6/20 FaceAppで感じたこと

Twitterで流行っているAI表情エディタアプリをダウンロードして遊ぶ。

使ってみたかったのは自分の性別を変えた場合の顔がどうなるか試してみたかったからだ。わたしは男顔なので多分あまり変化ないだろうな、などと思いながら作ってみると、そこにはぬぼっとしたにーちゃんが現れ、なんだかこの男は弱そうだから舐められそうだなと心配になった。

そんなわけで髭を施したバージョンを作ってみると、今度は列に割り込みとかはされないだろうけど深夜にビール缶を片手にぶらぶら歩いてそうなおじさん(便所サンダルヘビーユーザーっぽい)が登場。女性からみると評判が悪そうだけれど、男性社会をサバイブするには髭がないと不安だわ、もしわたしが男だったら親や周囲に髭を剃れと言われても髭をはやそうなどと流れるように思考した。

そこであれ、と気づいた。

わたしは女性として今まで生きてきて、舐められることが心配で髪を染めたり、化粧をしたりしたことがなかったのだ。

かつておしゃれに気を使っている同性の友人を褒めたとき、「舐められないためにやっている」と言われてショックを受けたことがあった。す、好きでやってるんじゃないのん?ポジティブな気持ちからではないおしゃれ、センスいいから結構コストかかっているーーなんてこの世は厳しいな、でもたしかに友人のセンスにはダサいを寸分も許さない緊張感があるけども。

などとぐるぐる思考してわからねぇ。と諦めたが、それからおそらく二十年ぐらい経って自分の性別を置き換えてはじめて理解した。

変な人から絡まれたり殴られたり舐められたりやっぱり髭は必要でしょ!圧かけないと。というマインドが自然に出てきた。

自分が女性として生きてきてそれほどの不愉快を感じていなかったのは恵まれていたからで、現状この世界で自分を守るためのライフハックが必要なことも、そうだよな、と思ってしまった。綺麗事だけで生きていくほど、この世界に信頼をおけないから。

そう言えばうちの父もいつからか髭を生やしていた。髭を剃ると童顔だったから、きっと貫禄が欲しかったんだな、分かるよ!!

と娘のわたしが力強く言えるのは、それでも信頼のおけない社会から提供された技術によるものなんだなー、なんて思いながらわたしの男性写真を保存した。


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