神戸市は事務事業評価がないから、神戸モデル増税の使途を計算したpart1

大阪市減税会 事務局 陰気なたまむし (@inkinatamamushi) です。関西で継続的に減税活動し活動報告をしますので、フォロー頂けたら幸いです。
 今回は、神戸市の法定外目的税である、神戸モデルによる増税分の使途を計算しました。

神戸モデルとは

 神戸モデルとは、神戸市が独自で行なっている認知症対策で、その財源は法定外普通税、つまり増税によって賄われています。その内容は、主に2つで
1.認知症の診断助成制度
2.自己救済制度(賠償保険勧誘)

1.認知症の診断助成制度は、簡易審査、精密検査の検査をする際に補助金が出るというものです。
2.自己救済制度は、認知症の方が事故を起こした際の賠償保険に勧誘する際に、年間の保険金を助成するといいうものです。

 また、このほかにもGPS駆けつけや、保険の運用などを行う業務委託に事業費が使われています。

事業費を算出

 増税までして行なっているこの事業の税金が、どのように使われているのかを確認してみました。神戸市は事務事業評価を行なっていないので、公開情報をもとに、自分で計算するしかありません。
 そこで、制度の概要、実績を以下のホームページから算出してみました。

https://www.city.kobe.lg.jp/documents/15725/5zissizyoukyou.pdf

 その結果は、税収3億円に対して、2億が補助金、1億程度が使途不明で、おそらく人件費等に使われているのではないかと思われます。

行政への確認したこと

 また、日頃減税活動を共にしているメオポンさんに協力いただき、議員を通じて行政にいくつか神戸モデルについて確認をいただきました。確認したのは、
a,この政策のb/c(コスト・バイ・ベネフィット)、つまり便益とコストの経済的な妥当性を算出しているか
b,加入している保険は妥当なものなのか

ということです。
aについては、行政にこの事業の便益とB/Cを確認しました。
bについては、加入している保険の付加保険料(経費率)を確認しました。
※付加保険料率とは、保険料の中の営業、広告費、人件費等の割合を示す指標です。これが大きい場合は、保険会社に手数料をいっぱい払っていることになります。

質問と回答は以下の通りでした。
a) この事業の便益は計算済みか?また、B/Cはいくつを想定しているか?
→この事業の便益は計算しておりません。よってB/Cの想定もありません。

b) 賠償責任保険の毎年の保険料はいくらか?付加保険料率(経費率)はいくつか?
→付加保険料率はわかりません。(算出しておりません) 

よって、増税によって行われている神戸モデルの政策は、
便益、コスト評価を行なっておらず、加入している保険の妥当性も曖昧であるということです。つまり、この政策が良いのか悪いのかよくわからないということのようです。

今後について

 神戸モデルについては、モデルというだけあって今後全国に広がる恐れがあります。増税は地方から行われます。ここでしっかりしておかなければ自分の自治体でも増税される可能性があります。
 事務事業評価シートがあればこういった話が簡単にできるのに、神戸市は事務事業評価を行なっていないのでこちらは大変です。しかし、ない以上はこういった個別政策に対して行政、議員に確認することで、事務事業評価が重要であることをわかってもらうことも減税会の重要な活動の一つかとポジティブに思うようにしています。
 この政策についてpart2以降でさらに細かくみていき、今後の活動の方向を考えていこうと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?