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番外編(町中華と僕)


ホラー映画やその他映画が大好きな僕ですが。
映画の次に大好きなのは。そぉ。

町中華

町中華が大好きなんです。町中華で飲ろうぜ!
って番組がBSTBSで放送されてますが
その番組が放送される以前から町中華が大好きなんです。

幼少期、僕は田舎町で育ちました。
その田舎町に1軒だけ中華屋さんがありました。
紅龍(こうりゅう)ってお店でした
このお店は、近所の方や町に住む方から愛されるお店屋さんでした。

僕の親父が紅龍が大好きで何かある毎に連れて行ってもらいました。
僕は紅龍のチャーハンと味噌ラーメンが大好きで大好きで!
でも。子供にはセットにしても量が多すぎて食べきれない・・・。

そんな時に頼りになるのが親父でした。
餃子にラーメンに633mlの瓶ビール
こんなに食って飲んでも

「仕方ないなぁ〜」


こんな事を言いながら、僕が残したぶんを美味そうに食ってくれるのがカッコよく見えた。
そして、親父が飲む瓶ビールがめちゃくちゃ美味しそうに見えた。

大人になったら!紅龍で633の瓶ビール飲むんや

そんな野望を心に秘めながら僕は高校生になった
高校生になった僕は、ちょこちょこ溜まり場として紅龍に行っていた

でも、大将も女将さんもお客さんも顔馴染みなのでビールも飲めないし、タバコも吸えない
でもあと!4年もすりゃ大丈夫や!
それを胸に秘めながら日々を過ごしました。

そして高校卒業

僕は県外の専門学校に行きました。
県外といっても、関東県だったので中々帰れず
悶々とした日々を過ごしながら生活していました

そして初めての夏休み、地元に帰省出来る時が来ました。

「よぉし!年齢はまだ18やけど!紅龍行って!633の瓶ビール飲むんや!」

ワクワクしながら帰りの新幹線で缶ビールなんか飲んでました。
地元に着き、ひと段落して出かけようとした時に
母親が

何処に行くん?

こぉ言ってきました。僕は面倒で

どこでもえぇやろ

こぉ答えました。でも母は晩御飯はとかしつこく聞いてくるので

紅龍に行くんじゃ

こぉ言うと母から衝撃の事実を聞かされました

「紅龍ねぇ。大将が具合悪くして今ね店閉めとってんよ」

え?店?閉めてる?大将の具合が悪い?
パニクったねぇ。だってさぁ。大将のお子さんって下の子が僕の1つ上だよ?
何で知ってるかって?高校の時色々あったからね

それは置いといて。

にしても大将まだ年齢的にもお若いはずなのに何で?
そこから帰れど、帰れど、帰れど、帰れど。
紅龍は店を開ける事なく閉店してしまった。

悔しかったなぁ。もし味を継承する人が居たら
紅龍は無くならずに味は残ってたんだよ。
思い出の味がもしかしたら、僕の子供や孫まで伝えれたかもしれないんだよ?

その時、僕は思った。

いつか。無くなるんだよ。

でも僕にはその味を継承する勇気もないし、技術も無い。
それなら悔いが残らないように、食べよう。
飲もう。身近の人と共有しよ。

そんな事を思いだしました。

最初は1人で町中華で飲んだり、食べたりしてました。
でも最愛の人が現れ。その人と行くようになり
家族ができ。息子、娘と行くようになる。

いつかその味が食べれなくなるかもしれない。
でも、共有した人が近くに居れば
その人達と酒を飲みながら当時の話が出来る
風化する事は無くなる。
ある意味、継承してるのかなと思う。
継承の仕方は違えど、未来に伝えてくのは大事だと思うし
もしかしたら、後継者が居ない中華屋さんを僕が継ぐ日が来るかもしれない。

修行、修行って言うけど、僕から言わせてもらえば

人生生きてるだけで修行やから。

それ以上に辛い修行はないよ。それなら味を継承する修行なら苦じゃないでしょ?

コレが僕の町中華を好きになったきっかけです。
紅龍が無ければ僕は町中華を好きにならなかったはず。
ただ僕が町中華を食べ歩いてるのは
紅龍のチャーハンの味を求めているのかもしれない。
あの味を継承している人がもしかしたら居るかもしれない。
懐かしい味に再開するまでは

僕の旅は終わらない。

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