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不妊治療ではなく妊活という時代(採卵ver.)

「...ん...さぁ〜ん」
誰かが遠くで私の名前を呼んでいる

重たい目を開けると赤紫色のナース服を着た看護師さんの顔がぼやけて見えた

「はい」

と小さく返事をして再び眠りに落ちた


今日は人生で2回目の採卵の日
1回目はちょうど4年前だった

注射
全身麻酔
病院の長い待ち時間
この数年ですっかり慣れっこになってしまった

35歳
今回採取できた卵子は12個
4年前は18個

「卵巣機能が衰えているから」
と排卵誘発の自己注射の量は倍になった
そのおかげで
吐き気、頭痛、めまいに悩まされた

注射や麻酔にはすっかり慣れたけど
体の衰えに対する恐怖と実感は
検査をするたびに私の心臓をヒヤッとさせて
何倍にもなっていた

妊活で病院に行くという選択は
毎回通信簿をつけられているような
一種の逃れられないレッテルを貼られるような
なんとも言えない感覚になる

だから
「今回は自然に出来るかも」と期待して
自己タイミング法を始めたものの
いつまでタイミング法でいくか悩んでいた


しかし治療をレベルアップしても
妊娠できなかったら

体外受精に進むことを決めるときは
「ダメ」のレッテルが怖くて
期待と不安に躊躇する

実際
体外受精がダメでも
その後自然妊娠する人もたくさんいるので
ラストチャンスではないのだけど、、、



さて
35歳オーバーの通院目安は
タイミング法で半年妊娠しなかったら
と言われている


「どうせなら確率の高い方で」と
6ヶ月目を目前に前倒しで採卵することにした

検査から卵巣の衰えを
ヒシヒシと感じたので
早く通院して良かったと思った



さらに
月一度のタイミングに合わせて
淡々と子作りを続ける作業は
私たち夫婦にとっては
とてもストレスだったので
現代医学に感謝したい

話は変わるが
晩婚が騒がれる時代で
30過ぎて結婚や妊娠の予定がない人には
心から卵子凍結をお勧めする
(実際周りの友人には勧めている)

「まさか自分が不妊なんて」
「そんなこと言われても彼氏もいないし」
「高い〜」
当事者たちはそういうが
我が子を抱きたいという想いがあるのなら
卵子凍結は十分な保険だと思う


方法を問わなければ
40歳を超えても妊娠が可能な時代

17人に1人は
体外受精や顕微受精で産まれている

もはや「不妊治療」ではなく
確率を上げるための「妊活」が
適していると思う


いつか直面してからでは遅い
私もキャリアを優先して
子作りを後回しにしたタイプなので
いろいろと感じる事がある


「キャリアと妊活」
この話はまた今度

ここから先は記録なので興味のある方だけどうぞ
この手のブログは私も読み漁ったので
私の記録が現在治療中、治療予定の方の
参考に少しでもなると嬉しいな、と



【生理3日目】
通院
血液検査
エコー
ゴナールエフ皮下注射開始(225単位)
(病院で注射指導)

【生理4〜5日目】
ゴナールエフ皮下注射開始(225単位)
(自己注射)

【生理7日目】
通院
血液検査
エコー
ゴナールエフ皮下注射開始(225単位)
(病院で注射)

FSHが1000まで上がっていて薬の効き目が良いですね、と言われる。

【生理8日目〜9日目】
18:00
ゴナールエフ皮下注射(225単位)
ガニレスト
(どちらも自己注射)

【生理10日目】
通院
血液検査
エコー
ゴナールエフ皮下注射(225単位)
ガニレスト
(どちらも病院で注射)

FSH3000位。FSHの値が3000超えると今期の移植は難しいと言われる。

21:00
ブセレキュア
(鼻にスプレーして排卵を促す薬)

【生理12日目】
8:20 受付
9:00 採卵
(精子は採取から2時間以内のものを10:00までに提出。ベストは1時間以内。)
9:40 名前を呼ばれ意識確認。再び眠る。
10:30 起床。点滴が終わるまで動けない
11:00 着替えて診察


採卵数の報告と受精させたあとの培養日数の相談をする

ちなみに、3日培養したものの妊娠率は大体30%、5日培養したものの妊娠率は50%

ただし、体内の方が環境は良いので5日目までの間に培養液の中で損傷して受精卵が育たないパターンもあるらしい

どの卵子を何日培養させるかの選択もかなり難しくて掛けだなと毎回思う

ここまでのお会計は433,980円
(ちなみに通っているのは都内の3大クリニックの一つ)

【手術から1日目】
10:00 培養室から受精確認の電話

【手術から2日目】
食欲不信
腹痛
吐き気
下痢
倦怠感
微熱
口が乾く

ググると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状にピッタリだった
1番の薬は日にち薬、とグーグル先生が言うのでとりあえず様子を見てみることにした

【手術から3日目】
昨日の体調不良はどこへやら
すっかり回復した


つづく

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