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「値上げから値打ちへ」

25期がスタートして1か月

期初に全社員に向けて今期の抱負、考え方をお伝えする機会がありました

前期はコロナ禍の厳しい中、現場の皆さんの努力・・・とりわけ緊急事態宣言、まん延防止などが繰り返される中、帰休や時短など外部環境によって働くペースも狂うことに苛なまれ不規則性な働き方に辟易されたかと思います

そのような中、皆さん気持ちのコントロール含め大いなる努力もあって会社は黒字化しました

黒字化された理由はまさにその努力の一部によって捻出された雇用調整助成金、営業協力金といった、いわゆる「税金」の寄与部分も多いわけです

それによって、赤字が回避され、会社の財産(純資産)も増やすこと(減らすことを回避)が出来たことはひとまずの及第点と言えます

が、一方で本来的な私たちの実力ではないところでなんとかカタチを整えたといったこともあります

休んで、つまり営業せずに、つまり会社として生産活動をしないで「売上-経費=利益」になる構図は普通あり得ません、これはあくまでも今の環境独特な国の措置によってなされたものです。

まだコロナの終息は不透明ではありますが、2年間にわたるこの状態から脱して、本来の実力を発揮できる仕事にこれから取り掛からなければいけない・・・そんな気持ちでいます

年頭に大きな方針をお伝えしましたが、それは変わっていません


このコロナ禍の間に、「リンゴの木」にあるように、土壌になるホロ社の生業である「ホテル運営事業」を土台に、「コンサルティング事業」が伸びてきました


ひとつの事業体として成立させていく(当面の目標的には取扱年商3億円程度)水準も見えてきつつあります

そしてこれまでも着手していた「物販事業」も第三の柱にすべく併走させています

今期は全ての事業を事業体になるべく活動を加速させていきたいと思っています

「ホロニックはホテル業」でもありますが

「つながりつなぐコミュニティ創出企業を目指します」

というビジョンの元では

「地域資源を企画編集する」が本流事業と主語を変えていっています

コミュニティホテルとしてのセトレはベースにありますが、そこからの知見、ノウハウなどからコンサルティング、また物販も全て地域資源を企画するという文脈から広げているものであります

それをこれからも忠実に進めていきます

さて、このコロナ禍で人々の生活環境が大きく変わりました

その間、ホロ社も六方よしと掲げた中にある「地球」「未来」をより志向される世の中になってきたことを強く感じます

また今後日本国内では確実にあらゆる「経費」が上がります

それはしかも一時的なことでなく不可逆的なことだと思います

経費とは主には皆さんに直接関わる「人件費」と人の生活や生産活動に関わる資源に直結する「原材料費」です

かつ、確実的に言えるのは環境負荷の高い原材料は大きく制限されるようになる(税金がかかることも含め)、またはモノをつくる過程で環境配慮をする工程(≒コスト)が増えるはずです

だから確実に「経費」はあがる、しかも一時的ではないということです

この30年、気付いたら「日本は安い国」になってきました

買い物でもかつては海外に出て買うことが隆盛でしたが、今では外国人が日本の物価の安さを求めてくるようになりました

しかし、日本が値下がっているわけではなく、他国が上がっているということで気づいたら安くなっていたということです

これって、すなわち、日本の価値がこの30年上がっていないということです

吉野家は30年前と値段は変わりませんし、量販店などの商材も値段は変わっていません、ホテルだってビジネスホテルなどは変わっていませんし、新入社員の初任給水準もあまり変わっていません

平成の30年間は、むしろ値段を下げていくことが価値になるかのような風潮で流れてきました

しかし、一方でスタバのように新たに出てきた業態がいとも簡単に値上げするのも風潮です

単なるコモディティ・・・つまり、いつでもどこでも手に入る、空腹を満たすだけの食事、使い捨てなどの消耗品、などはこの先も高い競争力を持つわけもないので、それは安くしていくしか術はないと思います

