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わたしと私

昔よりずっと多くご飯を食べるし
疲れた顔をするし
涙腺が弱くなったし
自分から勉強したいだなんて言い出すし
猪突猛進できなくなって
どんどん自分を隠すようになって

あの頃の私に会う日はもう無いんだ

最低な父にさりげなく話しかけられた時の嫌悪感
そんな父に気弱な母はめんどくさい女みたいで嫌いだ
姉は両親と絶縁みたいになってるし、兄は何も言う事なく消えた

最後の1人は私

あー。
どうせ親が死んでも誰も喪主をやらないんだろう
どんどん可哀想になって、私だけは家を出てから気にかけるようにしてきた

昔は早く居なくなれば良いのにと思うほど憎んでいたのに

昔より確実に
両親に抱きしめて欲しいと強く思うんだ

いや違うね、私が辛い時きちんと抱きしめて欲しかった

私が10歳の頃、姉が躁鬱になり家庭崩壊してから自分を殺す事でしか何事も成り立たないと思っていた。
暗い部屋の隅で泣くだけの私
私の泣き声を掻き消すような姉の悲鳴は1、2年続き次第に私は声もあげなくなった

歪な愛は歪な愛を生むだけ
今になって沢山蓋してきたものが溢れて止まらない

あの頃の私はまだ泣き続け誰かに包まれるまで
そこからは出られない

暖かい胸の中で溢れる涙が止まるまでそこに居て欲しいんでしょ?

今まで気付きもしなかった憎悪の真相
土のないコンクリート畑にいくら花を植えても綺麗に咲き誇る季節はやって来やしない
土じゃなくなった私の心はどこに押し付ける事もなく、ただその時を待っている

人のせいにしたい時だってあった
そんな事しても何も良いことはないんだけど
人のせいなのに自分が泥を被る事は多くなった

何かに逃げるようにしか生きてこなかった私の
これからの生き方がわからない。
涙が溢れて止まらない
もう大人だから枕がびしょびしょでも買い替えられる

そうやってテトリスは片方だけ積み上がって
馬鹿みたい

今更なんだよ私

マザコンのファザコンのシスコンのブラコンで
お前らみんな私が幸せにするからなって
歪んだ記憶に釘刺して血が止まらない
それでもきっと私は笑う事しかできない人間

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