、肉体的、精神的、社会的、経済的に恢復しますように。私が死んでそれが叶うのなら、喜んでこの命を差し出すのだが。



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