しかし、そんなモノ・コトもこれからの地球未来の考え方からいくと削除されていくようになると思います・・・つまり益々価値が減る、もっと言えば無価値になって消えるということです

そのような中、さて私たち・・・これからしなくてはいけないのはあっさり言って「値上げ」です

換言すると、値上げできないサービスや商品は無価値になると思っていいということです

「値上げ」をするのは現場からすると怖いことです、お客さんが離れていくのではないか・・・

そんな恐怖に苛まれます

しかし、そんな恐怖に苛まれる時間があれば、いかに価値を高めることに腐心するべきなのだと断言します

勿論、値上げも青天井にするものではありません(というかそもそも、出来るものではありません)

価値に見合うサービス・商品は何か?を知り、そして高めるために磨き上げることです

お客様から「選ばれる理由を最大化」し「選ばれない理由を極小化、いや抹消」する

選ばれない理由がたくさんあると、その分売るための余計なコストがかかります

コストは最小限にする・・・ことを考えることが重要です

そこに頭汗をかきながら、自らの刃を研ぎ澄ましていくことに腐心することが肝心です

この先、値上げをしないと、高騰する原価をカバーすることが出来ません

「売上-原価=粗利」ですから、原価が上がって売上を据え置くと当然原価率が上がります

すると、粗利が下がる・・・

粗利が下がったまま、経費は据置にすれば利益がなくなっていきます

すると、人の性としては経費も下げようとします・・・人件費も出来るだけ抑えようとします、人の数も抑えようとしていくと当然サービス業であれば品質が下がりますし、もっといえば少ない人数により疲弊感が出てモチベーションが停滞する可能性が高まります・・・なにせいいことはありません

販促費や、色々やりたいことにお金をかけられなくなって、これまたモチベーションが下がります

悪循環極まりない・・・

人件費は費目としては経費ですが、どこの会社も「人材が宝」と言っているわけですから本来「財産」であるべきです

財産を削除して利益を出す・・・というのは本来本末転倒なわけです

ましてや、今後人件費は上げていく・・・これは国家の大方針でもあります

これこそ不可逆的です

だったら、もう「値上げ」しかないのです

値上げすることで、儲けを増やし、儲けることで人件費を増やすことが出来ます、つまり皆さんの給与所得を上げることが出来ます・・・これ不幸なことでしょうか?

値上げすることで原価もかけられる、使える経費原資も増やせる・・・つまり「使える手」が増えるわけです・・・それでモチベーション下がりますでしょうか?

だから「値上げ」が大変重要な思考ポイントになります

しかし、これ言うのも考えるのも簡単ですが、この値上げをする意志を遂行する上で、セットになるのが「価値の向上」です

価値の向上なくした値上げをすれば、お客様はいわずもがな「激怒」します・・・だからといって「値上げ」に怯むことなく価値の向上に腐心するのです

お客様の満足度を、またロイヤリティを高めていくにはその「体感値」が上がらなければお財布の紐は緩むことはありません

つまり、値上げする上で重要なことは「値打ち」を高めることです

値段を上げても割安に思えるのが「値打ちが高い」ことです

どうしたらよいのでしょうか?

私たちのようなサービス業は、空気と時間・・・つまり物体が見えないものを売っている・・・まさに、私たち自身・・・人材!の、個々人の持っている能力、それは知識もそうでしょう、センスもそう・・それって、「磨かれた自分」に他なりません

「私個々人が商品」、その価値が求められます

腐ったり、錆びたりしている人(モノでも同じですけど・・・)に価値はありません!

だから、値上げするために必要な活動は自らの「ピカピカ磨き」です

お客様は価値を求めています

価値の物差しのひとつが「価格」ですが・・・それは唯一の物差しではありません

価格が安いことでなくて、値打ちがある(割安)ことが肝です

私(個人も法人も)も心身ともにピカピカ磨きをしていくことで値打ちを上げる

ここに腐心して鍛え上げていきたい、そして怯まず値上げを志す!

そこにマインドセットしていきたいと思っています

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