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アイテムやキャラクターの性格付け

 アイテムやキャラクターの性格付けというのを平たく述べると、長所短所の事です。
 結論から言うと、このような差異を持たせると事で、狭義の娯楽性を深化できる、という事です。

 話を進める前に、本文でのアイテムとキャラクターというのを定義します。
 基本的に、日常で我々の使う「キャラクター」や「アイテム」という言葉から乖離する事はありません。ただ、ここでの「キャラクター」というのには、人物ではないものも含んで使います。例えば、「車がキャラクターである」というような使い方をするという事です。
 車がキャラクターであるというのは、例えばレースゲームなどで、車種によってそれぞれの長所短所が設定されているような場合を想定しています。
 具体的には、こちらは直線では速い一方、曲がりが悪いとか、あるいはその逆である、などの差異です。
 アイテムについても、基本的にはこのようなキャラクターと同様の理解で問題ありません。前述のような差異の存在するキャラクターに装備するようなものを、アイテムとして考えます。相手に毒を盛る「呪文」のような存在も、アイテムと同様の役割があるでしょう。ここではそういった、キャラクターが行う動作についての呼び名は「技」とします。
 キャラクターによって覚える技が違う、あるいはそもそも覚えられない、などの差異については、キャラクターに属するものとして扱います。毒などの状態異常についても、「状態異常」そのままの呼称で用いります。毒状態にするものは、技にもアイテムにも存在します。

 このようなキャラクターやアイテムのもたらす「差異」について考えてみよう、というのが今回の目的です。結論から申し上げると、このような差異は狭義の娯楽性に影響します。広義の娯楽性との関係がないわけではありませんが、主に狭義の娯楽性に作用します。

 話を単純にするために、将棋で例えます。将棋にはアイテムが存在しませんが、キャラクターは存在します。キャラクターに相当するのが駒です。駒の動きの差異が、キャラクターの性格付けです。王(玉)は特別であるので絶対であるとして、その他の駒は動ける範囲の強力さによってグレードが決定されます。
 金と銀とを比較してみましょう。殆どの駒には、死角となる、動けない場所があります。動ける範囲のみで比べるのなら、金の方が銀よりも強力な駒であるといえます。
 それぞれの死角はというと、銀が真横と真後ろである一方、金では斜め後ろです。短所だけでなく、長所にも目を向けてみましょう。
 金と銀とを比較して、斜め後ろに動けるという長所がありますし、金は真横に動く事ができます。このような動きの違いは、プレイヤー(棋士)により複雑な思考(≒狭義の娯楽性)を促します。

 将棋から離れて、RPGでも例えてみましょう。RPGや最近のゲームの多くでは、このような性格付けがより複雑になされている事が殆どです。将棋より複雑、というのは単純にキャラクターの数が多いという量的な違いだけでなく、デメリットとメリットとが同時に付与されるアイテムが存在するといった質的なものなど、様々あります。
 加えて、将棋にはない「技」があったり、状態異常を付与できたりと、できる事が多い。将棋には、相手の眉間に角を投げつけるなどといった技はありません。
 この選択肢の多さ故にRPGなどでは、歩が金に毒を盛り、ひたすら逃げて金が倒れるのを待つ、というような選択をプレイヤーが取れるようになります。

 とはいえ、とにかく制限が多い方が面白くなる、という話でもありません。加減が大事です。名人棋士との対決で、名人の飛車と角行を落としてもらう事で、勝負がより緊迫し、狭義の娯楽性がより深くなる事はあるでしょう。名人の飛車と角行とをさらに追加したからといって(=制限をより増やす)、対局がより面白くなるという事はないでしょう。

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