見出し画像

イーサリアムは失敗だった!?

〜ブロックチェーンの最大手が顧客を失望させた理由とは〜

ブルームバーグのインタビューの中で、イーサリアムの共同創業者のヴィタリック・ブリテンは、実生活でユーザに利用されるようなブロックチェーンのアプリケーションの数が不足していることが最も大きな課題であると言及しました。さらに「仮想通貨にすでに興味を持っている人々に、もっと色々な方法で仮想通貨に関わってもらうことが次のステップ。人々の経済活動にで利用されるようなアプリケーションの開発に取り組んでもらうことが重要です。」と述べました。この発言は、今年の1月にイーサリアムの価格が最高値から85%以上も価格が下落したことを説明するものとして語られました。

イーサリアムは直近ではリップルやライトコインと同等の金額 200 USD以下で販売されていました。スケーラビリティ、処理スピード、トランザクションコストといったイーサリアムの限界に関して、これらが改善の見込みにあるような趣旨のコメントはなされていません。イーサリアムの創造者が、新しいテクノロジーを、内包する課題そのものも含めて実経済界に提示しようとしているのでしょうか。あるいは単純に自身の発言の矛盾点について考えが至らなかっただけなのでしょうか。

このたび、OSA は自身のプロジェクトのコアになる技術を共同開発すべく、ブロックチェーンの技術パートナーを選定するコンペを実施することを発表しました。最も大きな理由は、ビジネスや実生活の課題解決を追求したいと考えている私達にとって、イーサリアムは十分なソリューションとは言えないと判断したためです。

OSA の CEO のアレックス・イサエフは、イーサリアムを土台にした小売ソリューションでは、非効率なシステムになってしまうこと、そして成長する世界経済のニーズに対応できるようなソリューションを作り出すことはできないことを認めました。また、単刀直入に、イーサリアムは世界的な展開の可能性を自身で妨げていると指摘しています。

「実際私も、1年前にブロックチェーンを使った実用的なアプリケーションの開発が急務であるという趣旨のヴィタリックのスピーチに影響を受けています。私達はプライベートチェーンのソリューションの構築においてイーサリアムに依存しています。私達はトランザクションスピードを高速化すること、スケーラビリティの課題を解決することを約束する、というヴィタリックの発言を信じていました。そしてアプリケーションの開発に役立てることに成功してきました。私達のサービスに対する需要は非常に高まってきており、これによってサービスのスケーラビリティという新たなチャレンジに直面しています。すなわちイーサリアムの限界が、サービスそのものの限界となってしまっているのです。OSA は実際に存在する成功したビジネスで、ネスレ、メトロ、マーズ、コカコーラ、ダノン、ロレアルや他の数多くの世界的企業と提携しています。世界で最も大きな経済市場において世界的なエコシステムとなるなれるようなサービスとなることをミッションとしています。今日、私達は数多くのビジネス開発のプロジェクトが、イーサリアムの欠陥のせいで延期になっているのを目にしています。イーサリアムは、必要な機能を備えることも、実世界の課題解決を追求するプロジェクトの後押しもできていません。それゆえに、私達はゼロから実用的なプラットフォームを作成する必要があるのです。これはイーサリアムへの信頼を捨てることによって、お金と時間をかけることを選択することを意味しています。スタートアップである我々にとって、これは非常に重要で再起できないほどのダメージを負うことになります。」

イーサリアムは私達に色々な側面で失敗をもたらしました。そして一見、それらは一時的な課題や停滞であるかのようにみえて、実はそうではないということが深刻なのです。

・イーサリアムのシステムは当初、大企業向けニーズに対応するように設計されていませんでした。そしてこれは今も変わりません。パブリックブロックチェーンを利用することによって、通常なら社外秘のビジネスデータを公開することになり、セキュリティへの責任の所在が不明確になります。もしある特定のノード、あるいは複数のノードが事前に定められた条件に違反しても、段順なデータ・セキュリティ上の違反が発生しても、為す術はありません。
・データレイヤーの区別が行われなかった場合に問題が新たな問題を引き起こす可能性があります。小売業においてはプライベートとパブリックデータの両方が必要とされていますが、ともにデータの並行処理や柔軟なアクセスレベルの設定が求められます。イーサリアムは、柔軟性に欠けるデータフレームで、ビジネスニーズにあわせて調整することができません。
・トランザクションのスピードはエコシステムを急成長させるためには十分に早いものである必要がありますが、機能の多様化とビジネスニーズの高まりに対して十分なスピードを担保できていません。実現するとされていたシステムのアップグレードは現実とは程遠いものでした。
・トランザクションのコストの高騰は、イーサリアムのもうひとつの問題で、ブロックチェーンによって得られる利益を相殺してしまいます。
・最後に、最も差し迫った問題は、ロックアップ戦略を用いたトークン配布のプロセスです。

OSA のシニアブロックチェーンデベロッパーである Eugene Rupakov によると、ひとつのブロック内の3つのトランスファーを行うには非常に多くのガスが必要で、10分間も要するとされています。3万人のトークンホルダーがいれば、トークンの配布だけで数ヶ月も要することになります。

前述で記載されたような事柄を背景として、OSAは中長期的な技術パートナーシップの募集コンペを開始します。Intervalue, IPchain, HPB, Everitoken そして Penta とブロックチェーンプロトコルのテストに成功させ、覚書の締結に成功しました。

イーサリアムはもう絶対に必要なものとは言えず、これまで目指してきた姿とは程遠い全く異なるものになってしまいました。イーサリアムは広報やPR活動に膨大な努力をしていますが、他の謙虚なプロジェクトはイーサリアムと違い、独自性の強いより効果的なソリューションの開発に勤しんでいるのが現状となっているようです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?